第152話□誰かに狙われている!
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
私は魔帝サタンにプロポーズされている。な、何か言わねば!
「あの········いきなり言われても···········はいいいですよって言うわけには行きません」
「うん。それはそうだね。では親睦を深めるとしよう」
何でそんなにすぐに切り替えられるの?
「あの·········一つ質問をよろしいですか?」
「なんだい?」
「サタン様はおいくつなんですか?」
「私は162歳だが何か?」
「それならお嫁さんはもういるんでしょ?」
「いやいないけど」
「そうなんですか」
中座してベリアルさんに魔族の結婚感を聞いてみた。150歳を超えないと適齢期ではないそうだ。それじゃあ150年間は何をやっているのかと尋ねてみたら魔力を練り上げたり戦闘訓練をしたりしているということだった。常識の概念が人間と全く違う。
150年も修行してりゃあそれは強くなるわよね。そうするとやっぱり私の魔力の伸びは尋常じゃないことになるわね。
ちなみに悪魔の寿命は1000年位だという事だった。随分長生きなのね。私の10倍は生きられるんだ。それなら殺し合わなきゃいいのに。
サタンさんの所に戻り話をしてみた。魔界の頂点に立ちたいんだそうだ。そのためには戦力は必要だし自分の跡継ぎを残すことも必要になる。私に声をかけたのは魔力が多いからという事だった。
悪魔王レベルで魔力値は2万位だそうだ。それじゃあ私の方が多いじゃない!騒いでいたご令嬢達は魔力値数千位だから私の3万越えの魔力値は魅力的だと思う。
「貴方の好みを教えてください」
「私は強い人が好きなんです。だからいつでもいいので私と戦ってください。後は虹宝石とギガトロン鉱石を探しています。もし知っていたら教えてください」
「虹宝石とギガトロン鉱石は分からないな。大昔にあったという伝説の代物だからね。でも私との手合わせならすぐに出来るよ」
「えーそうですか。それじゃあお願いします」
「サタン様お待ちください!今日はめでたい祝勝会です。今の話は後日でお願いします」
「ああ、そうなのか。それは残念だな」
どうやら今すぐ対戦とはいかないようだ。止めたのは彼の部下だと思われる。確かにみんなの前で派閥の旗印に何かあっては困るからね。
「それでは私はこれで失礼します」
「うん。また会えるのを楽しみにいているよ」
はあー疲れた。世の中何があるか分からないわね。今日はこちらのホテルに宿泊する予定だ。今はホテルに車で向かっている。
キキー!
ん?車が止まった。まだ着かないはずだけど?
「どうしたの?」
「道が大木でふさがれています!これは敵襲がありますよ!」
カンカンカンカンカンカン!
車に矢が当たっている。本当に敵襲のようだわ。
「セイ様迎撃します!仲間を出しますね」
猫獣人達はマジックバッグから仲間を出して車の外に出た。約20人の猫獣人達が短剣を持って戦っている。
「これ毒矢ニャ!」
「こんなものは私たちには効かないニャン」
「だけどもしセイ様に当たったら!·······あ、大丈夫ニャ」
「とにかく倒すわよ!」
しばらくガチャガチャと音がしたがそのうちに静かになった。
「セイ様敵は退散しました!」
「なる程ね。相手の事は何か分かった?」
「いえ、何者かは分かりませんでした。手傷を負わせたのですが全員逃げました」
「ふーん」
地上の殺し屋どもとはレベルが違うようだ。猫獣人たちと互角に戦っているのだから。
それにしても私を襲ってくるなんて一体どこの誰なんでしょう。まさかあのご令嬢たちが私に嫉妬して刺客を差し向けたのかな?まさかねえ?でも今のところそれぐらいしか心当たりはないわね。
車を後4台出してみんなでホテルに向かった。私の部屋は2階になっていたのでさっそく入ってみた。しかし部屋にはあちこちに毒が塗ってあった。これは本気で私を殺しに来ているわね。
「エリアテトキシフィケーション!」
これで毒は大丈夫ね。猫獣人達が護衛をしてくれているので ゆっくり休むとしましょう。
キンキンキン!キンキンキン!キンキンキン!
「んー?また殺し屋。エリアホーリークレイドル!」
「うっ!むおー!」
「これは!」
「不味い!引くぞ!」
あの催眠魔法を受けて逃げられるとはなかなかやるな。猫獣人達が追って行ったがあの様子だと多分 捕えられないのではないかな。
「すみません!見失いました」
「魔界の殺し屋はすごいわね。でも次は捕らえてみせるわ」
朝になりアザゼルさんの城に帰る時間になった。ベリアルさんと魔王は魔獣に乗って先に帰った。
私は殺し屋の事もあるので後からゆっくり帰ると伝えてある。今日はドレスアーマーになっているのでいつ戦闘になってもすぐに動けるだろう。あのしつこさならきっとまた襲ってくるだろう。どこで迎え討とうか。取りあえず町から離れて見通しの良い所で待っていよう。
丁度川の近くで広くなっている所があったのでそこに車を止めてお茶にする事にした。猫獣人達がテーブルを出して用意してくれている。
「セイ様用意が出来ましたニャ」
「うん。ありがとう」
ちょっと広すぎるかな。これじゃあ隠れる所がないから襲ってこないかな。こんな時ミーミルちゃんが居てくれたら犯人なんて一発で分かるのにな。
おや?馬車が1台近くに停まった。どうやら行商人で休憩のようだ。魔界は馬でも大きいな。
ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!キンキンキンキンキンキンキンキン!
ナイフを私に投げて来たがプロテクションで全て弾かれた!
「やっぱり来たわね。今日は絶対逃さないわ。セイクリッドサンクチュアリ!私を襲うこの者達の足の自由を奪いたまえ!ジャッジメント!」
「ぐあー足が動かん!」
「何だこれは!」
「うぐぐ」
「今だ!拘束しろ!」
「分かりましたニャ!」
「くそー捕まる位なら死を!ぐえー!」
「うあー!」
「むむ!」
ドサッ!ドサッドサッドサッ!
あら何て潔い!みんな毒で死んでしまった。全部で23人もいる。手間がかかるけど生き返らせて相手の事を吐かせよう。
「テトキシフィケーション!エリアリザレクション!」
「うう?何だ?俺は死んだはずだ?なぜ生きている?」
「それは私が生き返らせたからよ!さあ私を狙わせたのは誰なのか話しなさい!」
「むむむ!」
「死んたらまた生き返らせるだけだから無駄よ!」
「誰が話すか!」
いやー魔界の殺し屋はあっぱれな連中だわ。
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