第160話□悪魔侯爵との手合わせ
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次の日のコロシアム
昨日の話で2人の侯爵と手合わせをすることになった。会場はすり鉢状になっていて周りから見れるようになっている。 サタン軍の悪魔たちが300人以上見に来ている。相手も来たようなので始めるとしよう。
「ねえセイ大丈夫なの?」
「まあ何とかなるでしょ」
「そうですわね。サタンさんより弱いと思いますわ」
そうだ。サタンさんの配下なんだからサタンさんより強いワケがない!そういう訳でちょっとぶっ飛ばしてあげよう。
「セイ様おとなしくサタン様の横で座っていればいいものを公爵などと出張ってくるのは感心しませんぞ」
「今なら公爵を返上すればこの勝負はなしでもよろしいですぞ」
「ウフフフフ貴方たち本当に私に勝てると思っているの。なんなら 2人一緒で構わないわよ」
「な、何だと!おとなしくしていればいいものを!」
「私に勝ったら2人が公爵よ!」
「ぬぬぬー!その言葉忘れるなー!」
熱くなりやすいタイプね。プロテクション3層を張りホーリーウェポン10本で対応する。最初の相手はサイオス·トルカ侯爵か。ワニを思わせる風貌だ。2本の中華包丁のような剣を振り回して来る。だが10本の剣をさばき切ることはできない。すぐに剣が当たり始めた。
ギンギンギンギン!ザシュ!ザシュ!ギンギンギン!ザシュ!ザシュ!ザシュ!
異様に硬い皮膚だわ。なかなか斬り裂けない。魔力を込めて斬ってみた。
ギンギンギンギン!ズシャ!
「うがっ!」
ギンギン!ズシャ!ズシャ!
「ぐきぎー!」
これで終わりかな?あれ何かモコモコ大きくなって来た。これは変身なのか?前よりかなり大きくなって3メートルになっている。腕も6本に増えていた。
「サイオスはもう変身したぞ。やはりセイ様は強いな!」
「そりゃあそうだ。10本の剣の攻撃に耐えられるはずがない。だから言ったのに······」
「ぐおおおーまだまだだー!」
今度は剣が6本になった。前よりもずっとましに打ち合えるようになってきた。
ギンギンギンギンギンギン!ドシュ!ドシュ!ギンギンギンギンギンギンギン!ドシュ!ドシュ!
魔力の腕で放り投げてやった。10メートル以上高く舞い上がり地面に叩きつけられた。
ドサッ!
「ぐはっ!」
「あんな偉そうな事言ってたのにこれで終わりなの?もっと気合い入れなさいよ!」
「うぬぬ!」
何か来るかな?すごく集中している。うわ!頭の角から光線が出た。とっさに剣で防いだけど1本剣が溶けてしまった。あれ?サイオス·トルカ侯爵が片膝をついてしまった。魔力を使いすぎたのか?それとも出血が多すぎたかな?
「うむむむ!ま、参りました」
ワー!ワー!ワー!
大歓声でコロシアムが揺れた!すぐに軍の医者や看護師が駆けつけてきた。
「うおー!つええ!サタン様の婚約者はすげえな!あのトルカ侯爵が負けるなんて信じられねえ」「こんなに強かったのか!くそーかける方を間違えたぜ!」
「グフフフフフやったわ!大当たりで100倍の儲けよー!」
「そりゃあ決まりきってますから賭けますわよね」
あいつら私の手合わせで儲けているのね。全くいい気なものだわ。
「ああ、私が治療しましょう。エクストラヒール!」
「おおー体の傷が全て治っていく。たてついた私を治療してくださってありがとうございました」
「これからもサタンさんをよろしくお願いします」
「ははー!」
この様子を見ていたシトリー·モアー侯爵は特に恐れるでもなく淡々と準備をしていた。これだけの力の差を見せてもひるまないのね。 これは勇気があるのか?それとも公爵に固執してるのか。だが相手の顔にはおごりも油断も一切見られなかった。
シトリー·モアー侯爵は豹の悪魔だ。きっと速いに違いない!そう思っていたらあっという間に近くまで踏み込まれてしまった。 だけどサタンさんより速くないと思う。これくらいなら対応可能だ。
この人も剣を持って斬り掛かって来た。悪魔は剣が好きなのかな?速いけどまだ目で追える。
ガインガインガインガイン!キンキンキンキン!ガインガインガインガイン!
よくこんなに速くずっと動けるものだな。一息ついたとこを狙ってみよう。そう思って狙っているのだが時々爆裂魔法が飛んでくる。こりゃ上手くカバーされているな。
私も転移の羽で彼の脇に出て斬りつける。全力で避けている。しかし5回6回と繰り返していくうちに剣が当たりだした。
ザシュ!ザシュ!ザシュ!
「うむむむ!」
ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!
爆撃魔法が飛んで来るがプロテクション3層を破壊するほどではない。そうだ!魔導バズーカが有ったはずだ!転移して近距離から魔導バズーカを撃ち込んでやった。10メートルは吹っ飛んだな。しかし、侯爵は倒れない。
「うがー!」
それどころか高速で移動して爆裂魔法を叩き込んできた。
「ふん!」
ドッカーン!パリン!
プロテクション3層が破られてしまいちょっと火傷してしまった。
「ヒール!プロテクション3層!」
相手が高速で接近してきたので魔力の腕を伸ばして相手を捕まえてやった。地面に連続で叩きつけてやった。さすがに効いたようだ。
「う、ぐぇー!」
彼は倒れて動かなくなった。どうやら力尽きたようだ。
「ま、参りました。完敗です。これ程とは思いませんでした」
ワー!ワー!ワー!
「シトリー·モアー侯爵もやられた!つええ!」
「セイ様ーステキー!」
「キャーステキー!」
「こっち向いてー!」
何か黄色い声援が多くなったような気がする。この人も治療しよう。
「エクストラヒール!」
「おおー体の傷が消えていく!このシトリー·モアー貴方様に忠誠を誓います!」
「いや、それはサタンさんに向けてください」
「は、はい」
「セイお疲れ様でした!」
「素晴らしい戦いでしたわ」
「何言ってんのよ。私の試合で賭けてたくせにー」
「あらセイ様の分も買ってありましたわよ」
それは知らなかった。
「それじゃあみんなで買い物に行きましょう」
観客席
「セイは強いな。2人を全く寄せ付けなかった。凄い婚約者」
「素晴らしいお方ですな」
「そうです。相手の治療までして」
「ここから見てもわかるがセイの魔力がまた増えてるような気がする」
「そうですな。底なしの魔力ですな」
「ですがこれでセイ様を軽んじる輩はいなくなるでしょう」
それは良いのだがこの先あの娘を私の元に惹きつけておけるのだろうか。
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