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第115話□カンティス国へ

いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。

取りあえずキラースコーピオンの本部は潰したのでリンドブルム共和国に戻って来た。


「セイ様お疲れ様でした。キラースコーピオン本部はほぼ全滅ですわ」


「ん?ほぼって逃げ延びた奴がいたの?」


「はい。20人ほど地下通路に潜み生き延びました」


いつもミーミルちゃんはこんなに詳しくは教えてくれない。今回女の子が殺されたのはよっぽど頭に来たようだ。


「それでまた私を狙ってくるとは思うんだけど時期はわかるかな?」


「信用問題もあると思うので必ずまたセイ様の暗殺には来ると思います。しかしそれは今すぐではなくて1ヶ月以上先の話になると思います」


「なるほど。それじゃあグリムリーパーを攻めれるわね」


「ところが別の案件が出てきたのよ!元ロッドレイ王国の南にあるカンティス国の奴隷達から救助要請が来てるわ」


「奴隷ー!そんな国があリますの?」


「助けるって言っても国として奴隷制度が認められているのにそこに文句を言いに行ったら私は侵略者ということになるんだけど」


「もし行くとしたらまともに文句なんか言いに行けないわね」


「どうして忙しい時に限ってこんな案件が起きるのよ!」


「これもグリムリーパーの罠だったりして」


「まさかー」


「そのまさかですわ」


「「ええー!」」


参ったな。でも奴隷がいるなら救ってあげたい。何かいい手はないかな?


「会いに行ってもし本当に私に依頼があるのならゴーレムを貸してくるわ」


「それってどういう事?」


「自分たちで戦って権利を勝ち取ってもらうのよ」


「それはちょっとまずいんじゃない?セイがゴーレムを操るのはみんな知ってるから、そんなのがいきなり現れたらあなたが侵略してきたって思われるわよ」


「う、うーん確かに。相手は侵略してきたわけでも何でもないしね。それじゃあどうしましょう」


「カンティス国は支配者層1万人、平民3000万人、奴隷500万人という構成の国ですわ。奴隷は借金奴隷がほとんどで成人前の奴隷が10分の1を占めていますわ」


「成人前の奴隷は戦災孤児が奴隷になったという事ですか?」


「まあそんな感じですわ」


それじゃあどうにもならないわね。すでに労働力として使われている子供たちを50万人もどうにかするなんてできないし。まあ会うだけ会ってみるか。


私は2人に断ってカンティス国に冒険者として行くことにした。いつものドレスアーマーだと目立つのでキュロットスカートとシャツと革鎧という格好だ。髪は銀髪のままでいいだろう。今日はポニーテールにしている。


入国にはさほど手間はかからなかった。これでもC級冒険者だから。


ここらは北部と違って魔王軍の直接の攻撃を受けていないが働き手を兵隊に取られて無くした者が多い。だから平民と言っても苦しい生活をしている者もたくさんいる。


依頼の主アラン君は富豪の家で奴隷として働いているらしい。どうもこの富豪は横柄で奴隷の扱いも酷いらしい。


どうやったかは分からないが手紙を出す事には成功している。まあグリムリーパーの連中に出してもらったんだろうな。


ここは国境からさほど離れてはいないカンティス国の西の端に当たる山林が多い地域だ。確かに富豪だな。大きな屋敷があった。


「すみません。奴隷のアラン君に会いたいのですが」


「えーアランならご主人様と木こりに行ってるよ」


「分かりました。ありがとう」


10分も歩くと木を切る斧の音が聞こえてきた。ここらで働いているらしいな。


あれか。10人ほどの男たちが斧を手に木を切っている。 少し離れたところで身なりのいい男がそれを見ている。あいつが性悪の主か。


「忙しいところすいませんが アラン君と話がしたいのです。ちょっと貸していただきたいのですが」


そう言って私は銀貨2枚を差し出した。それを見て男は


「アランと話したいのなら銀貨10枚だな!」


この野郎銀貨2枚も出したのに10枚に釣り上げてきやがった。揉め事はまずいと思い仕方なく銀貨10枚を支払った。


「10分だけだぞ!」


こいつ殴ってやりたくなって来た。少し離れたところで アラン君と話をすることにした。


「君がアラン君ですね。私はリンドブルム共和国のセイです。話を聞かせてください」


「ああ聖女様どうか僕たち奴隷を助けてください。お願いします」


「助けてやりたいがすでに君たちは人の持ち物になってしまっている。孤児であれば引き取ることもできるのだが今の状態ではそれが難しいです」


「僕達が奴隷になったのはこの何年かです。それまでは普通に暮らしていました。こんな事は理不尽です」


「そうですね。しかしこの国が決めた事に部外者の私が口を挟むわけにはいきません。お役に立てないで申し訳ないです」


「それじゃあ僕達はずっとこのままなんですか?」


「国としてカンティス国に働きかけてみましょう。未成年の奴隷は解放してもらえるように」


「ううっよろしくお願いします!」


しかしたったこれだけのためにグリムリーパーがこの子に手を貸すなんて考えられないわ。他にも何か仕掛けてあるんじゃないかしら。


「あの手紙には他にもいるような事が書いてあったような気がするんですが?」


「あ、それは·····」


話を聞くと何と平民の皆さんが反乱を起こすらしい。ここの主人はよほど恨まれているらしい。


奴隷は契約で逆らうことができないが平民は違う。あの主人はここの領主になるんだろうな。あまりにも税が高いし傍若無人過ぎたようだ。


今度はアラン君から話があったグラントさんに会いに行く事にした。トコトコと歩くこと30分教わった家に着いた。


「あのー私はリンドブルム共和国のセイです。手紙を読んでアラン君に会ってきました」


「聖女様よく来てくださいました。アランにあったということは私たちの計画はご存知なんですね」


「はい聞きました。でも大丈夫なんですか?」


「領主の兵は80人です。我々500人いますので何とかなると思います」


えー!?本当に大丈夫?心配なので私もついて行く事にした。広場に行くと若い男達が何百人も集まっていた。


見るとあんまりいい武器はないようなので前に用意した槍と剣をあげる事にした。


「みんな聖女様が来てくださったぞー!これで我らの勝利は決まったも同然だー!」


ええー何言ってんのよ。私は武器をあげただけじゃないの!あれ?もう共犯か!


「皆さんが自由を勝ち取るためにお手伝いはしますがあくまで皆さんが中心でやってください!」


「「「「「オー!」」」」」


まずい!一国の大統領が反乱に加わるなんて!けどもう行くしかない。


反乱軍の列の真ん中辺で私はこんなことを考えながらみんなについていく事にした。

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