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Blood Times-吸血鬼たちの小夜曲(セレナーデ)  作者: 弁財天睦月
闇夜のその先

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102/119

6-3

食後、祖父はすぐ風呂。

道命もしばらくして風呂に入って落ちついた。

風呂上がりで頭を拭いてると「こっちだ」と祖父に手招きされた。

キッチンのテーブルでビールでも飲みながら話ってことになった。


面白いものを見つけたとテーブルの上の覚書(おぼえがき)を指さす。

かなり年季の入ったものでタイトルはない。

日記のようなものか?


「気になって他のも調べてみた。

なぁに、どうせ暇だからな。

まぁ、なにかやってたほうがいいし、それに今回のこれは面白そうだろ。

刺激になっていいんだよ、頭のな」


そう言ってビールを美味そうに飲んでいる。

現役の住職だった頃にはほとんどアルコールを飲むことがなかった。

早期引退してから味を覚えたんだと笑っていたことを思い出した。

つまみはアタリメ。

こうやってガジガジやってると歯にも顎にも効いて健康にいいんだよとまたビールをゴクリ。


じいちゃんって年齢は80代だったよなと見入っていた。

正確な年は知らないが元気だよなと感じている。

自分が頑丈なのは遺伝によるものなのかなと覚書を手にとってパラパラと中を覗いてみた。

相変わらずなにを書いてあるのか読めない。

昔の人の字って読みづらいなとテーブルの上に戻した。


キッチンには祖父と2人だけ。

両親と兄は寝るのが早い。

寺は朝が早いため眠りにつくのも早くなる。

兄の妻、つまり義理の姉は今はいない。

子供を連れて実家に帰っている。

なんでも実の母が入院したために家の手伝いがあって帰っている。

子供を連れて行く予定ではなかったがどうしてもついていくときかなかったので連れていった。

4歳になる女の子だからそんなもんなのかと独り身の道命は思っていた。


「これになにが書いてあったの?」


道命も缶ビールを手に取ってチーズ鱈に手を伸ばした。


「続きがあった。

いつ頃のものなのか···

たぶん江戸時代のどこかだと思うが『死人の樹液』を使った者の記録があった。

その人物の詳細は書かれてない。

名が藤七郎とだけある。

名前からすると侍なんだろうが年齢やどこの出身などのことはいっさい書かれてなかった」


「謎の人物?」


「そうだ。

ただ読んでるうちに江戸時代の後期じゃないかって表記がある。

たった1文だけだが家定がどうのとある。

家定といえば徳川家定のことじゃないか。

13代目の将軍なら1820年とか30年あたりだろ。

幕末の1歩手前くらいと考えていいんじゃないか」





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