第143話□ベリアル軍対アザゼル軍
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悪魔王ベリアル居城
「あのーベリアルさん。私に敵の攻めを全部任せちゃっていいんですか」
「うむ、いいのだ。むしろほとんど知らないそなたに戦いを押し付けるなど申し訳なく思っている。 せめて我の手勢1000名を連れて行ってくれ」
「はあ、分かりました」
中庭に出てこれから自分が率いる 手勢1000名を見た。そこそこ出来るようだが巨人を相手にできるとは思えない。
「あのー皆さんは今までどのようにアザゼルの軍と戦っていたのですか?」
「俺達は局地戦で相手を罠にはめたり毒矢で攻撃したりして戦ってきた。まともにやり合ったらひとたまりもないな。俺達が囮になりベリアル様とバラクゴーン殿に相手を倒してもらうという戦い方もしていたな」
「それじゃあ正面切って全軍同士で戦うのは初めてということになるんですね」
「うむ、そうなるな」
おいおいこれじゃ全然戦力にならないじゃないか。これは困ったね。
「すみません。ちょっと考えさせてください」
まともに戦ったらすぐ全滅してしまうだろう。バリヤーの中に入っててもらい隙を見てバリヤーを解いて攻撃するでいいかな。または相手をバリヤーの中に少しずつ誘って閉じ込めて倒すという方法もあるわね。
「作戦が決まりました!」
今考えた事を皆さんに伝えた。バリヤーは2台用意して操作については猫獣人にやらせることにした。バリヤーの近くにはドラゴンゴーレムとサイクロプスゴーレムを配置するように猫獣人に指示しておいた。
私はビッグタートルから指示を出す事になる。ワイバーンゴーレムからの爆撃と暴風龍の暴風攻撃や魔導レーザー砲攻撃で相手をかなり倒せると思う。肉弾戦になったらキングドラゴンとベヒーモスが頑張ってくれるだろう。
だけど私は相手の巨人やヤギの兵隊を見ていない。一体どんな攻撃をしてくるんだろう?
「相手の巨人や巨大ヤギはどんな攻撃をしてくるんですか?」
「巨人は槍や棍棒で叩いて来ます。ヤギは角から電撃が出ます。しかし打つ前に一瞬ためがあるので避ける事は出来ます」
「なるほどー巨人は魔法は使わないんですか?」
「いえ、炎を吐ける奴もいます」
「分かりました。まあそれでもやる事は変わらないですね」
用意が出来たので進軍する事になった。私は自動車に乗って進軍に参加している。ベリアルさんと魔王は別行動で城まで行くことになっている。
城までは後10キロメートルほどだそうだ。でもこんなにゆっくり進軍していたら 相手に見つかってしまうんじゃないかな。
まあこちらは囮なんだから目立つに越したことはないんだろうけど戦いが不利になるのは困るわね。
2時間後に戦場に到着したが すでにアザゼル軍が布陣していた。あーやっぱりいいところを陣取られてしまっているわ。自動車をもう1台出してバリヤー発生装置を各自動車の中にセットした。ベリアル軍の皆さんには二手に分かれてもらい左右に進軍してもらった。
私はビッグタートルを出して乗り込んだ。左右にドラゴンゴーレムとサイクロプスゴーレムを向かわせた。ビッグタートルの前にはキングドラゴンとベヒーモスを配置した。最後に暴風龍を4体飛ばせて布陣は終了した。
これは始める前に何か言った方がいいのかな?何処の誰かくらいは言っておこうかな。
「私達は悪魔王ベリアルの軍だ!アザゼル王を討ち取りに来た!」
「ギャオーギャオー!」
「ガオー!」
「ギャー!」
「笑わせるな。今日こそ根絶やしにしてやるー!」
「ガオーガオー!」
「メェ~メェ~」
「魔導レーザー発射!」
ビッグタートルとキングドラゴンとベヒーモスと暴風龍から魔導レーザー砲が発射された。
バシューン!バシューン!バシューン!バシューン!バシューン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!
始まった。向こうも火炎攻撃や電撃攻撃をしてくるが こちらに届いていない。どうやら射程距離はこちらの方が長いようだ。
一撃で相手のヤギの魔獣や巨人たちが倒れていく。相手の進軍がバリヤーの範囲内に入ると頃合いを見計らって両翼のバリヤーが発動した。外の巨人たちは中に入ることができないようだ。中に入った 敵軍はドラゴンゴーレムとサイクロプスゴーレムの魔導レーザー砲で焼かれて行く。巨人やヤギたち が倒れるとこちらの兵士たちがとどめを刺しに行っている。両翼と中央の攻撃で相手を100体ほど倒せた。
しかし相手も突撃してくるのでそろそろ乱戦になりそうだ。暴風龍に暴れてもらおう。
「暴風龍は相手陣地を飛び回り敵を吹っ飛ばしなさい!」
「ギャオーギャオーギャオー!」
くるくる回りながら大風を起こして 敵陣地を突っ切っていく。物凄い風が起きて巨人たちは次々に吹っ飛ばされている。ヤギは転がっている者が多い。
「ワイバーンは高い所から敵を爆撃しなさい!」
「ギャーギャーギャー!」
20体のワイバーンが交代で相手を爆撃に行っている。 1キロも上空から爆弾を落としているので相手も反撃のしようがない。確実に数を減らしている。
「キングドラゴンとベヒーモスは敵陣地へ突撃しなさい」
「ギャオー!ギャオーギャオーギャオー!」
まだまだ敵の数は多い。確実に仕留めて行こう。両翼のバリヤーが解かれ相手を招き入れている。あまり多く入れすぎると逆にやられてしまうので加減が難しい。猫獣人達が上手く調節しているようだ。しかしバリヤーの中のゴーレム達がやられ始めた。2体ずつ倒されたようだ。
中央を突破して行ったキングドラゴンとベヒーモスは順調に相手を叩き潰している。やはり体の大きさが全然違うので相手になっていない。圧倒的な強さだ。相手の兵は300体位は倒したのだが一向に引く気がない。半分近くやられているのに怖くはないのかな。死兵のように突撃してくる。
魔導レーザー砲も撃ちすぎて熱くなりすぎている。冷却時間が必要なので今は撃てなくなっている。
ビッグタートルも前に出て相手を踏み潰している。完全に肉弾戦状態になっている。火器を使っているのはワイバーンゴーレムだけになっていた。
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