第130話□交渉
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
さてどうしようかな。この国について詳しい話を2人に聞いたらなんか興味が失せてしまったわ。
しかし、表面上ぐらいは仲良くしておいた方がいいかもしれないわね。魔導技術についてはうちの国より上な気がする。まだ一般に開放されてない特殊な技術があるなら交換してもいいかもしれないわね。だけどそれが何なのか分からないし。うーん。どうしましょう。
「2人ともこの国と交易するなら何がいいと思う?」
「うーん。魔導技術は高いものがあるわね」
「でも何があるか分からないでしょ?」
「分かりますわ」
出たー!ミーミルちゃんの得意技!予知というか現状把握!
「魔導円盤は実用化しています。偵察用ドローンもです。あとは魔導レーザー砲、魔導バリヤー、長距離ミサイル、魔導レーザー銃、魔導飛行艇、魔導ジェット機、魔導ゴーレムなどなど」
「ちょっと待って!それキンゼルが持ってたよね?」
「キンゼルは元々この国に召喚された人でした。ここにいるのが嫌で飛び出したようですわ。魔導レーザー砲と魔導バリヤーは長官に頼んで貸してもらった物です」
「なるほどーそれなら納得が行くわね。しかしキンゼルもこの国に嫌気がさしていたのね」
「そういうことならエリクサーを譲る代わりにうちの国にないものをお願いしたらいいんじゃないの?」
うちの国にないものとなると空を飛ぶ飛行艇や円盤がいいわね。
「魔導ジェット機って何かな?」
「飛行艇や円盤より速いようですわ」
「じゃあその3つで決まりね。1機ずつあればあとは物質変換器でコピー出来るからね」
増やしてからジャスティンに改良してもらえばまた新しい物が手に入るかもしれないわ。
次の日科学技術庁第2回会談
「この国はいかがでしたかえ?」
「ええ、何でも有ってとっても素晴らしい国ですね」
ふふふ、王都は3級市民までしかいないからねえ。抜かりはないさね。
「それはありがとうございます」
「それでエリクサーは何本必要ですか?」
「こちらとしては技術を教えていただき自分たちで作れればいいと思うのですが」
「この国にエルフは住んでいますか?」
「いいえ、亜人種は居ません」
「でしたらこの国でエリクサーを作るのは不可能ですね。あと魔力もかなり必要ですし聖女でないと作れないようです」
何でエルフがここで出て来るんだ?エルフはこの国にはいないから何も分からないねえ。聖女しか作れないならその都度買うしかないのか!
「それではセイ様以外は作れないのですね?」
「今の所そんな感じですね。大海を挟んで6000キロメートルから7000キロメートルは離れていますのでなかなか来れるものではありません。高速で移動する手段があれば別ですけどね」
なんだ?何が言いたいのだ?自分は1日で海を渡ってきたくせに何を言ってるんだえ?
「貴国の優れた航空機をお譲りいただければ定期的に交易をすることが可能になりますよ」
航空機!?何で知っているんだ!この連中には見せてないはずだが?まさかキンゼルから何か聞いているのか?
「そうですね。キンゼルと戦った時魔導円盤や偵察用ドローンを見ました。キンゼルはここの国にいたんでしょう?」
やっぱりキンゼルに何か聞いていたのか?それとも円盤やドローンを見てこの国で作られたものと考えたのかえ?油断がならない小娘だねえ。
「あの魔導円盤と飛行艇とジェット機を1機ずつ譲っていただければ定期的にエリクサーを卸せますよ」
な、何でジェット機について知ってるんだ。これはキンゼルに聞いた知識で作った物だがキンゼルが話したのか?それともたった1日でこちらの内情を掴んだというのか?むう!分からん?一体どういうことだ。この娘も異世界から召喚されたということだからジェット機については知ってるということか?うむむむむ!
「なぜジェット機について知っているのですか?あなたたちは一昨日にこの国に来たばかりじゃないですか?」
「1日あればそれくらいの情報はつかめますよ」
そんなバカな!確かに王都にはあるがしまってあるはずだし!恐ろしい奴だな。まさか後ろの2人が情報を掴んできたということか?うーん。分からないねえ。
「ジェット機についてはうちの国の最重要機密ですので私の一存ではお答えしかねます。 確認を取らせてください」
「ええ、良い返事を期待しています。あとできましたらこちらの国のゴーレムを見せていただきたいです」
「それは大丈夫です。この後ご案内しますのでご覧になってください」
さてどうしたものかねえ。エリクサーは何としても欲しいが最重要機密のジェット機をあげるわけにはいかないねえ。
聖女がこの国に居てくれれば問題は解決なんだがねえ。エルフがどうとか言っていたから何かあるのか?しかし、何でジェット機について分かったんだえ?
かと言って敵対するのはまずい。いくら科学技術があってもあんな化け物を何とかできる力は我々にはない!いやあるが!今は敵対はまずいな。
とにかくゴーレムを見せてやるさね。わが国が誇る5メートル人型ゴーレムだ。
「凄いですね。これを作ったんですよね?素晴らしいロボットですね」
「はあ、しかしゴーレムに関して言えば 聖女様が作るゴーレムの方が大きくて強いでしょう」
「いえ私のゴーレムは喋れませんから。このロボットは受け答えができますよね!本当に凄いです」
「できたら聖女様のゴーレムも見せていただけると助かるんですが」
「はい。いいですよ」
でかい!これはフェンリルを模して作ったのか?全長5メートルはあるな。うなっているが動きは速いし力強い。とても我らのゴーレムが太刀打ちできるようなものではない!
「こんなのもありますよ」
なんだ!10メートルはあるな!これはドラゴンだ!もう一つはサイクロプスか!こんな化け物倒せる訳がない。
「あのこのロボットと言うかゴーレムは売り出してはいないんですか?」
「3メートル級なら売り出していますよ」
「そうですか!ぜひ購入して行きたいです」
「こんなの買っていてどうするんですか?そちらのゴーレムの方が強いじゃないですか」
「え?だってこれ喋れて応答できるじゃないですか。自分で考えられるなんて素晴らしいですよ」
「そうですか?私にはそちらのゴーレムの方がよっぽど魅力的ですがねえ」
うむむむむ······ジェット機はどうしたものか。
いつも読んで頂きありがとうございます。面白いなと思ったらいいねやブックマークや評価をお願い致します。もらえると励みになりますので よろしくお願いします。