表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/277

第158話□本領発揮

朝寒いですね。皆さん体調に気をつけてお過ごしください。

サタンさん達の作戦が決まり私は後方で救護の役割を担う事になった。後詰めの役でもあるのでもしもの時には手助けに出る事になっている。


暴風龍10体とギガンテス3体は前線に投入されている。残りは私のマジックバッグの中にある。


「ねえ?セイ。やっぱり前に出て戦った方が良かったんじゃないの?」


「いいえ。これはサタンさんの戦いだから私はお手伝いぐらいで丁度いいのよ」


「そんな事言って彼に何か有ったらどうするのよ」


「だ、大丈夫よ!彼は強いからやられたりしないわ」


「んま〜信頼しちゃって〜熱いわね〜!」


まあ暴風龍やギガンテスも行っているし簡単にやられるとは思えないわ。こちらは猫獣人25体が看護師として待機している。あとはサタン軍の医者や看護師が100名ほどいる。


確かこちらの軍はサタン軍が3000人、サタナキア軍が2000人、レプト軍が2000人、合計7000人の大軍団だ。相手のマモン軍は魔獣が10000体と悪魔が1000体との事だ。数だけで見ると相手の方が多いが 私が貸したゴーレムたちがどこまで相手を減らしてくれるかが勝負の分かれ目となるだろう。


ドッカーン!ボンボンボン!ガガーン!ボンボンボン!ドッカーン!ボンボンボン!


どうやら戦いが始まったようだ。ミーミルちゃんに円盤で戦況を見に行ってもらっている。あらもう戻って来たわ。


「凄いですわ!暴風龍が敵を圧倒していますわ!」


まあ災害級のゴーレムが10体で暴れたら大抵の相手は吹っ飛んでしまうわ。ミーミルちゃんの話だと相手の魔獣は大型だと30メートル位のもいるようだ。だが大体は5メートルから2メートルが主力だ。ほとんどは吹っ飛ばしたらしい。


それでもサタン軍の負傷者が次々に後方に運ばれてくる。猫獣人達には特級ポーションを持たせてある。体の部分の欠損 なら瞬時に治すことができる代物だ。私も怪我人の治療をずっとしている。


臨時の病院は患者が300人以上になり満杯状態になってしまった。今片っ端から治療をして治った者から後方?いや前線に送っている。


「あれ痛くない!うおー元気になったぞ!ありがとうございます」


「そんなに飛び跳ねて大丈夫なの?」


「戦いに戻ります!」


さすが悪魔ね。人間とは全然タフさが違うわ。治った人から前線に戻る人が多かった。300人以上いた患者も今や100人程度にまで減った。


「す、凄いな聖女様は!よく魔力が持つものだ!」

「あんなにぶっ続けで治してよく平気でいられるものだ!」

「さすがサタン様の婚約者だ!」


もう一息だ!治療を続けよう。魔力はまだまだあるから心配はない!


「エリアエクストラヒール!」


「うおー体が痛くねえ!俺は戻るぜ!」

「また戦える!」

「行くぞ!」

「あんな魔獣ぶっ飛ばしてやるぜ!」

「力が湧いてくるぜ!」


何か魔法が効きすぎな気もするが元気になったのなら問題ないか。怪我人もほとんどいなくなったので戦死者を復活させることにした。戦場で倒れた兵士達を収容してもらい治療して復活させている。


「戦死者の復活だとー!何百年も生きているが初めて見たぞ!信じられないー!」


「院長しっかりしてください!」


「院長!相手は聖女様なんですからこういう事もありますよ」


「いや普通ないだろ!」


どうやら戦いは終わったみたいだ。この様子なら勝ったかな。まだ戦死者がいるだろうから猫獣人達に集めてもらっている。転移の羽も物質変換器で増やしてあるので猫獣人たちにたくさん持たせている。だから戦死者が集まってくるのも早い。


「さあもうひと仕事ね」


サタン軍本陣


「サタン様大勝利ですな!」


「こんな戦いは見たことがありません!」


「んーもう戦いというか一方的な 蹂躙だな。改めてセイには感謝しないといかんな」


「そうですぞ!これは何か報奨を送らねば!」


「サタナキア、レプトあまりはしゃぐな。こんな勝ち戦でも死んでる者がおるのだぞ!」


「大変です!」


「そんなに慌ててどうした院長」


「これが慌てずにおられましょうか。戦死者が復活しています!全てセイ様が蘇らせているのです」


「なんだと!いくら聖女でもそれは出来ないだろう!」


「ところが出来ているのですよ!私も驚いているところです」


「信じられん!見に行くぞ!」


戦場後方臨時病院


「セイの治療を見せてくれないか!」


サタンさん達がすごい勢いで来てそんなことを言っている。多分復活のことを確認したいのかな。


「いいですよ。これは治療というか復活ですけどね」


「···············」


私は運ばれた兵士の体を治療する。この兵は胸を貫かれているわね。


「エクストラヒール!」


体が元に戻っていく。眩い光が収まると体の方は元に戻った。次は復活だ。


「リザレクション!」


「ん?俺は確かやられたはずだが?なぜ生きている?」


「こんな感じです」


「く、これは凄い!凄いとしか言いようがない!」


今回は私が戦いに出たわけではなくずっと後方で治療にあたっていたので戦いが終わって3時間で全ての作業を終わらせる事ができた。


おかげで今はサタンさん達と戦勝祝賀会の打ち合わせをしている。勝つには勝ったが相手は逃げてしまったのでこれで終わりというわけではない。サタンさんの話では魔獣は半分以上倒したそうだが相手の兵は全く減っていないそうだ。多分次は対策をして攻めてくるという話だった。


それじゃあのんきに祝賀会なんかやってる場合じゃないと思うのだが······それはそれ、これはこれできちんと 一区切りつける必要があるのだ。確かにそうだ。結果的にこの戦いでの損害はほとんどなかった。しかし命をかけて戦った者たちへの労いは必要だ。そういうわけで私はまたドレスを着る羽目になった。



いつも読んで頂きありがとうございます。面白いなと思ったらいいねやブックマークや評価をお願い致します。もらえると励みになりますので よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ