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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
闇夜のその先

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104/120

6-5

「グリム神父、たしかに太陽が沈んで今は真夜中です。

ですがいくらなんでもこんなに人が多い中にいたりするんですか?

すぐバレて大騒ぎになるんじゃないでしょうか?」


2人ともカジュアルな姿でいかにも夜の街を楽しんでるというのを装っている。

大木田にしてみると池袋に住んでるんだが夜の街に出ることはない。

ネオンの夜にはちょっとワクワクする雰囲気がある。


「ところが、夜だからこそ、人が多くいるほど吸血鬼ってバケモノはいるんだよ。

外見からはわかりにくいが独特な匂いとでもいうのかな?

感じるんだよ。

神に楯突く魔物がいるのを」


「そ、そんなもんなんですか···」


大木田は急に怖くなった。

神父になる前は普通の生活をしていた。

神父になってひょんなことから神の敵である吸血鬼がいることを知ることになった。

吸血鬼などという存在を許すわけにはいかないと、それこそが神に仕える自分の使命であると強く思うことになった。

対吸血鬼で活動している神父がいることも知っていた。

自分もそんなエキスパートになれるだろうと思っていたのだが適正がないということが判明した。

吸血鬼とは武装して戦うということではないようだ。

かなり特殊な準備をしなければならない。

それに耐えられて適合もしなければエキスパートにはなれない。

本人の努力には関係なく生まれもった資質がないとエキスパートにはなれない。

大木田は残念ながら適合しなかった。

そのためエキスパートではなく情報収集なども含めた後方支援という役割ならということに振り分けられた。

これも事後処理のこともあって重要な仕事になる。

大木田にはそういった事務的なことのほうが性格的にも向いていると判断されての抜擢になった。

そして今は吸血鬼とはどんなものなのかを見せるためにグリム神父に同行させられている。

いってみれば現場研修のようなものだ。


グリム神父は匂いで感じるとボカした言い方をしていたが実際にはもっとはっきりとした真実がある。

グリム神父の場合は体内にある「聖なる水」が反応することになる。

吸血鬼に近づけば近づくほど反応も強くなっていく。

池袋の街をなにをするでもなくブラブラ歩いてるようではあるが吸血鬼反応で探っている。

こうやって吸血鬼を仕留めた経験が何度かある。

だからまったく無駄なことをしているわけではない。

1匹でも多くの吸血鬼を葬り去ることが神に仕える神父のお勤めだと思っている。

エーメン。

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