第108話□サルベージして拠点作り
いつも誤字の指摘ありがとうございます。よろしくお願いします。
グリムリーパー海洋連合本拠地
「なんだこれは?」
「はい、第5艦隊からの無電です。聖女と巨大な龍にやられたとあります」
「あれだけの戦艦が10隻もあって敗れたのか?ふーむ?」
艦隊司令長官のダミアンは無能とはほど遠い優秀な男だった。それが全滅するなどよほどその龍が強力だったという事か。しかし強力な魔導砲だってあったはずだ。おかしいな?
「他には何か報告はなかったか?」
「まだありました!航空戦力に爆撃を受けたようです。ワイバーンって報告にはあります!」
ワイバーン?空から爆撃されたのか。魔導砲は大体の角度には対応出来るはずだが········まさか真上からやられたのか。だとしたら参ったね!
改良が必要かな。まさかこんな遅れた世界で私の作った船を壊せる奴がいるとは思わなかった。
しかも女だと!?まさかこいつもこちらに呼ばれて来た奴なのか?取りあえず船を改良しよう。あとは聖女についての調査が必要だな。
「スパイ共に聖女についての調査をさせろ!」
「はい、承知しました」
リンドブルム共和国セイの家
「ちょっとちょっと大統領!何いきなり戦争に参加してるのよ!心配するでしょうが!でもグリムリーパー海洋連合なんて知らなかったわ!」
「私もよ。だけど敵の第一陣は退けたわ」
「退けたというか全滅させたの間違いじゃないですの?モルダスター魔導王国との交渉は私に任せてください」
「も、もちろんよ!お願いしますね」
ゴーレムの核はあと45個あるから10個ならモルダスター魔導王国にあげても何とかなる。ミーミルちゃんにはその辺りも考えて交渉してもらおう。
「それはそうと船を1隻手に入れたとお聞きしましたがどうなさるつもりですの?」
「あー戦艦なんだけど海の旅の足にいいかなって思ってね。アハハハハハハ」
「なるほど西の海を回りたいのですね?」
「だってここは陸の中で海の美味しい物なんか中々手に入らないでしょ?」
「戦艦で旅する人なんかいないわよ!」
みんなにも美味しい物を届けたいけど私1人じゃあ量が運べないしね。何かいい手があればいいんだけどな。
その後はミーミルちゃんと一緒にモルダスター魔導王国に移動した。
魔導砲10門とワイバーンゴーレム10体を作る為だ。値段の方はワイバーンゴーレムの核10個で金貨1000枚、中型魔鉱石10個で金貨3000枚魔導砲の魔鉱石特大10個で金貨10000枚になった。
「ミーミルちゃん交渉お疲れ様でしたね」
「あとは閣下がワイバーンゴーレムを作るだけです。頑張ってくださいね」
「うん。すぐに作るから待っててね」
「核は物質変換器で増やした物を使った方が気分的にいいですよ?」
「え、そうね!オリジナルは残しておいた方がいいものね」
そうだ!もう大抵の物は増やせるんだった。核も増やせばいいんだ。忘れてたわ!あー恥ずかしい!
「私は港町に行ってまずね」
その後2時間位かけてワイバーンゴーレムを10体作り試運転に立ち会い1日が過ぎた。
次の日
港町に行くとミーミルちゃんが魚の買い出しをしていた。この子が生クリーム以外を買っているのを初めて見た。きちんと外務大臣している。
「あらセイ様もう仕事は終わったんですの?」
「うん。仕事は終わったから次は趣味の時間なの」
「?」
「暴風龍!海にそーっと潜ってあの戦艦の残骸を持って来て」
「ギャオギャオー!」
ザッバーン!
もう!そーっとって言ってるのに!おかげでびしょびしょになってしまった。だが1時間もすると浜辺は戦艦の残骸でいっぱいになった。うん!これくらいあれば暴風龍がたくさん出来るわね。
「セイ様いったい何を作るつもりなのですか?」
「うん。暴風龍を追加で作っておくつもりなの」
「戦いの準備ですね?出来たら海の拠点を作って欲しいですわ」
「あー拠点ねえ。あった方がいいか」
私は拠点の事を頭に入れながら暴風龍を2体作った。全部で3体になったのでちょっと賑やかになった。
「ギャオー!」
「ギャオギャオー!」
「ギャギャオー!」
「みんなで鉄を集めて来てください!周りが壊れるからそーっと動いてね」
「ギャオー!ギャオギャオー!ギャオーギャオー!」
半日すると鉄の残骸が山のように集まった。拠点を作るといってもなー浮島にするにはどうしたらいいのかな?
それよりあの戦艦はまだ形を留めている物が3隻はあるから穴を塞いで戦艦の複製を作ろう。
こっちの方が簡単だわ。1隻作ったら夕方になってしまった。あとはまた明日にしよう。
次の日
朝から戦艦を作っている。元々あった物を復元しているだけだからあんまり頭は使っていない。
午前中 いっぱいかけて2隻の戦艦が完成した。よく考えたらうちの国には船なんか扱える人は誰もいなかったわ。
やっぱり拠点を作ろう。ゴーレムなら形は自由に作れるから巨大なゴーレムにしよう。
形は何がいいかなー?私達が乗り込むから大きな亀さんにしよう!亀さんなら海なら泳げて陸なら歩けるからいいんじゃないかな。
金属はたくさんあるから大きく出来る。土台の亀の腹の部分を作ったら魔力が切れてしまった。近くのホテルに泊まり何日かかけて作る事にした。
次の日に魔鉱石を取りに行き巨大な亀を海岸で作っている。頭を作り魔力が切れる。次の日前足を作ったら魔力が切れた。こうして10日目にやっと巨大な亀が完成した。
大体の大きさは縦200メートル横100メートルといった所だ。主な活動場所は海なので海亀に似せて作ってある。
甲羅の上の方は人間が入れる居住区になっている。50メートル四方の広さが取れた。
甲羅の下の方からはワイバーンゴーレムが格納出来るようにしてある。10体収納出来る。
亀の口には魔導砲を取り付けてある。私が乗り込んでいるので魔導砲も撃てるようになっている。
何か拠点と言うより要塞になっているような気がする。
「10日もかけて何を作ってるかと思ったら、あんた世界征服でもする気なの〜?」
「いやー敵にやられないようにしようと考えていたらこうなっちゃいました〜」
「まあ用途や形はどうあれ海の拠点ができたことは嬉しいことですわ」
これで海を渡れるわね。どんな大陸や島があるか楽しみだわ。
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