第109話□移動基地ビッグタートル
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
「ねえセイ?このでっかい亀は何て言う名前なの?」
「作ったばかりだからまだ決めてないわね」
「あの暴風龍が甲羅に乗って日光浴していますわ」
「さすが!暴風龍が3体乗っても平気だわ!う〜ん名前かー。何にしようかな。簡単にビッグタートルでいいんじゃないかな」
「ビッグタートルですね。分かりましたわ」
「それじゃあ試運転してみましょう!あなたはビッグタートルよ。西に向けて前進しなさい!」
「ヴァ!」
ゆっくりゆっくりビッグタートルが動き出した。最初は遅かったけど安定してくると時速50キロメートル位の速さになった。
結構速いんじゃないかな。ちなみに暴風龍は海の上を時速100キロメートル位で移動出来る。
「西に向かっているけど何処に何があるか全然分からないから困るわね。ちょっと偵察してくるわ」
私はワイバーンゴーレムに乗って西へ飛んだ。海を見るとカーブがかかっていてこの星が丸いのがよく分かる。
10分位進むと島が沢山あり集落や町があるようだった。ビッグタートルの速さだと3時間位で着くかな。
私は急いで帰って方向修正をした。3時間後に諸島の一番大きい島に近づいた。
陸から1キロメートル位でビッグタートル号を停めてワイバーンゴーレムで島に上陸した。
するとすぐに武装した男達が私の周りを取り囲んだ。
「貴様は何者だ!ここはグリムリーパー海洋連合の島だ!部外者は出ていけ!」
「私はリンドブルム共和国のセイです。旅行で立ち寄ったんですけどね」
「リンドブルムのセイ?そいつは聖女だ!殺せ殺せー!」
いきなり剣を抜いて飛びかかって来た。仕方がないので魔力塊でぶっ飛ばしてあげた。
バキ!バキ!ドカン!ドカン!ゴン!ゴン!ガン!ガン!ゴキ!ゴキ!
「うげー!」
「ぐえー!」
「ぶへっ!」
もう立てないようだ。いくつか質問をする事にした。
「ちょっと聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「誰がてめえの話なんかぶへっ!·······うげー!·······ぐはっ!·······わ、分かった。はにゃす!」
「この辺りはみんなグリムリーパーの領土なのかな?」
「はい、そうれす」
「どれくらいの税を取り立てているのかな」
「本部へは全取れ高の2割れす」
「お前たちの取り分はどれ位なのかな?」
「全取れ高の1割れす」
怪しいな目が泳いでいる。嘘だな!島民に聞いてみよう。あら?島民の皆さんが武器を持って集まって来た。
「貴様らよくも娘に手を出してくれたなー思い知れー!」
「俺達の稼ぎを全部取りやがって殺してやる!」
島民がフォークやクワで襲いかかりグリムリーパーの男たちは全員殺された。
「ウギャー!」
「グワー!」
「ギャー!」
全部殺したのにみんな泣いている。思いを遂げたのになぜ泣くのだろう?
「何か心配事があるのですか?」
「俺たちは我慢の限界だ!だから こいつらを殺した。だけどそれはこいつらの本隊からの攻撃を受けるっていう事だ」
「これでこの島はおしまいだ」
なるほどそういうことか。税金を納める代わりに生かしてもらえてるという事だから、それを納めなくなったんだから当然殺しに来るわね。
「それじゃあ戦うしかないわね」
「こんな鍬でどうやって戦えってんだよ!」
うーん。そりゃあそうだよね。鍬じゃ戦えないよね。こちらのフォークなら当たったら痛いと思うんだけど。
「フォークなら殺れると思うよ」
「ふざけんなー!」
その後私が第5艦隊を潰した事を話したらみんな大変喜んでいた。それはここが第5艦隊の管轄だったからだ。
当分は取り立てや敵が襲ってくることもないだろうという事になり みんな一安心していた。
みんなに話を聞くとどうも島によって取り立てられる税金の量も質も違うようだった。
なぜ分かるかと言うと税金を納める以外は意外とどこに行こうが自由だったそうだ。だから他の島の情報も多く入ってきていたらしい。
私はみんなにグリムリーパーの海の支配の様子を教えてもらった。それから地図ももらえたのでこれから一番近い支配者の所に行ってみようと思う。
「このまま西に進むと第4艦隊司令長官でデッカー·ドライヤーってのが治めている地域があるらしい。そこに挨拶に行ってみようと思うの」
「挨拶ってセイ様?お菓子は何処で買ったんですの?」
「ミーミルその挨拶じゃないよ!」
「やっぱり魔導砲で挨拶ですのね?」
「そうね。こんな胸くそ悪い話を聞いたんじゃセイが黙ってるわけないからね」
前戦った時は敵の艦艇は200隻だった。今度はきっとそれより多いんだろうな。でも本当に胸がムカムカするので必ず相手は殲滅してみせるわ。
到着するまでには丸1日かかるのでそれまで物質変換器でワイバーンゴーレムの攻撃用爆裂魔法弾をコピーしようと思う。1000個位作っておけば足りるだろう。
2時間位で終わったので後はひと眠りして魔力を回復させておこうと思う。
「私はちょっと寝てくるわね」
「分かったわ」
「私達も戦闘に参加するべきですかね?」
「ん〜でもこのビッグタートルと暴風龍が3体とワイバーンゴーレム10体で攻めるつもりなんでしょ?私達に何が出来るのよ」
「そうですわね。このビッグタートルから魔導砲を撃つなら出来ますわね」
「そりゃあこの甲羅の上からなら撃つ所はあるけどねえ」
「今回はそれでいいと思いますわ。でも次からは考えないといけないですわ」
「んーそうね。乗組員を連れて来る必要があるわね」
「それより私達も力を蓄える必要がありますわ」
「ああ、それならいいのがあるわよ」
「これはさっきの島で買ったサトウキビのお菓子!いつの間に!」
「総務大臣たる者これくらいは朝飯前よ!」
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