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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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19/73

4-7

森川と足立が撃った弾丸は月読たちには届かなかった。

時雨が差し出した左手の前に氷の壁ができている。

弾丸は氷にめり込んで止まっている。

時雨が「氷壁」サイズ等身大を目の前に発動させた。

良かった、間に合った。


森川と足立はその光景をしっかりと見た。

そして悟った。

あの女は確かに眷属だ。

赤い目を見た。

眷属には大きく分けて上位、中位、下位といったランクがある。

すべての能力値が根本から異なっている。

8割以上が下位に属している。

それでも普通の人間に較べたら驚異的な能力を持っている。

上位になると本当に稀ではあるが特殊能力を持つチート級のバケモノがいることがある。

2人は噂には耳にしていたが実際に遭遇することは初めてだった。

あの女の眷属は紛れもなく上位眷属だと確信することになった。


それがわかっても臆してるわけにはいかない。

マスターからの絶対命令が出ている。

自分たちでは敵わないがマスターに(つな)ぐまでは少しでも相手のスタミナを削っておく必要がある。

どれほど能力が高くても無限のスタミナがあるわけでもない。

スタミナ切れを起こしたらどれほど強くったって終わりだ。


銃撃戦になった。

撃つのは月読のみ。

相手は2人いるが時雨のディフェンスが完璧なので安心して攻撃ができる。

紫外線手榴弾を使えば1発で終わるのだが手榴弾が残りひとつ。

ここで使ってしまうとさらに吸血鬼が追ってきた時に厳しいものがある。

ここは温存しておきたい。


撃ち合いになってくると弾丸数が多いほど有利になる。

弾丸に関してはマダム・ゼリーゼリーの店で大量購入してるのでバッグの中に詰め込んでいる。

しかも弾丸は特殊なもの。

対吸血鬼用にニンニク成分のアリシンを特殊塗装した弾丸。

1発当たればそれで終わり。


時雨がいくつもの「氷壁」サイズ等身大を作り出してくれたおかげで十分な防壁ができている。

やはり広い場所に移動したのは正解だった。

交戦中に何人もの人間が近づいてはいたのたが銃声を耳にして大慌てで逃げていってる。

その中の何人かが警察に通報したかもしれない。

警察官が駆けつけてきても目障りなら始末するだけだ。

そもそもが警察官では眷属の下位の吸血鬼でも対処できない。

人間だった時よりも頑丈さは3倍近くにまでなり、また再生能力も3倍近くにまではね上がっている。

即効で倒せるのは吸血鬼としての弱点を攻めれば早い。

下位の吸血鬼なら頭や心臓に2〜3発の弾丸を撃ち込めば倒せるだろう。

それなら再生も追いつかないし致命傷を与えられる。

上位クラスや純血統吸血鬼なら「吸血鬼の弱点」を駆使していくしか倒す方法はないだろう。



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