表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

1-1

1


夜の歌舞伎町。

生温かい季節だからなのか今夜は人通りが多い。

そんな中にあって目を引くのが1人で歩いてる女の子。

小学校の低学年、1年生くらいか?

人混みに紛れて中学生女子がいたりすることもあるが、さすがに小学生の低学年の少女が独りで歩いてるのは見ない光景だ。


すれ違った大人たちにはチラッと少女に目を向ける者もいる。

少女はまったく気にしてない。

リュックを背負っていてスタスタと歩いている。

その足取りは迷いがないようなので行き先は決まってるみたいだ。

セントラルロードを新東宝ビルに向かって進んでいる。


あっと洩らして足を止める。

周囲をグルリと見渡してみた。

わからん、まっ、夜だからいてもおかしくないかと思い直して再び足を動かすことになる。

ここじゃマズい。


西武新宿線がある方向、歌舞伎町一番街へ移動した。

まっすぐ進めばシネシティ広場に出る。

通称でトー横前だ。


少女は急に早歩きになってビルの中に入っていった。

そこがなんの建物だか少女は知らない。

目的は人の目から見られないようにするため。


建物の中に入ると階段がある。

その階段を駆け上がる。

匂いがある。

おそらく飲食店が入ってるビル。

屋上に出ることができた。

4階建てだ。

人が来ることがないだろう屋上は汚い。

駆け上がってきた階段でさえ綺麗だとはいえなかった。

建物自体も古いものなんだろう。


ここならと少女は足を止めた。

両手を腰の後ろに回す。

セットしてあるナイフを引き抜く。

普通のナイフではない。

原子番号47の銀(Ag)と隕石から採取したジグズと呼ばれている地球には存在しない金属との特殊合金製のジグズナイフ。

刃渡り20センチで特別に作られたもの。


女の子は逃げも隠れもせず両手にジグズナイフを持ったまま微動だにしない。

赤い両目は入ってきたばかりの屋上のドアを見据えている。

音を殺してもその気配は消せない。

殺意がビンビン伝わってくる。


ドアがそっと開いた。

両目が赤い男が両手で持ったハンドガンをまっすぐ突き出した状態で現れた。

正面6メートルほど先にいる少女を認めた。

そこまでだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ