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カッツエ委員会の眷属たちはアサルトライフルでの応戦。
血獣となっていても近接戦闘しかできないはず。
距離をとってれば一方的に攻撃はできる。
倒せるとは思ってない。
応援が来るまでの時間稼ぎだ。
実際にライフルの連射によって足止めはできている。
通行人はいない。
気づいた者から逃げていく。
ただし車が厄介だ。
戦闘空間を除いてはどんどん渋滞になっている。
普通のクマだったらこれだけのライフル弾を浴びせられたら、さすがに生きてはいられないという攻撃を受けても足止めまで。
とにかく弾丸が通らない。
マガジンを交換してさらに撃ち続けてる間に仲間の眷属が駆けつけてきた。
その中の3人がM202を手にしている。
M202は携帯用の多連装ロケットランチャー。
重量が約12キロほどあるが眷属たちは軽々と持っている。
血獣を認めると即射。
M235焼夷弾を1本で4発撃てる。
それをすべて連射。
計12発。
うまく当たらなかったのもあったがこれで倒せただろうと思われた。
動いてる。
前ほどの動きはなかったが殺せてない。
重傷になってるようだが戦闘本能はまったく薄れてないようだ。
「すげえな。
あんなになっても生きてやがる」
眷属の1人がボソッとつぶやいた。
右腕が失くなっていて足も思うように動かなくなっている。
そして血だらけ。
「しぶといヤツだな。
俺が殺ってやる」
情報センターに詰めていた吉根大人少尉。
ロケットランチャーがあるので自分の出番はないだろうと思っていた。
想像以上に頑丈だった。
血獣は本当によくわからない。
吉根は少し退屈していたところだ。
戦闘より、このところは移転に関することばかりやってた。
吉根少尉はライフルでの発砲を止めさせて1人だけで血獣に向かって歩み出た。
足を踏み出すたびに体が巨大化していった。
ヨタつきながらも戦闘本能を失わない血獣の前に進み出た時には吉根少尉は別人に変化していた。
2倍ほどの大きさに膨れ上がっていて肌の色もグレーに変わっていた。
歩く速度を変えることなく強烈なパンチを血獣におみまいしている。
その1発のストレートで血獣を30メートル以上も吹き飛ばしている。
さらに瀕死の重傷度が上がった。
吉根は血獣に近づいていく。
まったく慌てた様子もない。
淡々とした動きでほとんど一方的に血獣を攻撃。
素手なのに強力すぎる力で血獣の生命をじわじわと奪っていく。
血獣の最後の抵抗になる爪による一撃は吉根にはまったく効かなかった。
鋼鉄よりも硬くなっている吉根の肌には通用するはずもない。
吉根が血獣を撲殺するためには3発のストレートで十分だった。




