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第62話□国民救済

まだまだ暑い日が続きます。体調に気をつけてお過ごしください。よろしくお願いします。

王都の南門近くでゴーレム達を回収していると馬に乗った若い男に声をかけられた。


「聖女様今回は援軍ありがとうございます」


「そういう契約ですから。あとは国民の安全を確認できれば任務完了です。皆さんに王都に戻るようお伝えください」


「それは今兵士達が伝えております。どうぞあちらの公爵邸でお休みください」


「それはご遠慮致します。私はここで民の皆さんの帰還を待ちます」


「う、しかし······」


ここに来て1時間くらいだからまだ疲れてもいない。それに公爵邸になんて行ったら碌な事がない。


2時間ほどすると人々が歩いて戻ってきていた。その中で具合が悪そうな人がいれば治療するつもりだ。


大分列ができて来たのでこちらから出向いて具合が悪い人には治療を行っている。


慣れない山中での泊まりでみんな疲れているようだ。みんなの体力を回復させてやろう。


「エリアキュアハート!」


「おおー!体が軽くなった!ありがとうございます聖女様!」


「助かったわ!ありがとう聖女様」


ロッドレイ公爵邸


「レオポール第一王子聖女様はこちらに来られますか?」


「いえ叔父上、国民の安全を確かめるとおっしゃって治療をしています。あの様子だと無理ですね」


「そうですか。それは残念です。しかし凄まじいお力ですな。我らがあれほど苦戦していたアンデッドをほんの1時間で全滅させてしまうとは!」


「その点に関しては同意見です。全く凄まじいものでした。それだけに報奨式での貴族たちの対応が悔やまれてなりません!」


「全くですな。今回も公爵邸では不審に思い来るわけがありませんな」


「何とか今のうちに心象を良くしておきたいものです」


「それでは教会の方に食事やら何やらを用意してはどうでしょう」


「そうですね。それなら来てくれると思います」


王都南門付近


今は夕方だが続々と国民の皆さんが帰ってきている。具合の悪そうな人を見つけては治療を行っている。


さすがにちょっと疲れてきたので自分に勇猛の魔法をかけた。


「マインドブレイブ!」


これでまだまだ平気ね。夜中まで対応して帰ってくる人はだいぶ少なくなった。今朝の若い男が来て教会で休んで欲しいということを伝えに来た。


「皆さんだいぶ帰られたと思います。あとは治療が必要な人がいたらギルド通信でお知らせください。その時にまた参ります」


「分かりました。多分連絡が行くと思いますがよろしくお願いします」


「あ、貴族の皆様には私のような下賤の者の治療など不要でしょうから国民の皆様と言う事でお願いします。それでは失礼します」


「は、はい分かりました」


こうして丸1日近く王都にいたがだいたいの仕事は終わったので帰ってきた。多分もう1回呼び出しがあって国民の皆さんの治療に当たることになるだろう。


「あらセイ様何処に行ってらしたのですか?」


「仕事よ仕事!」


「セイー宝石店店舗が大分できたわよー」


「そう!じゃあ見に行くね」


次の日の朝


ドンドンドン!ドンドンドン!


「んん〜またぁ〜ふぁ〜い、なんですか?」


ドアを開けるとまた冒険者ギルドの受付嬢が立っていた。


「朝早くから申し訳ありません。 またロッドレイ王国から通信が来まして国民の皆さんの治療をお願いしたいそうなんです」


「ああ、そのことなら伺っていますので大丈夫です。わざわざ連絡ありがとうございました」


「またロッドレイ王国に行くの?」


「ええ仕事よ仕事」


「セイ様お土産はケーキがいいですわ」


「あったら買ってくるわ」


今日はホテルの朝食を食べてから転移してロッドレイ王国の王都へ着いた。


昨日の若い男に出迎えてもらい中央教会に行くことになった。そこに患者が集められているようだ。


詳しく聞いてみると避難していた方たちではなく、この町でアンデッドに襲われて怪我をした人が多かった。人数は100人以上のようだ。


どっちかというと怪我というよりは呪われてるような気がする。部屋ごとに呪いを解いてみた。


「エリアリムーブカース!」


これで呪い状態が解けたので次に怪我の治療に移ろうと思う。


「エリアハイヒール!」


大体の人はこれで回復できた。これで足らない人は個別に回って回復させた。


こんな部屋が全部で4つあって全て回復させる事が出来た。1時間ほどで終わったのでもう帰ろうと思ったら呼び止められた。


「あのーセイ様こちらの部屋で休憩なさってください」


「いえもう終わったので帰ろうと思うのですが」


「それではお疲れ様ということで少しだけでもお願いします」


「はあ」


部屋に入ると食事やお酒やお菓子が並んでいた。これは?ひょっとして接待と言うのでは?


ちょうどケーキがあったのでそれだけはいただいておいた。仕事が終わったので一刻も早く帰ろう。30分ぐらいいたが外の男の人に断って転移して帰ってきた。


魔王軍第1前線基地


「ちょっとー!あの聖女の強さは一体どういうことなのよ!」


「どういうことって見た通りニャ相手が弱かったらわざわざお前たちを呼んだりしないニャ」


「それにしたって限度ってもんがあるぜ!ジャバゲの奴は一瞬で蒸発してたぜ!ほとんどバケモンじゃねえか!アオーン!」


「そうとも言うニャン」


「ビュエル!今四天王は何人いるんだ?」


「んーサルエル様とアガーヤ様がいるニャ」


「それじゃあモラトラス様だけじゃなくてユリム様もやられてるのか!」


「そうニャ!」


「これは何か新しい方法を考えなければ絶対勝てる相手じゃないわ!」


「あんな見ただけで相手を消滅させられるんじゃどうしようもねえじゃねえか!」


「相手に近づけたとしてあの強力な防護壁を打ち破るのには相当な力がいるわ!魔法も効かないようだしどうすりゃいいのよ!」


「だからあんたたちを呼んだニャ!」


「ふざけんな!」

「ふざけないでよ!」

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