第133話□人工知能
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ムジカ王国王宮
昨夜のパーティーで私の祝福を受けた人達が良い方に体が変調したのでとても驚かれてしまった。
王様がお礼をしたいという事になり今日は王宮にまた来ている。ダンスが楽しかったからちょっとお礼をしただけなのに。んーそろそろ他の国に出た方がいいかな。
今日はピンクのドレスをを着て昨日と同じように4人の猫獣人が一緒だ。
指定の部屋に行くと王様とその家族の皆様がお待ちだった。王様と奥様と10歳位の王子様と7歳位の王女様が一緒だ。
5人で朝食をいただくことになった。いつもミームちゃん達と食べているのでこんな偉い人たちと食事すると緊張する。
だがみんな仲が良いようで見ていて心が和む。王様からはこの国で採れる宝石のセットとどこでも通れる通行証を頂いた。お返しにわが国の若返りの化粧水と蒸留酒を渡した。
「ありがとうございます」
「それで聖女様はこれから国に帰られるのですか?」
「いいえこの西大陸を少し旅行してみるつもりです」
「ほう!それならわが国にも観光地はたくさんありますぞ」
「そうですね。それらも含めて北のリュマンダ帝国にも行ってみようかと思います」
「リュマンダに行くなら気をつけてください。あそこの王子は品がないので有名ですから」
「あら、そうなのですか?それは残念です。まあ一通り見たら帰るので大丈夫です」
こうして私は無難に王宮を後にした。
「ん~惜しい。あんな素晴らしい女は見たことがない。何とか取り込みたいものだ」
「あなた焦りは禁物ですよ」
「ん?どうした息子よ?顔が赤いぞ?」
「聖女様の魅力に参ってしまったんですよ」
「わははははなるほど!息子よ、それは恥でも何でもないぞ!」
王宮を出た私は自動車で北に向かっている。この車はクラシックカーのような形をしていて6人乗りで時速100キロメートルくらいなら出すことができる。
猫獣人の護衛に運転してもらい 私は後ろでくつろいでいる。連続なら10時間運転すれば国境に着くのだがそれはいくらゴーレムといえどちょっと避けたい。休憩を取りながらゆっくり行こう。
だけどまた身分の低い人たちが虐げられている姿を見ると私は我慢できなくなってしまう気がする。
「セイ様この先に温泉があるみたいですニャ」
「ふーん。それじゃあちょっと寄って行きましょう」
ここはグリーンヒルと言う町のようだ。温泉があるなら宝石も売っているだろう。
町に入ると車をマジックバッグにしまった。猫獣人達が宿を確保してくれた。中々いいホテルだ。5人で入り私はベッドで横になった。
「うん。それじゃあお買い物に行こう!」
「分かりましたニャ」
外に行くとやはり宝石店がたくさんあった。いい原石がたくさんあったのでみんな買っておいた。
「うん。いいわね」
次のお店でルビーやサファイアを選んでホテルへ帰る事にした。
「ん~買ったねー!」
「お嬢さん!近くの裏通りにいい店がありますぜ」
「ふーん。そうなの」
なんかあからさまに怪しいがお供が4人もいるので行ってみることにした。
裏通りに入ったらすぐに10人ほどの男達に囲まれた。
「さあお嬢さん。有り金全部出しな!でないとこの娘の命がねえぜ!」
え?何で全然知らない他人の命を盾にするの?私が困ると思っているのね。でも確かに見捨てるのはかわいそうね。
女の娘にプロテクションをかけてあげた。猫獣人達に制圧させる。
「殺さないで制圧しなさい!」
「ニャ!」
バキ!ゴン!ゴキ!グシャ!ドン!ガン!
「うぎゃー!」
「ぐえー!」
「うあー!」
「うげぇー!」
あっさり全員倒したが人質もいるみたいだから猫獣人を25人全員出して彼女達に事件の解決をさせる事にした。
「4人置いていきますニャ」
「うん。あとはよろしくね」
次の日の朝
コンコンコン!コンコンコン!
「あのう。貴方が猫獣人さん達のリーダーなんですよね」
「はい。まあそうです」
「実は昨夜窃盗団と人身売買組織の者を全て捕え人質を35人解放したんですよ」
「あーそうですか。中々頑張っていたんですね」
「もうほとんど超人集団ですよ!こちらは討伐の懸賞金です。 主であるあなたがお受け取りください」
「はあ、どうもありがとうございます」
金貨100枚入りの袋が6個もあった。すごーい!さすが人工知能ゴーレム!どんどんやってくれる。外に出てみんなを見ると誇らしげに立って私を待ってくれていた。
「みんなよく頑張りました。ここまでやってくれるとは思っていませんでした。ご苦労様でした」
マジックバッグに入ってもらおうとしたがなんと外に出てずっと活動していたいと言い出した。
確かに彼女たちは使えば使うほど色々な事に対処できるようになっていく。面白そうなので車をあと4台用意して一緒に行動する許可を出した。活動資金として金貨600枚は彼女達に渡しておいた。こうして私達は北へ北へと向かっている。人工知能は使えば使うほど発達する。どうなるか楽しみだわ。
「セイ様、この辺りは穀倉地帯で果物の栽培が盛んですニャ」
「ふーん。それじゃあうちの国にない果物もあるかもね。ちょっと寄って行きましょう」
「分かりましたニャ」
フルーツタウンで一泊する事にした。宿を取りさっそく市場にフルーツを見に行った。
「うちの国にない果物を買って来てね」
「「「分かりましたニャ」」」
30分もすると私が知らなかった果物がたくさん手に入った。これはいい買い物ができたわ。
あとは明日の朝までは自由時間とした。私の護衛とお世話係4人以外は適当に別れて宿に泊まっている。まあ今日は何事も無いだろう。
次の日の朝
「今日はゆっくりできたわ。それにしても護衛が入れ替わってるようね。一体何をしているんだか」
ホテルで朝食をとって外に出てみると朝市が行われていた。なんとそこに猫獣人達がいるではないか!
「あなた達一体何をやってるの」
「夜中に捕まえた魔獣を朝市で売っているですニャ」
これはオークの肉ね。あとはバッファローやコカトリスなんかもいるわね。ゴーレムたちは食事もいらないし眠る必要もない。ずっと動き続けることができる。まあスリープモードはあるみたいだ。
ここには10人いる。あとは何処に?あらいた。大道芸人になってナイフ投げをしてる奴がいる。んー?ピエロになってダンスを披露している奴もいる。あ、ジュースを売っているのもいる。
2時間したら出発することをみんなに伝えて私も朝市を見て回ることにした。
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