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「これで終わりかな?
それもと、まだ他にもいる?」
月読がマガジンを替えながら時雨に尋ねる。
吸血鬼たちがこれで全部なら紫外線手榴弾を使いたい。
もしもまだまだ吸血鬼たちが集結してくるようなら温存する。
「マスターが姿を見せてないです」
暗闇でも見える時雨の目には眷属しか確認できてない。
それと月読にはなんかおかしくないかとの思いがある。
自分たち吸血鬼に仕掛けてきたわりには人数が少ない。
少数精鋭というわけでもなさそうだ。
戦い方にしてみても素人臭さがある。
こうやって仕掛けてくるのは「カッツェ委員会」の連中だろうと思う。
だとするとなおさら奇妙だ。
もしかすると純血統吸血鬼の単独行動なのかもしれない。
そういったヤツはたま〜にいる。
自分の力に自信があって試したいのか、それとも他の目的があるのか?
思い当たる節がありすぎる月読は本当に厄介だなとうんざりした表情を作っている。
1対3、いや時雨からのサポートもあるので2対3の争いになった。
撃ち合いになっているが埒が明かない。
ちょこまかと動き回る吸血鬼どもに偶然でも1発も当たりゃあしない。
しばらくの間、膠着状態が続く。
銃声が夜の大久保の街に響いている。
街の喧騒から離れた公園なのでやけに大きく聞こえる。
この銃撃戦の間にも人間がやってはきたのだが銃声が本物だったことで足早に逃げていった。
なんの前触れもなく突然きた。
人がブクブクと膨れ上がって爆発寸前のような醜悪な姿になった生きものが乱入してきた。
「なれなかった者」だ。
眷属になれず死亡することもできなかった、人でも吸血鬼でもない血獣。
100人いれば100種類の血獣になる。
だいたいはおとなしくしている。
ひと目につかない場所に身をひそめている。
この大久保だとビルの屋上に隠れてたりしてるかもしれない。
吸血鬼の弱点である紫外線には弱い。
吸血鬼と同じように人間の血液だけを求める。
お腹が空いた時と吸血鬼の反応を感じ取った時に現れる。
年月が経つほどに人であった時の記憶も薄れていくので理性も失くなったケダモノになってしまう。
元の人間だった時はどんな人物だか伺いしれないが3メートルほどに膨れ上がった肉体はもはや男か女かもわからない。
この公園にまで突進してきたのは吸血鬼に反応して興奮しているのだろう。
知性よりも凶暴さが優先されている。
夜に生きるバケモノの中でも予測不可能なのが血獣だ。
突如現れた血獣は腫れ上がって肥大した瘤だらけの姿のわりには意外にもその動きは素早い。
眷属の1人に急接近している。
その眷属は月読たちよりも目の前に近づいてくる脅威のほうに銃身を向ける。
ダン、ダンと連射。
血獣は避けることなく弾丸を受けている。
瘤のようなものに弾丸がめり込むが本体にまで届いてない?
撃たれた瘤からプシュ〜っと膿のようなものを噴出。
目の前まで迫ったその眷属の1人にその膿がビュ〜と飛んで銃を持つ右手に付着。
ジュっと焼ける痛みとものすごい臭い。




