第7話□ポーション作り
誤字のご指摘ありがとうございます。気をつけます。
お腹がかなり空いていたので冒険者ギルドの酒場で食事をすることにした。 注文したのはホーンラビットの香草焼きだ。あとはパンと果実水。
しばらくすると料理が運ばれてきた。 かなりボリュームがある。さすが 冒険者の食事だ。これで銅貨10枚なら 安いんじゃないかなと思う。
美味しく食事をしているとまた男の人に声をかけられた。 どうしよう また ナンパだろうか。今回は二十代位のお兄さんだ。
「お嬢ちゃん今日はずいぶん 薬草を取ってきていたようだが いいところでも見つけたのかい」
「はい 偶然に群生しているところを見つけたんですよ」
嘘です。本当は祝福を与えて無理やり 成長させてそれを取ってきたんです。絶対に言えないけどね。
「その薬草は自分で使うのかい?」
「はい。ポーションを作ってみようと思ったんです」
「君は神聖魔法が使えるのかい?」
「少しは使えます」
要するにこのお兄さんは自分のパーティーの回復役を探しているみたいだった。私が日曜しか空いていないと言うと残念そうに帰って行った。
ご飯を食べ終わって人心地ついた私は薬草をかついで家に向かった。帰るとけが人が待っていたのですぐに治療してあげた。お金にはならなかったが治ってよかった。
まだ夜の7時なのでポーション作りをしてみようと思う。薬草はたくさんあるからちょっとやってみよう。
ビンがなかった!どこに買いに行けばいいのかな?薬師ギルドに行ってみよう。家に鍵をかけて薬師ギルドに向かった。10分くらいで着くことが出来た。
「あのーポーションを入れるビンが欲しいんですけど」
「それならその箱の中にあるよ」
1つ銅貨1枚か。とりあえず100個ばかり買っていこう。銀貨1枚払ってビンを買った。
売っているポーションの値段を見たが低級ポーションでも大銅貨2枚はする。中級ならば大銅貨7枚になっていた。上級に関しては銀貨1枚と大銅貨5枚はするようだ。
治癒魔法より下の扱いになっているみたいね。まあこれで作ってみて売れるかどうかね。やってみましょう。
最近背中に視線を感じるんだけど。魔物の殺気とは違うものね。人間がついて来てるようだわ。これは教会の監視かな?特に何もしてこないからこのままにしておこう。
帰って来てから大きめの鍋に魔法で出した水を入れて薬草を入れる。温めながらかき回す。十分薬草の成分が溶け出した。それでは魔力を注入してみよう。
確か薬師ギルドで見たポーションの色は下級が緑色、中級が青色、上級が黄色だったな。あれを参考にしようと思う。
私は火を止めて手をかざして魔力を込めてみた。待てよ?どれくらい込めればいいのかな?んん~わからない?とりあえず たくさん込めておくか!
しばらくして見ると金色に輝くポーションが出来た。あれ?どの色とも合わないなあ。上級の黄色に近いからこれはやりすぎたかも!別の入れ物に移して冷ますことにした。
もう1回作ってみよう。さっきより魔力を少なくして今度は黄色になった。ちょっと濃いかな。まあいいかな。
中級の青いポーションも作ってみよう。さっきよりも更に魔力を少なくする。青いって言うか藍色かな。加減が難しい!
5回作って瓶に移し替えてみた金色が20本、黄土色が20本、藍色が60本出来た。明日の夕方にでも薬師ギルドに売りに行ってみよう。
次の日 治癒院の仕事が終わったので薬師 ギルドに昨日作ったポーションを売りに行ってみることにした。
手さげにポーションを入れて薬師ギルドに行くと昨日の店番のおっちゃんが座っていた。
「あのポーションを作ったんですけれども 見てもらえますか」
「ん?なんだって?お前のような若い奴にポーションができる訳がないだろ。ポーションはなー」
「この3種類なんですけれど売れるんなら買い取って欲しいんですけど 」
「話聞けよ!」
おっちゃんはしぶしぶ 3種類のポーションを持って奥の部屋へ入って行った。待つこと10分 部屋の奥から年を取ったおばあさんが一緒に出てきた。 何かずいぶん 慌てているようだ。
「このポーションを作ったのは本当にお前さんかい?」
「はい そうですね。昨日作った出来たてのほやほや ですよ〜」
アルバイトがばれるとやばいことになりそうなので 昨日の冒険者の服装で ここに来ている。
「どのポーションも規格外に出来が良い!特にこの黄金に輝く ポーションはめったに出回らない 特級ポーションじゃ!」
「そ、そうなんですか 」
何か思ってたのと違う。 ひょっとして高く売れるかも!
「それで········買ってもらえますか?」
「もちろんじゃ!」
藍色の中級ポーションは銀貨1枚。黄土色の上級ポーションは銀貨2枚。黄金色の特級ポーションは銀貨50枚になった。特級 ポーションが異様に高いのは体の欠損を治せるからだそうだ 。
そういうことだったらまだまだ 値段を上げてもらってもおかしくないと思うが あまり目立つのも良くないので この値段で受け入れることにした。
そして 100本 全部の合計金額が金貨11枚になった。うわーい!金貨って初めて見たわ。
「新しいのができたら また来ておくれ。これならいくらでも買わせてもらうから!」
「はい〜分かりました〜」
私は逃げるように薬師ギルドを後にした。だけどこんなに高く売れるとは思わなかったわ。 これなら 道具屋さんにあった あれも手に入るわね。
さっきからまた私をつけて来る奴がいるわ。 さっきの薬師 ギルドの人ね。 私の家を探ってどうするつもりかしら。 これはつけられるわけにはいかないわ。
よく見たらあの店番のおっちゃん じゃない。 私のことを馬鹿にしたくせにあのおばあさんの言うことはよく聞くのね 。
路地を曲がったところで待ち伏せて プロテクションを身にまとう。 おっちゃん がこちらに入ってきたので すぐさま鳩尾にプロテクションパンチを食らわせた。
「うげぇ〜!」
おっちゃんは 膝から崩れ落ちて 前のめりに倒れた。 目をつぶって苦しがっている。 死んでないからいいかな。 私は走って その場を離れた。
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