第13話□Cランクになったよ!
盗賊の話ではアジトはここから歩いて30分のところにあるということだった。私を含めた7人はそのアジトに向かって歩いている。
そもそもなぜ盗賊のアジトに行くことになったかというと尋問してる時に人質がいることが分かったからだ。
だがそれだけで護衛任務を置いておいて行く理由にはならない。単に私が盗賊を生かして捕らえてしまったのが問題だったようだ。
殺していれば後で確認に来ればいいだけだったのだ。 だが生かしてあるものを改めて殺すわけにもいかない。どうせ1日時間が空くということで みんなで相談して残り少ない盗賊を倒し人質を救出しようという話になったらしい。
洞窟と簡単な山小屋のようなものが見えてきた。どうやらあれが盗賊のアジト らしい。
「盗賊の言うことは本当だった 。どうやらあれがアジトらしい。さてどうしたものかね?」
「はい!私の魔法に相手を眠らせる魔法があります。うまくいったら捕縛ダメだったら斬り込んだらいいと思います」
「よし!やってみよう」
私はなるべく洞窟へ近づいて催眠魔法を発動させた。
「ホーリークレイドル!」
洞窟の前と多分中の方の人はみんな眠ったと思う。しかし山小屋からは人が飛び出してきたので戦闘になった。 だがほぼ全員で山小屋の5人を相手したので一瞬で切り捨てることができた。
洞窟の外に2人洞窟の中に2人いたので4人は捕縛することになった。人質は洞窟の中の牢に入っていたが同じく眠っていたので目覚めの魔法で全員を起こした。
「目覚めの魔法ウェイクアップ」
中には人質が8人ほど捉えられていた。女性が5人に子供が3人の計8人だ。
私は全員に生活魔法のクリーンをかけた。更に怪我人にはヒールと全員にキュアハートをかけておいた。今回使った魔法は全部あの教本に書いてあった魔法だがイメージしやすく1回で使うことができた。
私ともう1人の冒険者で人質の皆さんをキャンプ地まで誘導することになった。残りの皆さんは盗賊の人身売買の証拠やお宝を没収してくるようだった。盗賊のため込んだ物は討伐者の物にしていいという決まりがあるらしい。なるほど みんなが来たがるわけだ。これが目当てだったのね。
キャンプ地に着いた私は人質の皆さんに何か食べさせてあげたいのでマジックバッグから食料を取り出してみんなに分け与えていた。
人質の皆さんはテント等はないので馬車の中で眠ってもらうことになった。
今回は私も冒険者の皆さんと一緒に交代で見張りを行った。次の日の朝になり朝食を作っているとビオラの町から大勢の人たちが馬車に乗って近づいてきた。馬に乗っている騎士の姿も多い。
捕虜にした盗賊は全部で24人。護送用の馬車に乗せられてビオラの町に連れて行かれたようだ。どうやら聞いた話だと盗賊は死刑か鉱山で一生労働のどちらかになるそうだ。
こちらに何人か残って調査したりするようだがほとんどは騎士団の皆さんと一緒にビオラの町へ向かった。私ももう用がないので 馬車に乗っている。
結局予定より半日遅れることになったが2日後にビオラの町に着くことができた。
この町は城塞都市で3メートルぐらいの高さの壁に囲まれている。王都よりは狭いが中々活気のある良い町だと思う。
私は冒険者ギルドおすすめの宿に泊まりポーションを作ってゆっくりしていた。
次の日の朝ポーションを持って冒険者ギルドに行くと呼び出しを受けた。別室に通されて行ってみると一緒に旅した冒険者の皆さんも部屋に集まっていた。そこで今回の盗賊討伐の件についての説明があった。
今回奴隷落ちした盗賊は鉱山に売られ代金は被害にあった人質の皆さんで分けることになった。賞金の方は我々冒険者で均等割りすることになっているそうだ。
冒険者ギルドの皆さんはいなくなったが 一緒に行った冒険者の皆さんと金銭を分けることになった。 いらないなんて言うとまた聖女なんて言われるので黙って待っていた。
「今回賞金首が5人いたが合計で金貨16枚。盗賊のお宝の合計が金貨270枚になった。これを11等分すると1人金貨26枚だ。あとセイには仲間の回復でお世話になったのでお礼として金貨2枚を受け取ってほしい」
「わざわざ私の分までありがとうございます。せっかくですのでもらいます」
「うん!それがいい。あとセイは受付に行ってギルドカードを提出してくれ。多分ランクアップしてると思う」
「そうなんですか」
「そうだよ。お前のような強い F ランクがいてたまるか」
みんなにお礼を言って部屋から出てきた。何かすごい額だわ。この5日間で金貨28枚も稼いでしまいました。
受付に行ってギルドカードを渡すとFランクからCランクへと変わっていた。いきなり3つも上がっていいのかな?まあくれるって言うんならもらっておこう。
「セイさんは今回の活動で その力を認められてCランクになりました。ただどうしてもギルドの上役の方が実力を見たいとおっしゃっていますので一度訓練場へ来てほしいそうです」
やっぱりそんなことだろうと思ったわ。まあでも仕方がないわね。誰だって信じられないものね。
「分かりました。明日でもいいですか?」
「はい 大丈夫ですよ。明日受付に声をかけてくださいね」
「分かりました。あと売りたいものがあるんですが査定していただけますか?」
私はブラックウルフの素材とポーションを3種類出した。
「んんん?少々お待ちください!」
10分ぐらいすると受付嬢とまたギルドの上役の人が一緒に出てきた。前にもこんなことあったな。 やはり別室に通されて話すことになった。
結論から言うと王都の冒険者ギルドと同じ値段で買ってくれることになった。なので200本分を提出してきた。金額にして金貨30枚になった。ブラックウルフの素材については合計で金貨2枚と銀貨70枚になった。すごい金額ね。
冒険者ギルドでは口座を作ることができるということだったので私のも作ってもらった。とりあえず 金貨50枚は預けておこうと思う。
それでも手元に金貨23枚はあるのでもっといい杖が買えるかな。後で見に行ってみよう。
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