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第118話□カンティス国で仕事の斡旋

秋っぽくなってきましたね。よろしくお願いします。

ミームちゃんが気になるって言うからカンティス国に来てみた。前来た所には居ないようだ。東へ進むこと20キロメートルでゴーレム達の姿があった。


「こんにちは。グラントさんどんな様子ですか?」


「おおーこれは聖女様よくおいでくださいました!こちらにどうぞ」


別室に通されると豪勢な料理と飲み物が並んでいた。給仕をしているのはどうやら奴隷のようだ。これはどういう事なんだろう。


「なぜ奴隷を解放しないのですか?」


「いえ、解放しようとしたんですがいきなり解放されても生きていく術がすぐ見つからないということでそのままにしてあるんですよ」


そうなの?自由はいらないって言うのかな?


「それに借金はそのまま残っていますので働く術がなくて借金があるというなると精神的負担も大きいんだそうです」


「解放を望む者は1人もいなかったんですか?」


「いえ、おりましたよ。そういう者は解放しました。全体の2割ぐらいですね」


さらに話を聞いてみるとすでに領主を6人も打ち破っているそうだ。国の有力者になるためにはもう少し戦で勝たなければならないということだった。そこでグラントさんからはゴーレムの追加貸与をお願いされた。私は奴隷達に話を聞いてみる事にした。


「本当にお金を返す術がないのですか」


「はい。私は領主の家で手伝いの仕事をしていました。あまりお金にはならないですが無いよりはマシです」


「私は奴隷になって5年ですが今戻っても家も何もありません。どうやってお金を稼げばいいのかわか分からないです」


どうやらグラントさんが言っていることは合っているようだ。なるほど働き口がないのか。


奴隷から解放された人は若い男性が多く、そういう人たちは冒険者になってるようだ。


このまま戦いに勝ち続けて更に働き口も見つけないといけないのだ。うーん。働き口か。


どうする?この後更にグラントさんにゴーレムを貸して早くこの国を統一してもらった方が働く所も得られるか?


ここは国に帰ってミームちゃんの力を借りよう。私は地竜ゴーレムを5体追加でグラントさんに貸して転移で戻って来た。


「なるほどね。働き口かー。確かにそれがなけりゃ奴隷解放しても先がないわね」


「この国に呼んだらいいのかな?不味いかな?」


「不味いわね。呼んだらこの国の人たちが職にあぶれちゃうわよ。カンティス国で仕事がないとだめね」


「どんな仕事を起こせばいいのかな?何かない?」


「うん。例えばこちらの国から依頼して向こうで作れる物を頼むとかがいいんじゃない。何か欲しいものはないかな?」


「そりゃあ私が欲しい物は宝石とか薬草とか魔鉱石も欲しいわね」


「それならミーミルに頼んで魔鉱石の鉱脈を見つけてもらって。あなたが魔力を流せば立派な鉱山の出来上がりね。それを採掘させたり宝石なら磨いてもらうとかすればいいと思うわ。薬草は貴方が持って行って畑に魔力を流せば薬草畑の出来上がりよ。果物だっていいわね。今までやって来たでしょう?」


「なるほどー!ミームちゃんって頭いいのね!感動したわ!」


「まあ、それほどでもあるわよフフン」


いつも思うけどこの悪戯っ娘只者ではない!さっそく準備にかかろう!


「ミーミル外務大臣!ちょっと一緒に来て!」


「な、何ですの?私はイタズラの最中ですのにー!あ〜ん!」


転移してグラントさんに計画を話し承諾してもらった。カンティス国西部の山は開拓してもいいのでミーミルちゃんに探ってもらった。


「こちらの山には魔鉱石が埋まっていますわ。もちろん宝石もありますわね」


「ありがとうミーミルちゃん!」


ミーミルちゃんを国に帰して私はビッグタートルに転移した。一番大きい暴風龍を呼んだ。


「ギャオギャオー!」


「ちょっと一緒に来て仕事を手伝って。あーもう少し丸くなって!」


グルグル グルグル


転移しようと思ったけど大きいわね。大丈夫かしら?取りあえず東大陸の海岸まで行ってみよう。転移出来た。魔力値は4000位減っていた。これなら大丈夫ね。


もう1度転移してカンティス国西部の山に着いた。さっそく暴風龍に乗り込み魔導砲の準備をした。


「魔導砲発射!」


バシューン!


木を全部なぎ倒して山を吹き飛ばし山10個分の平地が出来上がった。


「すごーい!こんなにうまくいくとは思わなかったわ。暴風龍は5キロメートル上空を通ってビッグタートルまで帰りなさい。ご苦労様でした」


「ギャオギャオー!」


ちょっと上空まで登っていくだけでこっちは台風並の風の強さになった。


鉱山の予定地の山はサイクロプスゴーレムに山までの道を作ってもらっている。


私は薬草や魔力草を植えて魔力を通していった。山5個分の薬草畑が出来上がった。残りは木を植えて果樹園にしようと思う。


リンドブルム共和国に戻り財務大臣のオウエンさんに薬草と果物と魔鉱石と宝石の買取と販売をお願いした。


「1週間もあれば買取所と販売経路を作れます」


「よろしくお願いしますね」


これで仕事場が出来た。山での仕事になるので近くには家を建てる者や宿屋を建てる者も出て来る。ほとんどの人はテントぐらしになるのかな。


鉱山は男性のいい稼ぎ場になるだろう。畑は女性が働くにはいい所だと思う。


この後口コミで稼げる場所があることが広まり大勢の人が奴隷から解放された。


「セイー魔鉱石はこんなに小粒でよかったの?」


「いいのよ。この国の人が稼げればいいんだから。大粒のは元ロッドレイ王国の鉱山に行けばいくらでも採れるから」


「なるほどね。しかし確かにアイデアは出したけどこんなに早く実現できるのはセイくらいのものよ」


「そうかな」


「もう!少しは自分に行動力があることを自覚しなさいよ。とんでもない速さよ」


まあこれでこの国の奴隷問題はほぼ解決したわ。あとは殺し屋の残党を始末してグリムリーパーを倒せばいいだけよ。

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