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怪しいヤツはいないだろうなとちよは周辺に目を配った。
なんだよ、思いっきりいるじゃないか。
なんだ、あの全身コスプレ2人組は?
「時雨、独りで行けるか?
変なのがいるんでちょっと遊んでくる」
時雨からの返事も待たずにちよはダッシュ。
吸血鬼反応はないのであの2人が人間なのか吸血鬼なのかははっきりしない。
それなら脅しをかけて反応を見る。
もし吸血鬼だとしたらあとあと面倒なことになる。
たしかスマホを向けてたよな。
2人の眷属はあの少女が吸血鬼だということに気づいている。
反応が強い。
というより強すぎる。
怒りを含んでる反応じゃないか?
その吸血鬼が急接近。
反射的に「逃げ」に入った。
これが間違いだった。
ちよは腰の後ろからジグズナイフを手にしている。
これでちょっとだけ引っ掻いてやれば相手の正体がわかる。
吸血鬼だったら消滅する。
人間だったら痛い思いをすることになる。
死ぬよりマシだ。
ちよはほんの少し右手を動かしただけ。
背中を見せているコスプレ野郎の1人の最も狙いやすい背中をちょっとだけジグズナイフで引っ掻いてやった。
これでも大幅に手加減しているつもり。
反応はというと見事に燃え上がってるじゃないか。
はい、これで決まり。
こいつらは吸血鬼。
もう1人も始末して念のためスマホはぶっ壊しておいた。
気になるものは処分だ。
他にはいないだろうな?
ちよは吸血鬼反応が周囲にないことを確認。
ちよは大急ぎで時雨のもとへ駆けて行く。
血は止まっていて痛みもなさそうだった。
「とにかくマンションに入ろう。
キャプテンにも連絡しなけりゃな」
時雨に追いついて、これで一段落した、というわけにはいかなかった。
渋谷での抗争後はカッツエ委員会も非常にピリピリしている。
黄河の宮廷にしてもそうだ。
いつ、どこで、また殺し合いが始まるかわからない。
そんな状況の中、大久保方面に出向いていた2人の眷属からの連絡が途絶えた。
定時連絡を厳命してある。
その連絡がないということはなにかがあった。
そう判断することになる。




