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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
再び

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126/132

3-5

周辺には一般の人間たちがいた。

渋谷での大事件があったばかり。

常識からはずれたことには関わり合いになりたくないと考えてる人は一目散にこの場から遠ざかる。

その反対に怖いもの見たさが勝ってる人間はその場に残って様子を伺っている。

その中で1人の男がスマホを向けている。

動画撮影を行っている。

全身が警察のSATのように肌をいっさい見せてない男だ。

そんな男がもう1人いる。

1人でいると怪しまれるが複数になるとどういうわけかあまり気にしなくなってしまう。

そして東京のような都会でならコスプレとしても成立してしまう。

2人の男はカッツエ委員会の眷属。

以前に歌舞伎町から大久保にかけて事件があった。

その後も警戒は継続していた。


眷属の2人は記録するだけ。

決して戦闘を仕掛けることはない。

勝手な行動はするなと厳命を受けている。

言われなくても2人にはその気はない。

いま目の前で起こったことで自分たちの力ではとてもじゃないが太刀打ちできないと悟っているからだ。


グリム神父は起き上がろうとしたが力が入らない。

「聖なる水」で全身を覆っていたから即死は免れた。

その代わり肋骨でも折れたのかもしれない。

それほどの強烈な圧があった。

あれも吸血鬼なんだろうか?

噂で耳にしたことがあるバケモノの中のバケモノ級の吸血鬼なんだろうか?

意識はまだしっかりしている。

腕は動かせる。

どうにかスマホを取り出せた。

大木田由嗣に救助の連絡を入れる。

まさか敗北してしまうとはとギリッと歯を噛みしめることになった。

連絡を入れてから腕の力が抜けた。

スマホは路上に転がった。

意識がなくなっていくのが自覚できた。


「どこをやられた?

自分が油断したせいで···」


ちよは時雨の側にしゃがみ込んだ。

幸いなことに意識はしっかりしている。

損傷したのは左の手首だ。

切断されている。

あの外国人はおそらく人間。

特殊な能力を持っている?

身体的にには特別に鍛えてるとかって感じではなかった。

長年の戦闘経験もあって、ちよは相手がどの程度のものかを見抜くことに長けている。

これまでの歴史の中でもたま〜に出てくる変な人間の1人かもしれない。


「歩けるか?

一度、マンションに入ろう。

応急処置をしてキャプテンに連絡だ。

動けるなら、ここから離れたほうがいいかもしれんが···」


「マンションに戻りましょう」と左手の手首を押さえて立ち上がった。

路上には血がポタポタと落ちている。

立ち上がった時はすでに出血は止まっている。

時雨は自分で斬られた切断面を凍らせて止血していた。

血液の流出さえなくなれば、あとは血液の補給でゴクゴク飲んで寝てれば明日の朝には元通りだ。

月読ほどの再生能力ではないが眷属としては上位の最高の再生能力を誇っている。

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