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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
闇夜のその先

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107/122

6-8

グリム神父はいきなりスクッと立ち上がった。

「どうしたんですか?」と少々震える声で大木田が尋ねる。


「今夜は賑やかですね」


グリム神父はそれだけ言うとゆっくりと歩き始めた。

なんだかよくわからなかったが大木田も反射的に立ち上がってグリム神父の後を追うことになった。

少し歩いて、もしかするととやっと気づいた。

他にも吸血鬼がいる。

そのあとをグリム神父は追っている。

大木田には、なぜグリム神父が吸血鬼の存在を感じ取れるんだろうかと具体的なことはわからない。

「聖なる水」が異形のものを教えてくれるということなどまったく聞かされてないので当然だ。


30代くらいの男に見える。

獲物を狙う吸血鬼だろう。

その吸血鬼を狩るためにグリム神父が追っているということになる。

こういった行動を起こす吸血鬼のことをグリム神父は熟知している。

マスターが存在しない吸血鬼だ。

独立眷属と呼ばれている存在だ。

目的は誰かを襲って血を飲むということになるのだが、狩りというスリルを楽しんでいるという側面もある。

吸血鬼たちは独自の方法で安心、安全な人間の血液をそれぞれに配給している。

それでは満足できない吸血鬼たちがいる。

狩猟本能にかられたとでもいうべきか、所属する組織のルールを破って勝手に行動してる者が常に一定数いる。

こういったのを駆逐するのもグリム神父にとっては大事なお務めになる。


男はグリム神父には気づいてない。

吸血鬼でもないグリム神父に対してはセンサーが働かない。

どんなに特殊な能力を持っていようが吸血鬼以外には反応しない。

便利なようで万能ではない。


グリム神父の足が急にゆっくりになった。

トキワ通りでドン・キホーテの前。

信号が赤になったこともあるが、追ってる男が他の男と接触してるのを見たこともあって足を止めた。

複数いると判断した。

滅多にないケースだ。

違反行為をしてる者は単独で行動してるものだ。

複数でまとまってきている例はあまり見ない。

そうなるとこれは何かの作戦行動ということか?

真偽を確かめねばならないので少し泳がせてみることにする。


信号が青に変わってもグリム神父が動かない。

大木田が不審な顔を向けたが何も言わなかった。


「異常はないな?」


地味な中年男が若い男に声をかけている。

この2人は吸血鬼の眷属。

黄河の宮廷に属している。

活動拠点の移動のため池袋周辺を警戒中だ。

カッツエ委員会との抗争が激化している。

港区赤坂で倒産した企業の4階建ての社屋を買い取って拠点にしていた。

そこをカッツエ委員会の吸血鬼どもに襲撃された。

黄河の宮廷側は17名。

カッツエ委員会の死者は8名となっている。

大昔からカッツエ委員会とは小競り合いが繰り返されていた。

この日本で活動している第6SSというチームが他の吸血鬼グループに対していろいろとちょっかいを出してくる。

日本での覇権を一手に握りたいからだ。

それが第6SSの隊長であるガンズ・C・ウィッカーの野望だ。

こういったことをきっかけにして黄河の宮廷としては世界的に全面戦争になる構えを見せ始めている。


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