第145話□ショッピングと報酬
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悪魔王ベリアル居城
「あれで勝てぬとはーうおおおおー!なんて事だー!」
「おおーよしよし、ベリアル様は頑張りましたよ〜ん」
「そうですよ〜ベリアル様は最高ですね〜ああ〜ん。そんなにきつく抱きしめちゃだめ〜ん」
「あれは何をやっているの?」
「うむ。アザゼルに押されていたのと逃げられたのがショックだったようだな。まあ、そのうちに立ち直られるだろう」
メンタルの弱いイケメン悪魔王がサキュバスの女の娘に甘えまくっている。うえ〜何か微妙だわ。
「貴方は大丈夫なの?」
「俺は負けたことあるしな。お前にもやられてるし」
「取りあえずこれで買い物にでも行ってくれ」
「ああ、どうも」
あの戦いから2日が経っている。私は殺られた人達を復活させたりゴーレム達を修理したりしていた。
魔王からお金をもらった。前にもみた事がある赤い鉛筆型のお金だ。あれ?この手帳みたいなのも同じ宝石からできているから鉛筆型より高価なんだろうな。
「それじゃあちょっと買い物に行って来るわ」
「ああ」
ドレスや大物のアクセサリーは魔王の方で用意してくれるそうだからそれ以外の買い物になる。赤い宝石板は鉛筆型の10倍位の価値とみた。地上で言うと全部で金貨1000枚位の価値があるのかな?よく分からないわ。
「セイの姉さん!買い物ならいい場所がありますぜ」
「セイさん!甘いの食ってください!」
「姉さん!いい手鏡があったんです。お収めください!」
「みんなそんなに気を使わなくてもいいんですよ。魔王からお金も貰えたしね」
「いえ!俺達先日の戦いで死んでましたから。今は嬉しくてしょうがないんですよ」
「ありがとう。貰っておくわ」
みんな先の戦いで戦死した人達だ。まさか生き返れるとは思ってなかったんだろう。まあいいかな。
教えてもらった町には地上とは違う形のお店がたくさんあった。蜂の巣みたいなお店には上から商品がたくさんぶら下がっていた。地下に広がるお店もある。何の意味があるのだろう?
甘味処は魔界にもたくさんある。女性はたくさんいるからだ。これは地獄饅頭か。色が真っ赤だな。本当に甘いな。でもスッキリしているわ。たくさん買って行こう。
30個買っても粒のお金3つで済んだ。
ふらふらと物色している。ここは雑貨屋さんのようだ。生活用品がたくさん売っている。禍々しい手鏡が売っている。これもいくつか買っておこう。
これは魔界の果物の種かな?なになに?レインボーフルーツ?七色の違った味が楽しめる。色違いのフルーツが出来るみたいね。買っておこう。
ここは小物がたくさん売っているわね。浮いている明かり?え?どういう仕組みなの?空中でふわふわと漂っている。だいたい同じところに浮かんでるわね。 面白いわね。どういう仕組みなのか後で確かめてみよう。全種類買っておいた。
これは何だろう?水差し かな?見本はずっと水が出ている。無限に水が出る水差し!すごいじゃない!購入!うわ!これはけっこう高いな。赤い宝石板1枚だった。地上で言うなら金貨1枚かな。いや金貨10枚かな?どうも地上とは物の価値と値段が全然違うようだ。
でも魔界って掘り出し物がけっこうあるよね。何か楽しくなって来たわ。前来た時はこんな余裕はなかったから全然目に入らなかったわ。
まだまだ探せば色々とありそうね。次は武器屋に行こう。アザゼルに大剣を2本だめされたから補充しておかないといけないしね。
うわっ!また禍々しい雰囲気の店だな。真っ黒なお店って怖すぎるんですけどね。
「フフフいらっしゃい〜」
「はあ、どうも。溶けない剣が欲しいんだけど」
「ヒヒヒそりゃあ無理だな。どんな剣でもいずれは壊れる。だが強くて壊れにくい物はある」
そう言って店主は真っ黒な大剣をいくつか見せてくれた。何とみんな魔剣という事だった。一つの剣に一つの属性が付与されている。
だが自分の属性しか扱うことができないということだった。剣を握り魔力を込めると力が発動する仕組みだ。それは分かったが聖属性の剣はなかった。ここが魔界だしそれは分かる。
「属性が違うと絶対使えないの?」
「ヒヒヒまあ無理だね。魔力の無駄使いになるね。魔剣がだめなら普通の剣にするかい?こいつは魔力を通しやすくしてある。聖属性でも通るぜ」
手に取って魔力を通してみた。おおこれはなかなかいいな。これなら杖を出さなくても魔法が撃てるな。待てよ?魔力を通して魔法が撃てるならプロテクションもまとえるって事になるよね。
「これ2本ください」
「ヒヒヒまいどー」
ベリアルさんの城に戻ってさっそく買った剣を使って魔法を放ってみた。どの魔法もきちんと発動する。
プロテクションを剣に張って強度を確認してみた。他の大剣とぶつけ合ったら魔力を通せる剣が勝っていた。
「これは全部魔力剣にした方がいいわね。後で買いに行こう」
あれ魔王がやって来た。どうしたんだろう?
「聖女セイ報酬を渡したい。ついて来てくれ」
「はい」
何をくれるのかな。宝石とドレスは確定だよね。魔王の後をついていくと衣装部屋に連れて行かれた。たくさんのドレスが並んでいる。
「ここから10着選んでくれ」
「いいの?」
「もちろんだ」
すごくいい作りをしているし私好みの物がたくさんあった。1時間くらいかけて選んだ。いやー嬉しいな!その後でアクセサリーを10箱もらった。とても満足した。
「いやーいい物をありがとう。もう地上に帰っていいかな?」
「それはちょっと待ってくれ!ベリアルが復活なされたら3人でアザゼルとの戦いについて相談したいのだ!」
「ええーまだやるの?今の力じゃあ無理だと思うけどな」
「確かにそうかもしれん。だがこのままやめる訳にはいかんのだ。お前も何か方法を考えておいてくれ」
「んー分かったわ」
本当は帰りたいけどまた突然呼び出されたら困るしな。もうしばらく付き合うか。
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