ACT. ONE 2人の誓い ともに歩む VOL. 6【姉の真歩のさりげない一言と私が地元に残る理由】
最近慌ただしく、ゆっくり2人談笑することもままならず、恒例のお見送りもすれ違いばかりで1人ぽつり。
自宅と大学の間を黙々と往復するだけのつまらない日々が過ぎたある日。
私から隆也くんに、お誘い。そうだ!蒲郡へ行こう!
まず父と母の雑貨店へ顔を出してご挨拶です。
父は市の会合で不在、ということは。
姉の真歩が三重から久しぶりに帰省し、私は大はしゃぎ。そこに母が加わり、話題の花がいっぱいに。
父が不在のため、気兼ね無くおしゃべりができるので、きわどい質問が姉から隆也くんに。
「こないだは、妹のための偽装計画、ありがとね」
そして、
「2人とも、遠慮しちゃって悶々としとるん?」
矢継ぎ早に、
「だったら今すぐ、学生結婚して、かけおちしたら?応援するに」
極めつけは、
「時間が経過するほど、決断に躊躇し、あなた達、一緒になることは、難しくなるわよ」
姉の爆弾発言に、母はおろおろ…。
私は顔が真っ赤だよ。
隆也くんは、私の家族会議に終始圧倒され、あ然とされていましたか、一瞬何かを決断した?のお顔されたような。
隆也くんを蒲郡の駅に徒歩で送る道中のこと。
「綾音の大事な話しを聞いてね」
私、綾音の父と母は雑貨店を経営していることは、ご存知かと。実はそれ以外にも、動産、不動産等を多数管理しております。当初は、姉が引き継ぎ運営する予定だったのが、父と意見が合わず、かけおちの結婚。家を飛び出してしまう。
父は、私に大隅家の代表として、今後を託したい!
希望があり、
このことが、地元に残らなければならない理由なのです。
ということは、
『男子を養子として迎えること』
を理解をしてほしいの。
この事実を受け入れられる?
「綾音様、今度は隆也の話しを聞いて下さい」
以前、私の家、という名でお伝えしたことがあると思います。
家は、父のことで、私は父子家庭の1人っ子で2人家族です。
子の行動を異常に執着し、思い通りに操りたい、支配したい、その行動を危惧している近隣の本家が、注視しているお陰で、どうすることもできない私が、いまのところ、無事にすごせています。
私はその束縛、呪縛から解放されたい一心から、遠くの通学可能な大学をわざと選びました。そして。
綾音様に出会えたことは、奇跡の巡り合わせ。
本当に心を救ってくれる、心から身を委ねられる人に知り合えたんだ。
ありがとう。綾音様。感謝しきれないです。
駅に到着する手前の海岸通りで、
隆也くん、突然、海に向かって歌を歌ってくれて、
その1部のphraseです。
2人叶わぬ道かもしれないけれど
小さな勇気
小さな行動が
必ず繋ぐ2人の未来
信じて行こう
きっと大丈夫!
私とあなたとなら
いますぐ!
目の前の道を
突き進む
実は、隆也くんと父がいつしか会話を始めてから、父の態度に軟化の兆しを私は見逃さず、ひょっとして……
妥協策が見つかるかも。




