第100話□帰る方法
ついに100話になりました。よろしくお願いします。
大体何処に行っても派閥に別れて争っている。魔族っていうのは本当に戦うのが好きだねー。
1週間が経ちおかげでこちらはどこに行っても重宝される存在になった。私が参加した方がだいたい勝ってしまうからだ。
しかし私も参加するのは子爵級悪魔位までにしている。伯爵級だとあのビキニマッチョオカマ位には強くなるから戦いになった時面倒だからだ。
あの赤い宝石のお金の価値もよく分かった。赤い粒1個で銀貨1枚程度の価値になる。鉛筆位だと銀貨20枚ってところだ。
赤い粒1個でかなりいい宿に一晩泊まれる。今の所持金は鉛筆が50本と半分が115本と粒が500個ある。私ってどこに行っても生きていけるのがよく分かったわ。
しかしいろんな人に聞いてみたがここから地上に帰る方法については全く手がかりがない。
と言うか聞いても何言ってんのっていう顔で見られる。この世界の他に別の世界があるっていう事を知っている悪魔はあんまりいないみたいだ。やっぱり偉い奴に聞くしかないのかもしれない。
「おいセイ!お前の噂を聞いて悪魔大王アバドン様がお呼びだ。ついて来い!」
悪魔大王アバドン?大王って言うからには王より上なんだよね。そうしたらあの我輩って奴より強いのかな?これは気をつけないといけないわね。
さすが大王っていうだけあって大きな城に住んでるわね。子分もたくさんいるみたい。
通された先のでかい椅子に座っていたのはゴツい甲冑じゃなくて甲虫男だった。頭は人間みたいだけど2本の触覚が生えいて黒い髪が生えてる。しっぽがあってサソリみたいだ。背中に羽があるから飛べるらしい。身長は3メートルぐらいかな。
「お、お前がセイか。何で人間がここにいるのだ」
へえーさすが悪魔大王だね。私のことを人間だって言い当てたのは こいつが初めてだわ。
「よく分かったわね。それで何の用なのかな?」
「お前腕が立つようだな。俺の部下になれ!」
「悪いけど私は人間界に帰りたいのよ。帰り方を教えてくれたら多少は仕事を手伝ってもいいわ」
「フフフ面白い奴だな。なかなかの自信だ!よし!まずはこの者と戦って勝ってみよ!さすれば帰り方を教えてやろう」
出て来たのは全身甲虫のバッタ男だった!身長2メートルほどで両腕に剣を持っていた。
「分かったわ」
大王の前で戦うことになった。周りには大王の部下が30人ほどで見ていた。
バッタ男が2本の剣を振り回して こちらに迫ってきた。こいつも戦力なら殺しちゃまずいかな。ホーリーウェポンで対抗した。
10本の大剣を目の前にしても相手は構わず突っ込んできた。なかなかの勇気だとは思う。
ガインガインガイン!
「うっ!」
大剣10本で相手を抑え込んで勝負は私の勝ちだった。
「うーん、なかなかの腕だな。よかろう!帰り方を教えてやる!転移魔法が使えれば帰れるだろう。ただし魔力が持てばだ!」
なるほどね。私は転移魔法は使えないけど転移の羽なら持っている。魔力もたくさんあれば何とかなるのかもしれないわね。
「ありがとう。約束通りあなたの仕事を手伝ってから帰るわ」
「うむ、俺は今悪魔公爵ベールと戦っている。だがこいつがなかなか手強いのだ。 だからお前に倒してもらいたい!もちろん倒せれば金もやろう」
「分かった。戦って来るよ」
何で大王が公爵と喧嘩をするのに助っ人を頼むんだろう?分からないわ。何かあるんでしょうね。
私は悪魔大王の部下500人とともに悪魔公爵ベールの城に向かった。
城の前にはカエル兵士がたくさんいた。完全な巨大ガエルもいるし 人間の体で頭がカエルになってるのもいる。なるほどバッタとカエルじゃカエルにはかなわないんだ!
私は陽動としてドラゴンゴーレム5体とサイクロプスゴーレム10体と地竜ゴーレム10体を城の前から攻めさせた。ほとんどの悪魔大王の部下はゴーレムの後ろに控えて好機を狙っているようだ。
私は少数の悪魔たちと一緒に城の脇から中へ忍び込んだ。派手におとりが暴れてくれているのでみんなそちらの方にかかりっきりになっている。
本陣には悪魔公爵と数名がいるだけだった。悪魔公爵ベールは巨大なカエル人間だった。一応2足歩行のようだ。しかし身長5メートル位はある。でかい奴だな。
「ホーリークレイドル!」
催眠魔法で護衛を眠らせてやった。すぐに私についてきたアバドンの部下が相手を殺していった。さすが悪魔!容赦ないわね。
悪魔公爵ベールには催眠魔法は効かなかった。すぐに口から毒を飛ばして来た。プロテクション3層にかかりブクブクと溶け出した。すぐに解除してもう1回プロテクションを張り直した。
さすが悪魔公爵ね。何ていう毒なのかしら!どんどん毒を飛ばしてくるので私はよけるしかなかった。
プロテクションを体の周りに張り前面にも張った。そして消滅魔法を放つ!
「ストロングバニッシュ!ストロングバニッシュ!ストロングバニッシュ!」
相手の腹に大穴が空いた。しかし構わず毒を放ってくる。こいつ腹に穴が開いてるのに痛くないのかな?
私はプロテクションを張り直し消滅魔法を撃つ!事を繰り返した。
体に大穴が5つほど開いたらさすがに痛かったのか毒攻撃が止んだ。動きも鈍くなっている。
こんなでかい奴どうやってトドメをさしたらいいのよ!大剣でもだめそうだしやはり消滅魔法を撃ち続けるしかないかな。
「ストロングバニッシュスピア!ストロングバニッシュスピア!ストロングバニッシュスピア!」
完全に動きが止まったと思ったら悪魔大王の部下たちがひょいひょいと前に出て行って剣で滅多刺しにしている。
うわーもう体中から血が流れている。これで終わりかな。部下達は相手の首を取っているみたいだ。まるで戦国時代だな!仕事は終わったので私はゴーレムたちを引き連れて悪魔大王のところへ帰って来た。
「約束は果たしたわよ!トドメはあなたの部下たちが刺したけどね」
「ご苦労だった。これを受け取れ」
大きな袋を投げてよこした。これはお金かな?ん?悪魔大王の側近の中に殺気を放ってる奴がいる。これは私を始末してしまおうというつもりかな。大王はすぐに止めたようだ。
「それじゃあこれで失礼しますね」
私は大王の前から立ち去った。
「大王何故止めたのですか?」
「バカ者!お前ら死にたいのか?」
「え?そんなにやばい奴なんですか?」
「信じられないなら襲ってみるといい!確実に殺られるぞ!」
「···········う、わかりました」
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