第153話□報復!
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あの後ジャッジメントの力で殺し屋達に主人の名前を言わせた。相手の名はブート·サタナキア公爵の娘エルメス·サタナキア。
顔は覚えてないけどサタナキア公爵はサタンさんの部下の1人だ。殺されそうになったからって潰してしまうわけにもいかない。相手の組織も同程度の力を持っているから公爵が1人いなくなったら大変なことになるだろう。うーん面倒だな。
だがやられっぱなしで引き下がるのは癪に触るわね。そうだ!やられたらやり返せばいいのよ。
「猫獣人達はエルメス·サタナキアを襲撃しなさい。だけど追い詰めるだけにして」
「殺さないんですかニャ?」
「そうよ。サタナキア公爵はサタンさんの部下で必要な人なの。だから娘も殺すわけにはいかないわ。だけど私を襲ったんだから徹底的に追い詰めてやって」
「つまりいじめて来いと言う訳ニャ」
「まあ、そういう事ね。殺し屋達は死んだ事にして」
「なぜですニャ?」
「あんな優秀な人たちを殺してしまうのはもったいないから。私以外の相手なら任務を果たすことは可能だわ。だから魔王の所に連れて行って働いてもらうことにしたの。どうせこのまま戻っても怒りを買って殺されるだけだから」
「分かりましたニャ!」
猫獣人達20人を送り込んだ。どんな結果になるか楽しみだ。
魔王の城に行き事情を話して殺し屋達を引き取ってもらう事になった。
「お前も大変だな」
「何言ってんのよ!あんなモテモテ男なら当然こうなるって分かったはずでしょ?」
「でも会ってよかっただろう?お前とやり合えそうな男なんてそうそう居るもんじゃないからな」
「そ、そうね。初めて見るタイプだったわ。でも私は人間、相手は悪魔。もし上手くいっても一緒に居られる時間は短いわね」
「それは多分サタン様が何とかしてくれるはずだ」
「どういう事?」
「まあ後日の楽しみにしておいてくれ」
寿命を延ばせるとでも言うのかしら?猫獣人達を送り込んだからもうしばらく魔界に居ようと思う。
ただ居るのも暇だし金属を手に入れてゴーレムを作ろうかな。私は魔王に魔界の地図をもらい金属のありそうな所を探してみる事にした。
ブート·サタナキア公爵城内エルメス·サタナキアの別邸
「ちょっとー!影の者達は何をやっているの?全く連絡がないんだけど!」
「お嬢様。監視の者まで戻ってきませんので全員やられたものと思われます」
「なんですって!あんな人間の小娘ごとき討ち取れなくてどうするの!」
「しかし聖女セイ様はアザゼル王を討ち取っているのですよ。魔力値は3万を超えると言う話です」
「そんなバカな事があるわけないわ。どうせ悪魔王ベリアルがいいところを見せるために売り込んだだけよ」
「ではなぜ影の者が1人も戻ってこないのです。全員聖女に討ち取られたのですよ!ここには警護の兵隊しかおりません。もし報復されたら防ぎきれませんよ」
「影の者が主人のことをしゃべるなんてあるわけがないわ」
「だといいのですが」
ドンドンドン!ドンドンドン!
「敵襲です!お気をつけください!ううーむ」
ドサッ!
「何があったの!」
廊下を見ると 警護の兵隊たちが全員倒れていた。何があったの?本当に聖女の反撃があったというの?
「意識はあるのですが、体が痺れて動けません。どうか旦那様の城まで避難をお願いします」
これは何者かがこの館に侵入してきているのは確かだわ。お父様の城まで行けば安心のはず!
「お父様の城に避難します。爺行きますわよ」
え?さっきまで話していたのに爺がそばに倒れている。いつの間にやられたの?全く気がつかなかったわ!
「爺!しっかりしなさい!」
「うう·······お嬢様お逃げください。どうやら聖女様は我らを殺す気はないようです。しかしお嬢様にもしものことがあっては大変です。お逃げください」
「分かったわ」
私は廊下を走ってお父様の城に続く通路を走っている。いつもなら明かりがついているのだが今は真っ暗だ。
「誰が消したのよ!」
こうなれば私も戦うまで!私とて魔力値8000はある。魔法なら人族などに引けは取らないわ!
「む゙、痛い!何これは?これは小石?痛い!痛い!おのれ炎弾!炎弾!炎弾!」
ボッ!ボッ!ボッ!
相手は何処にいるの。全然見えないわ。今も私に小石は当たっている。どこから投げてきているの?おのれ!
「はあはあはあ、だんだん明るくなって来たわ。衛兵がいるわ!もう大丈夫ね」
「お嬢様!その格好はどうされたんですか?ドレスがボロボロですよ!」
「え?」
近くのガラス窓に映る自分を見たらドレスがズタズタに切り裂かれてあちこち肌があらわになっているわ!なんて事でしょう!いつの間にやられたの?
「これはちょっとした訓練よ!」
「そうでしたか。すぐに城で身支度をお整えください」
「分かったわ」
聖女の刺客にやられたなんて絶対に言えないわ!城に入れたから安心ね。
城にも影の者達はいるが全員お父様の手の者だしおいそれと使うことはできないわ。ここは城の兵を使いましょう。
「私は今日はこちらの部屋に泊まるわ。もしもの事がないように部屋の前を警護してちょうだい」
「はい。それはいいのですが ここは旦那様の城内ですよ?」
「いいからやってちょうだい!」
「分かりました!」
これで部屋には誰も入ってこれないわ。ひと安心ね。
「あれ明かりが消えた!」
1分ぐらい経つとまた明かりがついた。一体何だったのかしら?鏡を見て愕然とした!また服がボロボロになっている。いつの間に入って来たの!う!大声で叫びたいのを私は必死で我慢した。ガウンを羽織って廊下に出て見ると衛兵は2人ともきちんと立っていた。
は、ははは、これは参ったな!体の震えが止まらない!ええい!しっかりしろエルメス!私は映えある悪魔公爵の娘だぞ!力が抜けて 私はその場に座り込んでしまった。
「こんなもんでいいかニャ?」「相手の暗部が遠くて助かったニャ」
「そうだニャ。人数も10人で済んだニャ」
「みんな任務完了よ!帰るニャ」
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