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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
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116/127

2-2

眷属の手のほうが早かった。

全力パンチを当てた。

腹に当てたが血獣はビクともしない。

その1秒後には血獣の腕が動いた。

眷属の力よりはるかに強力な一撃が眷属の頭を襲った。

それで眷属は即死。

血獣の力によって首が半分千切れかかっていた。


それらの様子を冷ややかに見ていた吸血鬼がいる。

黄河の宮廷の眷属たちだ。

カッツエ委員会の眷属たちが渋谷の街に頻繁に出没しているという情報をつかんでいた。

カッツエ委員会の吸血鬼狩りのために黄河の宮廷の吸血鬼たちも出向いていた。


渋谷の街にカッツエ委員会の吸血鬼たちが出没した理由はある。

宇田川町にある古い建物をまるまる1棟借りきって情報センターを設置したからだ。

元はオフィスとして使われていた建物だろう。

一時的に使うためのものなので買い取りはしてない。


情報センターの目的としては、この国の有力な政治家や経済人たちの掌握と支配。

カッツエ委員会としては勢力拡大のために世界的規模で行っている。

この世界を真に牛耳っていくことを目的と目標にしている。

そのためには反対勢力は叩き潰しておく必要があるとも考えている。

次第に混沌とした世界になりつつある。


血獣は黄河の宮廷の吸血鬼たちがいることに気づいた。

吸血鬼の眷属たちも特に気配を隠そうとはしてない。

本来はカッツエ委員会の吸血鬼どもを襲う気でいたので戦闘意欲は高かった。

こんな血獣程度を倒せなくてはカッツエ委員会とも争えやしない。

それにカッツエ委員会の眷属どもを確認した時点で応援も呼んでいる。


戦闘の場所はすぐ井の頭通りに移った。

人通りも交通量も多くなる。

黄河の宮廷の3人の眷属はNHK放送センターがある方角に駆けている。

その後を血獣が追う形になっているが、その前にってことで通行人の人間たちにも襲いかかっている。

その強力な爪の餌食になって女性や若者たちがはじき飛ばされていく。

ただ飛ばされていくばかりではなく爪で裂かれてもいるので絶命してしまった者や内臓が引きずり出されて道路上でもがき苦しんでる人たちが続出している。


夜だということもあって血獣をクマだと思ってる人が多かった。

クマに見えなくもない。

渋谷の街にクマが現れたって逃げ惑う人たち。

犠牲者は増えるばかり。

そんな状況を見兼ねて車で血獣に突進していった猛者(もさ)がいた。

血獣は車にはじき飛ばされただけでピンピンしている。

ものすごくタフだ。

その血獣は攻撃を仕掛けてきた車を認識している。

敵だと思ってるのだろう。

フロントガラスを滅多打ちにして運転していた男は殴り殺されてしまった。


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