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第12話□盗賊討伐

誤字がないように気をつけます。

馬車の中でマールちゃんたちの尊敬の眼差しを受けることになった。きっと夜中にブラックウルフを倒したことに心を動かされたのかな。私の魔法は守りはともかく 攻撃の方は大したことないのにな。


「セイお姉ちゃんはすごいね」


「僕もそう思う。あんなの見たことないよ」


「そうかな。大したことないと思うんだけど」


「いや普通あんな事はできないよ。絶対にすごいことですよ」


「そうそう」


2日目の旅は順調で夕方4時頃には大きめの村、ポポロ村に着いた。ここでは希望者は宿に泊まることができるそうだ 。もちろん私は野宿より宿を選んだ。大銅貨3枚を支払って部屋の鍵をもらった。


しかしこの宿は食事などは提供しておらず食べたい人は近くにある食堂に行かなければならない。しかし食事には早いので私は村の中を見て回ることにした。ちょっと歩いたら道具屋さんがあったので寄ってみた。


んーポーションの空き瓶が1本銅貨2枚!ちょっと高くない?いくら田舎だからって これじゃあね。 買取の方も安く叩かれちゃうわね。ここでの買い物はやめて食堂の方に行くことにした。


中に入ると結構広くなっており夕べ一緒に戦った冒険者の皆さんはもうみんなで飲み会をしていた。


「おう!セイちゃん。飲むなら一杯おごるぜ?」


「いえ私はお酒は飲まないんで」


「それじゃあこれ食いなよ」


みんな食べているおつまみを分けてくれた。ありがたく頂戴して私も定食を注文した。食べきれない分は持ち帰りにしてもらった。果物が安く売っていたのでそれを買って宿へ戻ってきた。


部屋でくつろいでいるとドアをノックする音がする。一体今頃誰だろう。ドア越しに要件を尋ねてみた。


「宿の主人です。酒場であなたの噂を聞いて是非治療してもらいたい老人がいるんです。今から一緒に出向いてもらえませんでしょうか」


具合が悪い人がいるんなら見てあげないとかわいそうね。


「分かりました。行きましょう」


宿のご主人と一緒に歩くこと3分ぐらいで その老人の家に着いた。すごくひどい咳をしているおじいさんだった。もう何ヶ月も続いてるんだそうだ。


「だいたい症状は分かりましたので治療しますね。ミドルキュア!」


「うお!胸が苦しくない!信じられん本当に治った。あんたすごいのお」


「もう少し元気にしますね。キュアハート!」


「うおおおー素晴らしい!」


「銀貨1枚と大銅貨1枚になります」


お金はきちんと払ってくれたし とても感謝された。治ってよかったと思う。


その後は何事もなく宿で一晩快適に過ごすことができた。3日目の旅も順調に進みまた野宿をすることになった。この時は特に問題なく過ごすことができた。


このまま何事もなくビオラの町に着くかなと思ったのだが、それはちょっと考えが甘かったようだ。4日目の昼食休憩の時に盗賊が現れたのだ。


「てめえら覚悟しやがれ!女、子ども以外はみな殺しだー」


うわーブラックウルフが襲ってきた時から3日しか経っていないのに今度は盗賊か。なんて治安の悪い所なんだ。


盗賊は約30人いて馬に乗っているのが10人、残りの20人は歩いている。みんな手には弓矢や剣を持っている。迫力なら先日現れたブラックウルフの方が全然上だな。


さて、うちの護衛の皆さんは10人しかいないけどどうするんだろう。戦えばかなり不利なことは間違いない。


「ふん!笑わせるな!お前らごとき俺たち10人で十分だ!」


冒険者の皆さんはやる気満々のようだ。ここは私も何か手伝った方がいいかな。でも人殺しはやりたくないんだけど。


馬車の近くにいる みんなにプロテクションをかける。自分にもプロテクションをかけて魔力の腕を伸ばしていく。時間はかかるけど これで相手を殴り倒していこう。


「何だこの嬢ちゃんは!ウゲッ!」

「グハッ!」

「ブヘッ!」


相手からこの魔力の腕は見えないので仲間が勝手に倒れてるように見える。1分もかからずに10人ほどが倒れると さすがに私が何かしていると気がついたようだ。


弓を持っている者は全員で私を狙って来た。矢が何本か私の体に当たったが刺さることもなくカラカラと地面に落ちていった。


その間にも護衛の冒険者たちの魔法や剣で次々と盗賊たちは倒されていく。ほんの5分程度で相手は全て地面にひれ伏していた。


「セイ何で前みたいな魔法を使わなかったんだ。 あれならすぐに終わっただろう?」


「あんまり人殺しはしたくなかったので今回はこれにしました」


「気持ちはわからんでもないが甘いぞ。盗賊は見つけたら全て殺さなければ他の者に被害が出る」


「ごもっともです。善処します」


「しかし君は絶対に F ランクなんてのはおかしいだろ?少なくとも C ランクの実力はあると思うぞ」


「そんなもんですかね?」


盗賊は10人が殺され20人が捕虜にされた。何でも有名な盗賊団で『暁のドクロ団』とか言うそうだ。賞金がかかっている者がいるみたい。


盗賊は全員ロープで縛られて10人ずつ繋がれているから逃げられないようになっている。このままでは移動に困るので冒険者が1人盗賊の馬を使ってビオラの町へ連絡に行ってくれるそうだ。


かなりビオラの町に近くなってはいるのだが馬が行って帰ってくるまで1日はかかるようだ。だから今日は午後からの移動はなくして この近くにキャンプ地を探し泊まる準備をすることになった。


500メートルぐらい行ったところに広場があったので そこでキャンプをすることになった。


テントを張って寝床を作った頃に 冒険者のリーダーのアランさんが私のところにやってきた。


盗賊を尋問した結果この近くに盗賊のアジトがあるということが分かった。そこでその制圧に私についてきてほしいということだった。


「盗賊のアジト なんて怖いです。 ここでお留守番してます」


「それじゃあ盗賊がなんかおかしな真似をしたら必ず息の根を止めてくれよ」


「えー それはちょっと·····すぐには無理です」


「じゃあ ついてくるしかないな」


「うう〜分かりました〜」


結局お留守番をする冒険者は3人で残り6人と一緒に私は盗賊のアジトの殲滅に向かうことになった。

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