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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
血のたわむれ

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15/65

4-3

月読はサングラスをしている。

タイプはオーバーグラス。

目の横側までもレンズで覆っている形になる。

夜目が効かない月読はこの暗視機能つきサングラスをかけることによって暗闇での活動が可能になる。

色彩は日中ほど鮮明にはならないが色の判別まではできる(すぐ)れもの。

しかも吸血鬼に対してだけはその人物の周りが赤い線で形どられていて人間との区別ができるようになっている。

詳しい仕組みはわからないのだが体温センサーなんかが搭載されているのかもしれない。

マダム・ゼリーゼリーの店で200万円も出して購入した対吸血鬼暗視オーバーグラス。


ちよの足取りは軽い。

それほど広くはない路地を駆けている。

完全な住宅地だが明るい雰囲気はない。

夜になるとちょっと薄暗い。

夜目の効くちよには影響がないがもう少し街灯があってもいいと思う。

じゃないと脆弱な人間にとっては危険だ。


1ダースの眷属からの2名は前方にいる未知の吸血鬼の存在に気づいている。

2人ともハンドガンを手にしている。

ベレッタ92Fで通常の9ミリパラベラム弾を使用していて装弾数は15発。

普通の人間に対しては脅威となる武器だ。


ちよは足を止めた。

腰の後ろのジグズナイフを1本ずつ両手に持つ。

あれか、あの2人かと確認。

久しぶりにいきますかと両足に力をこめる。

狙いは右の吸血鬼。

「疾風斬撃」で一瞬で音速を超えるスーパーダッシュ。

ちよから見て右側にいた吸血鬼が消滅。

両手のジグズナイフで首を斬って瞬殺。

着地してクルッと振り返ってジャンプ。

残りの吸血鬼の脳天にジグズナイフを差し込んで消滅させる。

わずか2·57秒で終了。


ちよは2人の赤い目を見ていた。

弱っちい眷属だった。

なんの手応えもなし。

ぜんぜん面白くもない。

ナイフ使いの練習にもならない。

明らかに殺意があったことは地面に転がっているハンドガンを見れば一目瞭然。

もっとマシなのが来ないのかねと次だ。

運がいいことに人通りはなかった。


戸山公園では2人の吸血鬼たちが近づいてきた。

赤ん坊を抱えた時雨と人並の足の月読に追いつくことは吸血鬼たちにとっては造作もないこと。

スピードと持久力が違う。

それでも時雨も月読もまったく慌てた様子はない。

そして足を止めた。

ここで迎え撃つ気でいる。

狭い街中よりも広い公園のほうが戦いやすかった。

2人の吸血鬼たちはまんまとおびき出されたことになる。


月読と時雨は戦闘準備。

といっても時雨は赤ちゃんを器用に右手だけで抱えるだけ。

左手はフリーにする。

月読は右手にベレッタM93Rを持つ。

偶然にも1ダースの眷属がメインで使うイタリアのベレッタ社製のハンドガンと同じ。

型番が違う。

そして月読のベレッタは改造されている。

銃身も含めて半分以上が改造されている。

消音も(ほどこ)されていて本来の発射音の半分ほどに抑えられていて威力は同じ。

9ミリパラベラム弾を使用するのも同じだが弾丸そのものが特殊なものになっている。

これもマダム・ゼリーゼリーの店で購入している。







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