第28話□マイホーム
暑くてやばい毎日が続いております。ちょっと夏バテ気味です。よろしくお願いします。
転移の羽を使ってビオラの町へ帰ってきた。ここは北の冒険者ギルドの入口だ。ラビット亭じゃあなかったのね。私の心の中で冒険者ギルドって多くを占めているのね。う〜ん。ちょっと気持ち悪いわ。私は魔石入りの杖をついて冒険者ギルドへ入った。受付は空いていたのでお願いしてみた。
「あのーすみません。報告があるのでギルドマスターに会いたいんですけど」
「冒険者セイ様!随分お疲れのようですが大丈夫ですか?」
「あんまり大丈夫じゃないですが報告が先です」
「分かりました!少々お待ちください」
3分ぐらいでギルドマスター室に案内された。
「セイどうしたんだ。 ずいぶん参ってる様子じゃないか?」
「実はついさっき魔王軍の四天王のアガーヤって言う奴と戦ったんです。 結論から言うと本人には逃げられちゃったんですが部隊はほぼ壊滅させました」
「魔王軍四天王アガーヤって言ったら魔王軍参謀じゃないか!どこでやり合ったんだ?」
「ええーとアリッサムの南東の平原でしたね。狼獣人約100人とケルベロスとオルトロスっていう魔獣と戦いました」
「100人!一人でか?」
「もちろんゴーレムを10体ほど使いましたよ」
あとは実際に起こったことを短くまとめてギルドマスターに話しておいた。
「大体の話はわかった。今はギルドの医務室で休んでくれ」
「ありがとうございます。助かります」
夕方までギルドの医務室で仮眠を取ったらかなり元気になった。魔力も回復したので普通に過ごせている。
起きたら魔獣を引き渡すことになっていたので裏の訓練場の方に行ってみた。すると多くのギャラリーと共にギルドマスターが待っていた。
早速マジックバックからケルベロスとオルトロスを出した。全長20メートルはある魔獣なので皆さんの歓声がすごかった。
「すごい!私こんなでかい魔獣初めて見たわ!」
「これがケルベロスとオルトロスかあ。これを倒せる鉄壁の聖女ってどんだけ強えんだよ!」
「ぐっ!これは凄いな!私もこんな化け物を見るのは初めてだ。この後冷凍処理をして王都のオークションに出すことにする。値段が決まったら報告しよう」
「よろしくお願いします」
「セイまたすごいの倒してきたなあ」
「ああタロスさん!実はちょっと相談事があるんですが」
「んー?どうしたんじゃ」
酒場でお酒を奢って話を聞いてもらうことにした。私は果実水を飲んでいる。
「実は魔王軍の四天王の一人アガーヤと戦った時に私は魔王軍の抹殺対象になっていると聞きました。そんな私はどこに居ればいいのか悩んでます」
「うむ。なるほどのう。まあ狙われてるのは勇者たちも同じだろうがそちらは国の方が守っているからのう。正直お前は国防の要だ。 だからこれ以上南に居るのは良くないな。お前はランクに関係なく駆り出されるだろうからな。まあ王都にいるのが無難だと思うが」
「あそこの人たちは身勝手な人が多いので嫌いなんですよ」
「ふーむ。それならこの町の外に家を借りるなり作るなりして住んだらどうじゃ?町の外なら襲われても他に被害は出ないし、お前ならゴーレムに乗って町にすぐ来れるじゃろう」
「なるほど!それはいい考えですね」
やっぱり持つべきものは頼りになる先輩である。家を探すなら不動産ギルドに行った方がいいということを教えてもらった。早速行ってみようと思う。お礼にまだ残っていたクラーケンの足を切って分けてあげた。
「ウホホー!また珍しいものを倒したの。ありがたくもらっておくぞい」
ビオラの町北地区不動産ギルド
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用向きですか?」
「実は町の外で北の方に一人で住みたいのですが」
「村でいいんですか?」
「いいえ。なるべく村からも遠い方がいいんですが」
「それじゃあ一軒家になってしまいますけど」
「はい!そんなのがあれば住みたいんです」
受付のお姉さんは不思議そうな顔でこちらを見ていたが快く物件を探してくれた。
「ビオラの町から3キロメートル北に元鉱山の管理小屋があります。街道からは1キロメートルぐらい入ったところで山の中腹になります」
「とりあえず見てみたいです」
不動産ギルドのお姉さんと一緒に 馬車で現地に向かった。街道で馬車を止めてそこからは歩いて管理小屋に向かう。
これがそうか。ここはあまり高い山ではない。緩やかな坂を登った中腹には禿山があった。そこに50メートル四方の平らな土地が存在している。管理小屋と大きな平屋が建っていた。管理小屋の近くには井戸があり水はたくさん有るようだった。
管理小屋は広い部屋が一つと小さい部屋が二つと台所とトイレが付いていた。お風呂はない。10年以上も使ってないのでかなり古い。
だが場所的には気に入ってるしここに住もうと思っている。しかしリフォームが必要ね。お風呂も欲しいな。
要望をお姉さんに伝えたところ工事の手配までやってくれるということだった。
肝心のお値段だが禿山全体を含めての土地の値段が金貨30枚でリフォーム代が金貨30枚になった。合計金貨60枚を即金で支払って早速工事を始めてもらうことにした。出来上がり予定は約1ヶ月後だそうだ。
魔王領魔王軍本部
「おいおいおいおい!まさかあの戦力でお前までやられたのか?」
「うっ·····面目次第もございません。サルエルの話を聞いて戦力を組んで行ったのですが聖女はゴーレムを使って攻めてきました。更に神聖魔法も強力で結界を破ることもできませんでした!」
「何ー?サルエルは相打ちまで持ち込んだではないか。あれから幾日も経っていないぞ!」
「100名いた精鋭部隊は70人がやられケルベロスとオルトロスも失ってしまいました。どのような処罰も受ける所存です」
「うーん。こんなスピードで成長するんじゃ太刀打ちできんな。しばらく様子を見るしかない」
「私が行きましょうか?」
「四天王魔竜モラトラス、お前のドラゴンを持ってしても倒すのは難しいのではないか。すでにドラゴンゴーレムがいたというではないか」
「むうっ!しかし我がドラゴンなら相手を圧倒できるかと」
「何か新しい手を考えねばならんな。四天王不死王ユリムにも勝手に攻めないように伝えておけ。相性で言ったらあいつは最悪だからな」
「はっ!分かりました」
厄介極まりない奴が出てきたもんだ。これはいよいよ俺の出番が回ってくるかもしれんな。
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