第120話□第2艦隊を圧倒
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
ワイバーンゴーレムで1時間半で着いたからビッグタートルなら8時間で着くわね。
「ビッグタートルは今から北西のトーレス諸島に向かいなさい」
「ニャニャン!」
これで朝方には敵地に到着するだろう。私は方針を決めてから仮眠を取ることにした。
「ニャン!ニャン!ニャン!」
「んーん、よくねたわ。起こしてくれてありがとう。今何時?朝の5時か。そろそろ着くころね」
島が見えてきた。予定通り島の西から大波を起こして船を沈めてしまおう。討ちもらしは南からビッグタートルの魔導砲撃でトドメよ。
「ビッグタートルはここに固定。暴風龍は島の西から大波を起こしてグリムリーパーの軍艦を沈めて!もし北に逃げる軍艦がいたら追いかけて沈めて!作戦開始!」
暴風龍は勢いよく水中を進んで行った。10分もすると西から大波が島に向かって打寄せ始めた。10メートル以上の高波だ。 岸に近い船は岸壁に叩きつけられてバラバラになっていた。かろうじて出航できた船も転覆している船が多い。
「何が起きている!何で晴れなのに高波が来るんだー!うわー!」
「船を出せー!じっとしていたら叩きつけられてバラバラだぞ!」
「急げー!」
「うわー!」
「ぎゃー!」
「何だー!あのバカでかい龍はー!うわー!」
「北は追いかけてくるぞ!南にかわせー!」
「ビッグタートルは魔導砲で敵を殲滅せよ!」
バチューン!バチューン!バチューン!バチューン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!
「敵です!聖女の軍が攻めてきましたー!」
「おのれー!なぜここが分かったのだ!」
「うわー!」
「ぎゃー!」
「くそー!西に逃げるぞ!面舵いっぱい!」
「右向いたら船の脇がガラ空きになりますよ!」
「仕方ねえ!このまま全滅するよりはましだ。 こちらも攻撃できるんだ !打って打って打ちまくれ!」
「分かりました!」
ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!ドカーン!
カキンカキンカキンカキン!カキンカキンカキンカキン!
あらみんな西に逃げる気ね。ここは少しでも数を減らさなきゃね!
「魔導砲を撃ちまくれ!よく狙ってね!」
バチューン!バチューン!バチューン!バチューン!バチューン!バチューン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!
強化したビッグタートルには敵の攻撃も通らない。暴風龍が戻って来た。どうやら北に逃げた船を全部沈めたようだ。
「ビッグタートルは西に向けて進撃開始!暴風龍は海中から敵船を破壊せよ!」
「ギャオギャオー!」
「ヴォ!」
あれ?霧が出て来た。だんだん敵が見えなくなってきたな。この辺りは岩場が多いから危険だな。これまでか。敵を全滅させることはできなかったがかなり削ったので新しく手に入れた本拠地に戻ってきた。200隻は沈めたと思う。
この島はブレニルドン島と言うらしい。この島の島民から聞いたから間違いないだろう。島の皆さんが城に入って来た。どうしたのかな?
「あのう聖女様。聖女様がこの島の支配者になるのですか?」
「いいえなりません。第1艦隊を潰すのにこの城を使いたいだけですよ」
「あの税はどれ位になりますか?」
「私は支配者でも管理者でもありませんから前のように自分たちでこの島は管理してください」
「それじゃあ自由にしていいんですか?」
「はい。自由でいいと思いますよ。 皆さん頑張ってください。グリムリーパー海洋連合は私が潰しますから」
「何で見ず知らずの私達の為にそこまでやってくださるんですか?」
「あいつらは私のいる大陸に攻めてきたし女をさらって大金を税として取るような連中よ!許せる訳がないでしょ!」
「あなたのような方もいるんですね。ありがとうございます」
「気にしないでください。グリムリーパーを滅ぼしたらここも立ち退きますからそれまでは居させてください」
「分かりました」
島の人たちは心配になるよね。まあ話が出来てよかったね。あら?冒険者ギルドからの通信が来ている。カンティス国で果樹園の整備をお願いしたいか。あーなるほどね。ちょっと行ってくるかな。
グリムリーパー海洋連合第1艦隊基地
「キンゼル様第2艦隊が100隻にまで射ち減らされて到着しました」
「そうか分かった。聖女は時間を稼ぐ事もまかりならんのか。何ていう相手なんだ!」
「予定だと新兵器開発にはまだ2ヶ月以上はかかりますよね」
「構想は出来たが開発には時間がかかるな。これは参ったな。もう時間稼ぎも出来ないだろう?」
「うーん。我らには思い浮かびません」
仕方がない。西大陸のムジカ王国を頼るしかないようだな。できればあそこには戻りたくない。しかし贅沢は言っていられないな。このままだと確実に殺される。
ムジカ王国科学技術庁長官ビバーチェ·ブリランテ。私をこの世界に呼んだ女だ!
奴は私の地球での知識や経験が欲しかったに過ぎない。まあこちらもこの世界の知識や技術を吸収できたがな。奴に使い捨てられるのが嫌で飛び出してきた。そして海洋連合を作りここまで来たのだ。しかしまさか同じ地球出身の者に邪魔をされるとは思わなかった。
待てよ!奴は知識や技術を求めているはずだ。 ならば奴の矛先を聖女に向ければなんとかなるやもしれんな。
「私には当てになる国がある。そこの知り合いを頼ってみるつもりだ。お前たちは残存艦隊を再編成していつでも出られるようにしておけ」
「はい。分かりました」
いくら聖女が早くてもここまで来るには10日はかかるはずだ。その間には西大陸に行くとしよう。
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