第21話□プロテクション改良と前衛探し
誤字がないように気をつけて見ていきます。よろしくお願いします。
魔王領北部森林
「サルエル様大丈夫ですか?傷は塞がったと思うんですが中まで切れてたので全部はまだ治っていないですニャ」
「うむ。何とか動けるようにはなったぞウキキ。だがあんな奴がいるとは思わなかったウキキ。あの強さは勇者だろう」
「私もそう思いますニャ。しかし 向こうも重傷を負っていたはずですが一瞬で傷が治っていました。ひょっとして聖女じゃないでしょうかニャン」
「うむそれは十分あり得る話だウキ。あの輝く剣は神聖魔法!ならばやつは聖女だろう」
「召喚された勇者たちは強くはなかったのですニャ?ならば奴はあいつらとは別物ですかニャ」
「どちらにしても冒険者はあなどれんウキキ。しかし勇者は倒せなかったし結局この私が引き上げることになったのだから負け戦だウキー!魔王様に何と言えばいいんだウキキ!」
「ここまで負けたのは近年では無かったですニャン。素直に謝りましょう。私も一緒に行きますニャン」
ビオラの町北部冒険者ギルド
あのクソッタレな謁見が終わりお金をもらったらタロスさんへお礼のお酒を買ってみんなで転移の羽を使ってビオラの町に帰って来た。
「タロスさん今回は色々とお世話になりました。これはほんの気持ちです。後で皆さんで飲んでください」
私はお酒なんて飲んだことないけど適当に高そうなのが売っていたのでウイスキーやブランデーを10本ぐらい買ってきた。
「うほっ!なかなか気が利くのう。これはありがたくもらっておくぞい!ガハハハハハ」
タロスさんたちと別れた私はギルドにお金を預けることにした。今回の収入は約金貨470枚だから20枚は手元に残してあとは貯金した。総合で金貨540枚になっている。向こうのお金で言えば5億4千万円だ。もう大金持ちじゃないか。
手元には金貨が30枚以上ある。なんか大金を持つのにだんだん慣れてくる自分が怖い。稼ぎが多いからか金の圧力に負けないようになってきた。まあ喜ばしい事だわ。
「ステータスオープン」
レベル30、魔力値1869、聖女。いつの間にこんなにレベルが上がったのか?ああ変態猿女と戦ったからか。しかし防御が間に合わなかった。これは何とかしないとだめね。
勝負は互角だった。私は回復魔法が使えただけだわ。う〜ん。これは早急に解決しなければならない課題ね。
やっぱり頼りになる前衛がほしいわ。どこかに転がってないかしら?
その後の私は色々と考えてはいたのだが良い手を見つけることもできずにポーションを作って違う冒険者ギルドで売るということを繰り返していた。
特級ポーションが高値で売れるから毎回金貨20枚になる。ただ多く作りすぎても値崩れを起こしてしまう。だから一つの冒険者ギルドに1回にしている。今回で3回目になるので この町でポーションを卸すのは終わりにしようと思う。
ポーション作りで得た金貨は貯金している。これで貯金は金貨600枚になった。お金はずいぶん貯まったので急いで働く理由はなくなってしまった。しばらくノホホンとしていても生きていられる。
しかしあの変態猿女がまた現れたら苦戦は免れない。まず防御を速くしなくては。何かいい手は無いものかな?
今日は町の西の森に来ている。ここで練習してみよう。
1回のプロテクションでは防ぎきれない。だが2回なら3回なら防げる。ああそうか。最初から2回分を作ればいい!
プロテクションを1回ずつかけて2つ重ねてみた。最初からこれをイメージして作れば1回で2層分のプロテクションができるはずだ!
「プロテクション2層!」
うん!出来た。もう少しこれを練習して素早くできるようにしよう。私はイメージを頭に刻み込んで練習しプロテクション3層までは出来るようになった。
「はぁはぁはぁはぁこれで変態猿女にも負けない!うぇ~気持ち悪い〜」
魔力切れか!マジックポーションを飲んだ。そう最近魔力草からマジックポーションを作れるようになった。低級マジックポーションなら魔力100は回復する。中級なら200、上級500は回復する。そして特級マジックポーションなら1000は回復する。
マジックポーションを飲んで練習を続けたが、さすがにお腹がタポタポになったのでやめた。
町へ帰ろうとしたらブラックウルフの群れに囲まれたので早速新しく覚えた技を試してみる。
「プロテクション2層!」
ガコン!ガコン!ガコン!ガコン!ガコン!全てブラックウルフの攻撃は防がれている。展開の速さも申し分ない。
「ホーリーアロー!」
ブラックウルフは全滅した。7匹をマジックバッグに入れて町に帰って来た。
ビオラの町に帰り宿に帰ろうとしたら奴隷商の広告を見つけた。なんか刺激的な広告ね。この世界に奴隷制度があるのは聞いていたがあまり気持ちのいいものではない。しかし興味はある。
私は本当に弱く見えるらしいから顔を隠して行こうかしら。それはいい考えだと思った。早速道具屋さんで仮面を買った。目と鼻は隠せているが顔の下半分と頭は元のままだ。これならあんまり邪魔にならないわ。
さっそく奴隷商に足を運んでみた。奴隷商なんて言うからもっと汚い所かと思っていたのだが案外きれいになっている。
「いらっしゃいませ。本日はどのような奴隷をお探しですか?」
「はい。戦える人で前衛を任せられる人を探しています」
「ご予算はどれくらいでしょうか?」
「一番高い人ってどれくらいですか?」
「最高ですと金貨100枚位になります」
「それなら大丈夫ですね」
「分かりました。連れて参りますので少々お待ちください」
5分後私は絶句していた。何このマッチョ軍団は?支配人が何やら説明しているが頭に入って来ない。
「あのー実力を見たいのでどこか運動できる場所はありますか?」
「それでしたら裏庭がありますので そちらにお越しください」
体育館位の庭があった。ここならいいでしょう。
「私が魔法障壁を張りますからそれを壊してみてください。壊せたら購入します」
「プロテクション!さあどうぞ。この壁を壊して見せてください」
ガンガンガンガンガンガンガン!キィンキィンキィン!キィン!キィン!
マッチョ奴隷達は奴隷商の剣で障壁を割ろうとしたが誰もできなかった。
「これは無理そうですね。お手間を取らせてすみませんでしたね。他に女性で特殊技能をお持ちの方とかいないんですか?」
「んーこれを突破できる女性はいないと思います」
「そうですか。残念です」
「こんなにお強いのでしたら前衛はいらないのではないですか?」
「いえ!それでも突破してくる奴がいるんですよ」
「ひょっとして あなたは今噂になっている鉄壁の聖女様ですか?」
「なんですか?その鉄壁の聖女って言うのは?」
「先日の魔王軍との戦いで四天王を退けたっていう女性冒険者の話ですよ。街中の噂になってますよ」
何じゃそれは〜何で聖女なんてワードが出てくるのよ?
「·············うそー何で聖女?」
「騎士団が撤退する中、殿を受け持ったその女性は1人で魔王軍四天王を相手取り一歩も引かなかったというではありませんか。自分の身を犠牲にしてでも皆さんを守ろうという そういう所が聖女と呼ばれる所以ではないでしょうか」
ギルドから派遣されて戦っただけなのに そういう話になっていたのか全然知らなかったわ。なんか恥ずかしくなってきたので帰ろう。
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