第172話□息が出来ない!
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ベルフェゴールの城に潜入した私は気分が悪くなりながらもスパイ活動を続けた。これは奴の見た目が気持ち悪いのではなくて何らかのスキルの力なのだろう。側近のダゴンとか言う奴はかなり重きを置いているようだが女たちは軽く扱われている。あまり信用してはいないようだ。あんな女達を送り込んでどう城を攻略する気なんだろう?
ついでにベルフェゴール軍はどんなだか見て来よう。兵舎の方に行くと訓練場で実戦訓練をしていた。3人1組で相手を囲んで攻めている。なる程力のない者ならば無駄な消耗や損害が少ないだろう。これは真似た方がいいな。
兵の数は5000人ってところね。後は特に目立った所は見当たらないわね。ん?こいつらは随分底の厚い靴をはいているわね?何に使うのかしら?全然分からないわ?
どうせなら町に行って買い物でもしてみようかな。ベルフェゴール城の城下町は4つありかなり賑わっていた。市場に行ってみよう。色々売っているな。特に変化はないわね。寂れた方に行ってみるか。スラム街がここにもあった。
「くそー!ベルフェゴールにスラムの女達を連れて行かれちまった!」
「ここなら居なくなっても不思議はねえからな」
「しかし雑役だって言って連れて行ったが誰も帰って来ないのはどういうことなんだ!」
「うーん。分からねえな」
やっぱりここらから連れて行かれた女達だったのか?それにしてもああやって侍らすならもっと一般市民から募集をかければいいのに。何でスラム街から連れて行くの?何か良からぬ感じがして来たわね。
これは軍の様子をもっと詳しく調べた方が良さそうね。何かわかるかもしれないわ。私はもう一度兵の宿舎に行ってみた。兵士たちは馬車を1台用意している。
これに女達を乗せて運ぶのか?何処に?うちに?うーん?女達が来てうちが困る?まさか人間爆弾か!いや女達が爆発しても私達はそんなに困らない。それは巻き込まれた人は死んでしまうだろうが········。もっと悪辣な罠のような気がして来た。まさか病気をふりまく気なのか?それなら来たら大変な事になる。伝染病なら何千人もの人が死んでしまうかもしれない。もしそうならベルフェゴール絶対に許せない!
ようやく敵の狙いが分かって来た。私はここでベルフェゴールを倒してしまおうと考えた。しかし女達を疫病の苗床にして送り込めるならあいつはそういう能力の持ち主と言う事になる。近づいたら気持ち悪くなったから私も一瞬で病気にさせられてしまうのではないだろうか。うーん。それは怖い!
女達が15人程馬車に乗せられている。あれで私の領地にたどり着いたら病気をばらまく気なのだろう。全くなんて奴だ!地球なら絶対禁止行為だぞ!ああ出発してしまった。こちらは後で対処しよう。
ベルフェゴールを倒すのが先だ。自分の周りを聖域にしておこう。そして病気完全回復をかける。
「セイクリッドサンクチュアリ!エクストラキュア!」
これでおいそれとは殺られないはずだ。私は城の中に入りベルフェゴールに近づいた。
「うん?グフグフグフグフわしの嫌いな聖なる匂いがする!ダゴン誰か来ているぞ!ダゴン出会え!敵の匂いがするぞ!」
「ベルフェゴール様何かありましたか?」
「敵が来ている!聖なる匂いがするのだグフグフグフグフ」
「何ですと!親衛隊出会え!」
なんて鼻がいいんだ。まだ50メートルもあるのに!敵がゾロゾロと30人も出てきてしまった。隠匿のマントをつけているので姿は見えないからここからベルフェゴールを狙おう。ストロングバニッシュランス3連をベルフェゴール目がけて撃ち込んだ!
「ぎゃー!」
「うがー!」
「うぐ!」
当たらない!ベルフェゴールの親衛隊に当たってしまった。おのれ!ストロングバニッシュレインを3回撃ち込んだ。
「うぎゃー!」
「ぐおー!」
「うがー!」
親衛隊はほとんどが倒れた。これでベルフェゴールを狙えるな。
「グフグフグフ誰だ!姿を現せ!そこだ!」
隠匿のマントが外れてしまった。
「よく分かったわね。私はセイア·シンジョウ公爵。ベルフェゴール覚悟!」
「グフグフグフグフ愚か愚か!お前などに殺れるワケがない。グフグフグフそうれ!こうしてやる!」
「うぐ!息が出来ない············」
これは参った。息を吐くことも吸うことも出来ない!これがベルフェゴールのスキルなのか!これじゃあ1分も持たないじゃない。この!ストロングバニッシュレイン!!ストロングバニッシュニードル!!ストロングバニッシュランス!
私は攻撃してからリムーブカースをかけて呪いを解除してみた。ダメだ。効かない。テトキシフィケーションをかけて解毒をしてみた。プロテクション3層全面展開!重ねて防御魔法をかけてみた。いかん!ダメだった。天使の羽を使って逃げる事にした。
城の外に出たら息が出来るようになった。
「ぶはぁはあはあはあはあ!苦しかったー死ぬかと思ったー」
城から沢山の兵士が出てきた。私は隠匿のマントを着けて姿を隠した。ウゲッ!気持ち悪い!おえー!もどしてしまった。
「エクストラキュア!キュアハート!ふーふーはーはー」
完全病気治療とHP回復をかけたら落ち着いた。これはちょっと準備をしないと勝てないわね。諦めてセイア城に帰って来た。
ベルフェゴール城
「ううーダゴン大丈夫か?」
「うぐ。大丈夫です。これくらいでは参りませんよ!」
ダゴンはわしを庇って腹に大穴があいている。すぐに医療班が来てくれたので助かった。こっちもダゴンほどではないが体中が傷だらけになってしまった。
セイア·シンジョウ公爵!なんて奴だ!わしのスキルを食らってこれだけの魔法を放っていくとは!あんな女がいるのか。なんとしても屈服させてやる!グフグフグフグフ
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