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第24話□商隊護衛

私は冒険者としての質を上げるために護衛任務を行ってみることにした。


というのは表向きで実は海に行きたかった。このビオラの町の北東に向かえば馬車で5日ぐらいのところに港町アリッサムがある。


好きで来た世界じゃないけれど美味しいものは食べてみたい。だから食べ物が美味しいだろうと思われる海の近くのアリッサムに行く事にした。


護衛任務をして美味しいものを食べる。我ながら完璧だわ。ちょうどアリッサムへ行くクレタ商隊が護衛を募集していた。そこに応募しておいた。


「冒険者の皆さん。今日は我がクレタ商会の護衛に参加していただきありがとうございます。片道5日の行程です。特に海沿いは危険な魔物も出ますので どうぞよろしくお願いします」


「俺たちはC級冒険者『鉄の拳』だ」


20代前半の男性5人グループだ。


「僕たちはC級冒険者『金の尻尾』です」


このグループは10代後半の男2人女2人の4人グループだ。


「私はC級冒険者セイです」


「あれが鉄壁の聖女か!」


「魔王軍四天王を追っ払ったっていうやつだろ」


「ほんとに1人なんだね」


「あんまり強そうには見えねえなー」


まあみんな色んなことを言ってるけどその辺は気にしないことにしている。


この商隊の馬車は6台でそれを10人で守る事になる。商隊から馬車が1台貸し出されているので10人でそれに乗っている。


この護衛隊の指揮は鉄の拳がとるそうだ。年上だしキャリアも豊富だから当然だと思う。


みんなで交代で護衛馬車の御者をやることになっている。なんと最初は私だった。馬車の扱いなどやったことがない。どうしましょう!


そうだ!作った私ゴーレムにやらせてみよう。魔力を注入して私ゴーレムを起動させた。そして商隊の先頭を走らせた。最初こそコントロールがいまいちだったが5分もすると普通に馬車を操れるようになった。


私は御者席の隣でのほほんとしている。流石にビオラの町をすぐ出て盗賊に出くわすということはないし魔物も襲ってくることはない。


途中で私ゴーレムと交代して私自身も馬車を操れるようになった。やってみると何とかなるものね。


「今回は何も起こらないといいな」


「ずるいわよセイ!私を置いて行って一人で美味しいものを食べる気でしょ!そうはいかないんだから〜」


あれ!いつの間にかミームがついて来ていた。相変わらず勘のいい娘ね。まあこの娘が誰かに見つかる事はないからついて来てもいいでしょう。


昼食休憩で商隊を広くなっている道の端に停めた。最初の警備は鉄の拳の2人だ。


私は用意したお弁当のサンドイッチを食べている。ミームがちょくちょくもらいに来る。デザートのクッキーはすごい勢いで消費されている。


「はぁ〜平和ね〜」


海に行ったら泳ぎたいな。こちらには泳ぐっていう概念はないのかな。ひょっとして危ない魔物がいて泳げないかもしれない。でも海 だから美味しい魚はあるでしょう。それに期待して行きましょう。


私の思った通りしばらくは平和そのものの日が続いた。しかし3日目の午後になるとその静寂は破られた。盗賊が襲ってきたのだ。


前回移動した時も盗賊が出たわね。この国大丈夫なのかしら。


「大変よ盗賊は30人もいるわよ。 セイ大丈夫?」


「よっぽど強い人がいなければ何とかなると思うわ。それにしてもどうしたの?盗賊の様子なんか見てくるなんて」


「私はクッキー食べて遊びに出るだけの妖精じゃないのよー」


なるほど!つまり私がやられてしまうとクッキーが食べられなくなるから偵察してきたってわけね。


鉄の拳のリーダーのアランさんから盗賊を迎え撃つという声がかかった。馬車を停めて商隊の皆さんは馬車の陰に隠れてもらった。


「馬車と商人の皆さんに保護魔法をかけます」


「すまない助かる!みんな盗賊を迎え討つぞ!」


「「「「おう!」」」」


矢がたくさん飛んでくるが流石にやられる人はいなかった。C級は伊達じゃない。私もプロテクションを張り様子を見た。


前回出くわした盗賊と同じように 6、7人が馬に乗っており他は走ってついてきていた。見た所あんまり強そうじゃない気がする。変態猿女と戦ってから強い人の雰囲気ってのが感じられるようになった。


「命が惜しけりゃ降伏しろ!」


「ふざけるな!」


こいつ等は台所のアレと同じ!こいつ等は台所のアレと同じ!心の中で呪文のように繰り返し攻撃魔法を放った。


「ホーリーレイン!」


後方にいる盗賊達は矢を受けてバタバタと倒れた。冒険者のみんなは大した傷はない。みんな強いと思う。相手はもう20人は倒れている。劣勢と見るや盗賊の頭は子供を楯に取った。こんな小さい子供どこに隠してたんだ?


私は魔力の腕を伸ばして刃物をはたき落とし子供を奪い取った。その間にアランさんが盗賊の頭を討ち取った。


「うえ〜ん!母さ〜ん!」


あらこの子家族が捕まっているのね。助けることになるのかな?商人の皆さんに怪我人はいないし馬車も無事だったからか先を急いでいるようだ。


「うむむ······すまないが依頼主が先を急いでる以上我らが護衛を放棄するわけにはいかない」


「それじゃあ私がちょっと行って助けてきますよ」


「それは助かるんだが私たちに追いつく足がないだろう」


「それなら方法はありますよ」


5メートルはあるフェンリルゴーレムを出して魔力を注入してみせる。


「こ、これは!これに乗るつもりなのか?」


「大丈夫ですよ。それでは行ってきます」


「さすが鉄壁の聖女ね。情に厚いわ」


リーダーに許可をもらって子供を連れて盗賊の本拠地へ向かった。捕虜になった盗賊の話だと山を一つ超えたところにある洞窟がアジトだそうだ。


初めてフェンリルゴーレムに乗ったが魔力の腕で支えなければ乗れたものではない。鞍を用意しておけば良かった。


「あなた中々強いわね」


ミームがついて来ていた。あなたこそ行動力があると思うわ。


山を越えた所でミームにも手伝ってもらって盗賊のアジトを発見することができた。


フェンリルから降りて盗賊たちを倒すように指令を出してみた。ものすごい勢いで盗賊たちに迫っている。そして前足の爪で相手を引き裂いていた。


雄叫びでもあげてくれると更に迫力があっていいのだがゴーレムなので何も言わないで黙って黙々と盗賊を切り裂いている。まるで作業をしているようだ。これはこれで怖い。


3分ぐらいで7、8人いた盗賊を皆殺しにしていた。洞窟に入ると牢屋があってそこにこの男の子の両親と姉が閉じ込められていた。どうやら個人商人のようで捕まって馬車や家財道具を全部取り上げられていたようだ。


「お母さん!」


「ジョニー!よかったー!」


他に捕まってる人はいなかったようだ。この商人ポールさん一家はクレタ商会の系列だそうだ。助けたらすごく感謝された。


帰ろうとすると盗賊の持ち物を持っていく権利があると言われた。そういえば前の時もそんなことやってたな。見ると盗品が山のように有った。お金は銀貨がたくさん有ったので武器や防具と共に頂いておいた。


「これ私が全部取ってしまうと あなた方は捕まってひどい目にあっていい事ないじゃないですか?」


「私達は全員無事でしたし荷物や 馬車も戻ってきました。それに盗賊たちの馬もありますので損にはなりませんよ」


「そんなもんですかね」


「そんなもんですよ」


盗賊の件が片付いたので私はフェンリルに乗って商隊に追いつこうと山を走り抜けた。結局追いついたのは夕方の野営の準備をしている頃になった。

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>こいつ等は台所のアレと同じ!こいつ等は台所のアレと同じ! ヨシ!
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