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第30話□勇者の治療

毎日暑い日が続きます。皆さん体調にお気をつけください。よろしくお願いします。

ロッドレイ王国王都騎士団詰め所


僕達は今日の午前中の訓練が終わり昼食をとり騎士団の詰め所で休憩中だ。午後は魔獣を狩りに行く。


午後からでも狩りに行けるのは転移の魔法陣で行けるからだ。僕のレベルは35。また伸びたのだがまだ魔王軍に勝てるほどじゃない。


午後からの魔獣狩りで少しでも力をつけたい!あの2人はいい加減だが魔物狩りには力を入れている。やはり弱いと危険だからだ。


「3人とも用意はいいか?行くぞ!」


「おう!はい!はーい」


すぐに森の奥に到着した。すぐに魔獣の気配がする。これはミノタウロスだな。ボロボロの大剣を持ったゴツい奴だ。3人で囲んで叩く!僕とリュウが前衛で相手をしている間にリリアの魔法が決めるというパターンが多い。リリアのファイヤーストームが決まった。


「決まった!」


これでミノタウロスを倒す事が出来た。ほっとした瞬間ナイフが僕の足に刺さった。


「何だー!」


「敵襲ー!敵襲ー!魔王軍だー!」


しまった。刃を受けてしまった!すぐに毒消しを使った。だが刺客たちは容赦なく ナイフを投げてくる。


「くそ!こいつら暗殺者だぜ。なかなか姿を見せやしねえ!」


「こいつらやばいわよ。どっから攻撃が来るかわからないわ!いた!」


リリアがナイフで腹を刺された。リュウは健在だが相手の攻撃を防ぐので精一杯だ。


僕は勇者のスキル連続スラッシュを使い暗殺者を斬る。なんだこいつら猫の獣人か!まずい体がだんだん動かなくなってきた。


リュウが閃撃スキルを使うが背中を斬られた。僕は相手を斬る。しかしだんだん目の前が暗くなってきた。これは意識を保っていられない。


ドサッ!



ビオラの町


次の日治癒士ギルドにポーションを卸しに来ている。治癒ポーションとマジックポーションが100本ずつになる。品質を確認してもらい金貨30枚を受け取った。


また2週間後に来る予定だ。今日はまた重傷者を5組ほど見ることになっている。体の欠損がある人たちだ。1時間程で治療を終えて帰る事になった。


今日は冒険者ギルドには行かないので宿で過ごすつもりだ。自分の家に住むようになったら手伝いがいた方がいいので自分のゴーレムをもう1人作ることにした。


前の時は金属で作ったので固い自分ができた。今回はガラスで作ってみようと思う。できたけど今度はきらびやかな私になった。


ちゃんと私のイメージでは服を着ているので決して全裸とか慌てふためくようなことにはならない。


この子に普通の剣を持たせて素振りをさせてみたがやっぱり本体ができないのにゴーレムができるわけがない。


この前馬車を操れたのは私の頭の中でやり方が分かったからだろう。だめだ剣術については全く分からない。私は剣士には絶対なれないな。


ドンドン!ドンドン!


「すみません!セイさん!急患です。私と一緒に来てください!お願いします」


この人は覚えている。 セントラル病院の看護師さんだ。


「何があったんですか?」


「勇者たちが暗殺者に襲われたそうなんです。毒でやられて今セントラル病院に転移で運ばれてきました!状態がひどいのでセイさんに見ていただきたいのです!」


うわー!絶対関わり合いたくないわー!何でこっちに来るのよ!


「分かりました。でもなんでわざわざこちらに来たんですか?王都には大司教様もいるでしょう?」


「大司教様でも手の施しようがないようです」


行きたくない〜。帰りたい〜。転移の羽で一瞬にしてセントラル病院に移動した。私は仮面を付けて病室に向かった。 するとそこには懐かしいカミーユ·アンペール大司教がいた。


「あなたがセイさんですか?なんとか勇者様たちをお救いください。私では解毒しきれませんでした」


この人苦手なんだよな。前はまともに しゃべることもできなかったんだけど。今は強くなったからか 心に余裕が持てるようになったわ。


だけどさすがに髪の色は違うけど声は私そのものだし喋ったら分かっちゃうんじゃないかな。


「分かりました。やってみます」


「ん?その声は!あなたセイアさんですか?」


「ち、違います。人違いです」


あー私の小心者〜つかえてしまった。もう強気で跳ね返すしかないわ。


「でも、名前も似てますし」


そこまで考えて名前つけなかったのよ〜。


「偶然です。王都の偉い人は勝手な人が多いので嫌いなんです。治癒がいらないんなら帰ります。この人たちと関わり合うとまた魔王軍と戦わなきゃならないのでね。私にとっていいことなど一つもありませんから」


転移の羽を出して帰ろうとしたら止められた。


「何も言いませんので治癒をお願いします」


まあこの3人については殺してやりたいほど憎たらしいわけでもないので治療することにした。


大司教様が毒の進行を止めてくれているので3人とも何とか生きている。怪我の方は血は止まっているがまだまだ完全には程遠い状態だ。まずは解毒をしてみよう。


「エクストラ テトキシフィケーション!」


紫色の毒状態は解消したようだ。あとは体の傷を治そう。


「エクストラヒール!」


これで傷も完治したはずだ。大司教をみると目を開いて驚いた表情をしている。治ると思っていなかったのかな。


「あとは安静にしていれば何日かで回復すると思います」


「ありがとうございました」


「それでは私はこれで失礼します。お代は結構ですのでもう関わり合いにならないでください。関わってくるならばこの町を出て行きます!」


そう言って転移の羽でその場から私は消えた。


「あのー大司教様。聖女様はかなりご立腹のようでしたがこんなことは初めてです。一体何があったんですか?」


「彼女はこの3人と一緒に召喚された勇者の一人です。しかしここまで嫌われているとは思いませんでした。スラム街へ行かせたのは まずかったですかね」


「なるほどそこできっと苦労なされたんですね。だから治癒士ギルドにポーションを売らなかったんですね」


「このような素晴らしい治癒士になるとは思っていませんでした。もはや聖女ですね」


「はい。聖女様は魔力値4000超えで魔王軍四天王を2人退けています。冒険者としての二つ名は鉄壁の聖女だそうです」


「なるほど先日の謁見の事もありますから、これは本当に何かしたらいなくなってしまいそうですね」


「それは困ります。彼女がいてくれるおかげで重症者がどんどん減っているんです」


「あなた方の言うことは聞くのですね。私は彼女と接触しない方がいいでしょう。何かあった時はあなたたちにお任せします」

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