第17話□魔王軍
誤字がないように頑張って見ていきます。よろしくお願いします。
北部地方魔国魔王軍本拠地
「魔王様!ロッドレイ王国で勇者召喚が行われたようです。しかし、今なら勇者はまだ育っていません。叩くなら今です!私にやらせてください!」
「うむ、まあ待て!」
勇者ねえ。我らに匹敵する強さがあるのかねえ?せっかくの四天王の進言だからやらせてみるのも一興か?
しかし誰にやらせるかだね。魔龍モラトラスが行くと守りが薄くなる。ここに居る魔狼アガーヤはまとめ役だし。そうなると不死王ユリムと魔猿サルエルになるがユリムは帝国を攻めているから残りはこの猿女になるが·······こいつは強くて能力はあるんだけどねえ。おっちょこちょいだしなあ。まあ出来たら儲け物という事でやらせてみるか。
「よし魔猿サルエルよ!お前にロッドレイ王国の勇者討伐を命ずる!自分の軍団を率いて南下せよ!」
「勅命しかと賜りました。必ずや勇者を討ち取ってご覧に入れましょう。ウキ」
「サルエルよ。わしの前では服を着ろ!」
「魔王バラクゴーン様!着ております!ウキキ」
着てるってそれフンドシだろう!こいつの服のセンスは崩壊しているねえ。絶世の美女ならぬ美猿なのだがな。まあこいつの特技の巨大化をすれば裸になってしまうのだがねえ。
「魔王様サルエルが遊撃隊長なのは分かりますが、たまにはこのアガーヤにもやらせて欲しいです」
「まあ焦るな!サルエルがもし失敗したなら次はお前の出番になるだろうねえ」
「むむむ、分かりました」
「何を言っておるんだ。 私は失敗などせん!ムキキ」
「いやお前はまず乳を隠せよ!」
ビオラの町の北部冒険者ギルド
私は昨日討伐したキングエイプの報酬をもらっている。1体銀貨20枚50体で金貨10枚になった。
何でこんなに高いのかと言うと例の精力剤になる睾丸が1体につき銀貨10枚の値段がつくんだそうだ。このキングエイプは誰も手を出さなかったので材料はかなり不足してたというのも高値の原因だ。うーん、偶然とはいえお金はどこに転がっているか分からない。
結構使っているのだがお金が増えている。手元に金貨10枚ほど残して残りの20枚はギルドに預けることにした。なんだかんだ言っても私って金儲けは上手みたい。
「鉄壁のセイ!俺と勝負しろ!」
誰だこの人?いきなり人のところに来て勝負しろ!なんて言ってるけど?
「あなたは誰?」
「俺は雷撃のアダム!A級冒険者だ!」
「··········それで何で私があなたと勝負しないといけないんですか?全然話が見えないんですけど?」
「タロスさ〜ん。この娘乗りが悪いー!」
「いやー 嬢ちゃん すまんの。わしがお前さんのことをアダムに話したら勝負したいと言い出しての。止めるのも聞かないでここまで来てしまったんじゃ」
「はあ そうですか。 戦う理由なんてありませんのでお断りします」
「え〜!」
「それじゃあ訓練ということで手合わせするのはどうじゃ」
「それならば私も試したいことがありますし、やってみてもいいですよ」
「うおっ!いいね!それじゃあ勝負だ!」
訓練ということで冒険者ギルドの訓練場で手合わせをすることになった。タロスさんもいることだし新しい攻撃方法を試してみよう。ギャラリーがたくさんいるが気にしないでおこう。
このアダムさん という人はやはり A級冒険者で雷撃と二つ名がつくほどの人だ。多分雷の魔法が得意なんだろう。見たところ 20代半ば ぐらいかな?
「それじゃあお願いします」
「おう!行くぜ!ライトニング!」
バリバリバリバリ!
とっさに プロテクションを張って相手の攻撃を防いだ。どうやらこの雷魔法はプロテクションを通過できないようだ。
「ホーリーアロー!」
「サンダー アロー!」
あら!光の矢を雷の矢で相殺された。それならこれはどう?
「ホーリーレイン!」
「アースウォール!」
この雨のような光の魔法攻撃を相殺することはできないと見て土魔法でドーム状の壁を作って防いだ。なるほど!A 級は伊達じゃないわね。
私は魔力の腕を伸ばして相手を殴りにかかった。アダムさんは私の魔力の流れが見えているようで、それを素早く避けていた。避けきれないところは土魔法で壁を作って防いでいた。
「雷龍閃!!」
雷で龍をかたどった重くて速い攻撃だ!私は前方にもう一つ別にプロテクションを張った。だが雷の龍はそれを打ち破って私に襲いかかった。初めてプロテクションが破られた。ちょっとびっくりしたがまあ予想はしていた。もう1枚プロテクションを張って何とか防いだ。
私はマジックバッグから剣を1本出して聖剣にした。
「ホーリーウェポン!」
聖剣を魔力の腕で持って相手に斬りつける。土魔法で防いできたが 難なく切り裂くことができた。これは思った以上に威力があるわ。相手の防御魔法が役に立たない。 ホーリーウェポンを3本に増やしたらそこで待ったがかかった。どうやら模擬戦は終了らしい。
「ありがとうございました」
「はぁはぁはぁはぁ·····ああ、ありがとう」
「ハッハハハハ アダムよ!相性最悪じゃったのー」
「うぐ·····むむう」
その後タロスさんにも模擬戦をしてもらった。タロスさんはホーリーウェポンを5本まで出して攻撃したところで終わりになった。どうやらこの攻撃は魔法使いにも剣士にも通用するようだ。
「なあセイ?お主それだけ強いんじゃから昇級試験を受けたらどうじゃ?」
「私C級で十分です。まだまだ経験も足りないですし、しばらくこのランクで行きます」
「そうかのう。惜しいのう」
その後タロスさんに誘われたのでタロスさんのパーティーメンバーの人たちと一緒に食事をすることになった。パーティー名は『黄金の息吹』と言って男性2人女性2人いずれも20代後半ぐらいの年齢の人たちだった。いつもはこの5人で組んで仕事をしているのか。和気あいあいとしていてとても良い雰囲気のパーティーだと思った。
アダムさんは模擬戦が終わるとブイといなくなってしまった。何か思う所があったらしい。
私はタロスさんたちとの食事会が終わると後は特に用もないのでラビット亭に帰った。
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