第123話□誕生日パーティー
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
私はカンティス国の有力領主会議に出席している。出席者は国内の有力領主10人だ。私がいるのは場違いな気がするが出席を要請されたので出ることにしたのだ。
「あれがリンドブルム共和国の聖女か。まだ子供ではないのか」
「余計な事は言うな!滅ぼされるぞ!」
「魔王軍を全滅させているんだろう?」
「いや悪魔を倒したと聞いている」
みんな 言いたいことを言っているな。 ほとんど合っているけどね。
「今日はこの国のこれからについて提案したいことがある。このままでは衰退一方だがこの聖女様の力をお借りすれば復興は間違いない。この1ヶ月ほどの間に雇用問題について解決されている」
「確かにそれは聞いている。だがだからと言ってすぐに全てを受け入れるのは早計ではないか?」
「だが他に何か有効な手段があるのか?」
こんな調子でずっと話し合いが行われていた。最後に私の方に考えを述べる場面が来た。
「私はリンドブルム共和国の大統領セイア·シンジョウと言います。私は未成年の奴隷制度に反対する者です。皆さんがこれに賛同してくれるならリンドブルム共和国はカンティス国に援助を惜しみません」
「そんなことを言ってこの国を乗っ取ろうとしているのではないのか?」
「すでに一国を治める身です。二国を治めるのは無理があります。子供たちが幸せになれるように活動して行こうと考えています」
「ふん。口では何とでも言えるからな」
「まあ反対の方もいらっしゃるでしょう。しかしこの国の未来の為によくお考えください」
「ふん!」
「私はこれで失礼します」
会議後
「グラントさん。後はよろしくお願いします」
「はい。何とか意見をまとめたいと思います」
何も言われなかったので戦力の方は足りているようだ。グラントさんにはこのまま戦いの方を頑張ってもらおう。
カンティス国の件は一息ついたので私はリンドブルムに帰って来た。
この大陸では1年は地球と同じになるそうだ。そうすると私はもうすぐ15歳の誕生日な気がする。
「ねえミームちゃん。こっちでは誕生日って何かお祝いするの?」
「人間はする家族が多いみたいね。私達妖精はけっこう長生きだからそれぞれかな?どうしたの?セイの誕生日なの?」
「うん。計算したら明日みたいなの」
「それじゃあみんなを呼んで盛大に祝いましょう」
「うーん。私は家の3人でもいいと思うわ」
「私に任せなさーい!」
これは大々的にみんなに広まりそうな気がして来た。何かいつもお世話になっているみんなに逆にプレゼントしたいな。
何にしようかな?そうだ!リンドブルム共和国の旗は私の祈る姿だけどそれをタオルにしたものがあった。あれを物質変換器で量産しておこう。包んでリボンをかけて出来上がり。
次の日の夕方リンドブルムホテル特別室
私はミームちゃんに部屋に通されて中に入るとみんなの歓迎を受けた。
「おめでとうセイ」
「15歳おめでとう。これで酒が飲めるの」
「誕生日おめでとう」
「今日は楽しもうね」
「聖女様おめでとうございます」「おめでとう聖女様」
「誕生日おめでとう」
凄い勢いだわ!私は圧倒されてしまった。この後ミームちゃんが司会をしてくれてミーミルちゃんが特大の生クリームケーキを用意してくれた。
地球の時のようにロウソクの火を吹き消してよく分からない弾むような歌で祝われた。
すぐに乾杯になり飲食が始まった。もう賑やかであんまり話もよく聞こえない。だけどみんなすごく楽しそうに笑って飲み食いしている。
「さあ聖女様!いっぱいいってみようぜ!」
アダムさんに軽いお酒を勧められたので飲んでみた。すごく飲みやすくてついつい多く飲んでしまった。
ふーん。これがお酒なんだ。果物のお酒ね。ジュースみたいで飲みやすかったわ。
散々飲み食いした後プレゼントの時間になった。1人ずつ声をかけて渡してくれた。私もタオルを渡した。
「おめでとう!」
「ありがとう!」
その後は何か酔いが回ってきて意識が朦朧としてきたがいい気持ちだったのでそのままぽーっとしていた。
その後お開きになりみんなそれぞれ帰って行った。私は見送ろうとしたのだが全然動けなかった。
次の日
「うう〜ん。何か頭痛いんですけど〜!ちょっと気持ち悪いかも」
「アハハハ甘いわね。それが二日酔いよ!」
そうだったのか!これはなかなかしんどいわ!う〜ん、だめだわ。何にもする気がしない。もうお酒はやめたほうがいいわね。
「あらセイ様二日酔いですの?ん?セイ様なら魔法で治せるのでは?」
あ、なるほど気持ち悪くて頭が回らなかったわ。んーと、解毒魔法を使おう。
「テトキシフィケーション!」
「おおー!治った!ミーミルちゃんありがとう」
さて今日からは成人だ!自覚を持って行動しよう!病院に行って患者さんを治療してホテルに行って様子を聞いてみた。たまには世界樹の様子も見に行ってみよう。あら確実に前より大きくなっているわ。やっぱり世話がいいと違うのね。
「聖女様世界樹がどんどん大きくなるのです。私は感動が抑えられません!」
「これが当たり前じゃないんだ」
「エルフ領の世界樹でもこんな事はありません。私も驚いています」
やはり私の魔力が関係しているのかもしれないわね。まあ世界樹だから大きいからって困ることもないでしょう。
次は孤児院に行ってみた。みんな元気で過ごしているようだ。 まだまだ家の建築が進んでいる。 これで新しい子供たちも受け入れられるわ。
一回りしたので家へ帰ってきた。何だやってることは全く変わらないじゃないか。
成人になって変わったのはお酒が飲めるようになったことぐらいかな。でもここは居心地がいいところだわ。
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