第121話□キラースコーピオン全滅
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西大陸南東の国ムジカ王国科学技術庁長官ビバーチェ·ブリランテ邸
あたしはビバーチェ·ブリランテ。ムジカ王国の科学技術庁長官さね。面会者がいるって聞いたから誰かと思ったら何年か前にここから逃げたキンゼルの馬鹿野郎だった。
「あたしの所から逃げたしたお前が今更何の用だ?ご希望の自由が手に入ったんだろう?」
「まあそう連れなくするなよ。あんたに教えてもらった魔法については感謝してるんだ。実は今私は大変困っていてね。あんたに助けてほしいんだ」
「ふん!寝言は寝て言え!何でお前なんか助けにゃならん」
「私と同じ転移者の女に狙われている。私より後で呼び出されたらしいんだが私より強力な魔法が使えるようだ。ゴーレムを作り出せる」
「錬金術師か?」
「いいや違う。聖女だ」
「ふん。話くらい聞いてやるよ」
何年かぶりに訪ねてきたと思えば少しは面白い話を持ってきたじゃないか。こいつがやられるって事はその女相当やるね。
だが何で聖女がゴーレムを作り出せるんだ?絶対に不可能だろう。古代アーティファクトを見つけたか?それにしてもそんな大きな物を作るとは?魔力値が大きいのか!ふーん。面白い!上手くこちらに取り込めれば研究が進むと言うものだ。
いや待てよ?もう一国を治めているって言うじゃないか。それじゃあ確固たる強い意志を持ってるんだろうね。そうすると取り込むのは無理かもしれないねえ。
話を聞いているとまだまだ不思議に思えることがある。取りあえずこいつに相手をさせて情報を得るのがいいかな。
航空戦力にやられているって話だしバリヤー発生装置を貸してやろう。あれがあれば装置から半径1キロメートルの球状空間を防御出来る。まあ防御はできるが攻撃はできないがね。
あとは魔導レーザー砲を持たせてやろう。これはあいつが使っている魔導砲よりずっと強力だ。相手が金属でも焼き払ってくれるだろう。
「これを貸してやろう。上手くやりな」
「すまない!助かる」
使い方を説明してやったしあいつなら使いこなすことができるだろう。私は偵察用ドローンを10体出動させた。奴の戦いの記録を録る為だ。これで聖女の詳しい情報が手に入るだろう。
リンドブルム共和国セイの家
これからグリムリーパーの本拠地を攻めようという時にミームちゃんから連絡が入った。至急国に帰ってきて欲しいという事だった。
「いったい何があったの?」
「いやあったんじゃなくて これから起こるのよ。ミーミルが殺し屋が来るって騒いでるから帰ってきてもらった訳よ」
「あーミーミルちゃんが予知したのね。それで当の本人はどこに行ったの?」
「疲れたから栄養補給してくるって部屋に戻って行ったわ」
あー生クリームかな。それなら新しいのを買ってきてあるから後であげよう。
「それでいつ誰が襲って来るの?」
「あなたが倒したキラースコーピオンの残党よ!時間は今夜ね」
なるほど〜あの場でに生き延びた者が20人いたと聞いたがその他にも生き残りはいるだろうからな。これは必ず殲滅しよう。
「でも敵がここに来るまでずっと待ってるって言うのも暇ね」
「ミーミルが孤児院には連絡してあるから今日はみんな孤児院からは出てこないはずよ」
「全部動きを止めてしまうと不自然だしね。分かったわ。家の周りで対応できるようにしましょう」
私はブレニルドン島にいる猫獣人を15人連れて来て家の警備に当たらせることにした。
これだと家の周りしか守ってないことになるわね。もう少し遠くで相手を倒したいな。でもゴーレムじゃあ誰が殺し屋かなんてわからないしね。
それじゃあ罠を仕掛けようかな。家から少し離れた所に木のゴーレムを作った。このゴーレムはカンティス国の開拓で得た木と土でてきている。木の中心に核と魔鉱石を入れて10体ばかり作った。
高さ3から5メートルあり沢山の枝とツルがあるのが特徴だ。このツルで相手をぐるぐる巻きにして捕らえるのだ。枝も大きいものは動き粘着性があり付いたらなかなか離れないようになっている。もちろん根を動かしてゆっくりだが移動する事が出来る。
トレントゴーレムと名付けた。前の世界にいた時にお台所の黒い虫を捕らえる為に仕掛けた〇〇〇〇ホイホイをヒントに作った。
「ここまでたどり着くことが出来たら相手をすればいいわね。一応家の前にはフェンリルゴーレムを2体置いておこう」
「何これはー!何て恐ろしいものを作ったの!これは妖精の天敵よ!」
「まあ相手を殺したりはできないから比較的安全なものを作ったつもりよ」
「うえ〜私は大統領官邸に行くわね」
「あとは任せて」
うちの国も賑やかになったものだ。夜でも沢山の明かりがついており人の行き来が絶えない。私の家の周りは果樹園しかないから静かだけどね。
リンドブルム共和国路地裏
俺はキラースコーピオンのリーダー、ストラゴーンだ。俺の留守中に本部を壊滅させた聖女を片付けに残った手下を連れて乗り込んできた。こちらは70人もいる。必ず息の根を止めてやる!
「ここがリンドブルム共和国か。随分賑やかな街なみだな」
「聖女の家はこちらです!」
静かで調度良いな。これなら目立たず聖女を殺れる。
「うあー!」
「何を騒いている!」
手下が木のツルに絡まっている。
「早く斬って処理しろ!」
「うわ!これ生きている!」
何だ?魔物か?街なかに魔物などいるはずがない!
「ツルに気をつけろ!うわ!枝が動いた!とれねえ!くそくそー!」
「こんなトレントは見たことが無いな!仕方がない!騒ぎが大きくなるが燃やせ!」
「分かりました!」
「こいつ火を枝で消している!なんだこれは?うわー!」
「通り抜けろ!聖女を討つのが先だ!」
くそー!手下が30人は捕まった。なんて事だ。む!何かいるな!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!ヒュンヒュンヒュン!ドス!ドス!ドスドス!
「ニャニャン!」
猫獣人!何ていう速さだ。俺たち幹部と互角だとー!
「ぐあー!」
「うわー!」
「ぎゃー!」
手下が次々に殺られている。このままじゃ聖女までたどりつけないぞ!敵の包囲を抜けて聖女の家の前に来た。
「おい!みんな俺のそばに来い!」
うそだろう?みんな殺られたのか!キラースコーピオンの殺し屋が全滅だとー!う、目の前にフェンリルがいる!
「これはフェンリルのゴーレムなのか!くそーしかも2体だとー!」
ギンギンギン!ガインガインガインガイン!ドシュ!グサッ!
「グアー!くうぅ··········」
ドサッ
「ん?そろそろ来たかな?あれ?もうやられてる。あなた達が倒したの?ご苦労様ね」
「ワオーン!」
「·················」
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