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第10話□王都脱出

まだ夜7時だから魔道具屋さんも開いてるだろう。冒険者の格好で家から5分ぐらいのところにある魔道具屋さんに向かった。


魔道具屋さんは大通りにあったのですぐに見つけることができた。なかなかに大きな店だ。杖はたくさん飾ってあったのですぐに見つけることができた。


どうも魔法使い用とかプリースト用とか種類はいろいろあるようだ。杖を使うと魔力を十分に活用できるようだ。長ければ長いほど強力な魔法が撃てるらしい。更に杖の頭のところに大きな魔石が入っている物は効果を強めることができるらしい。プリースト用の杖は是非とも欲しいが魔石が入ると金貨10枚を超える。今回はこれから旅立つのだから余計な出費は控えたい。魔石なしの杖を買っておこう。


何の金属かわからないけれども杖の周りに巻かれているものは魔法がある程度は強化されるようだ。今回は1メートル50センチぐらいある銀が巻いてある杖を金貨1枚で購入した。


帰ろうとしたら髪染め用の瓶を発見した。魔力がある人ならば使えると書いてある。これも購入していこう。銀貨3枚だけどいい買い物だわ。数滴頭に垂らして、あとは魔力を通せばその人に合った色に変わるようだ。魔力が尽きなければ髪の色は変わらないということね。


もう治癒院には戻らない。だからホテルに泊まることにした。夜8時だし、お安いホテルは空いていないだろう。少し高めだが大通りにある銀貨2枚かかるところに泊めてもらうことにした。


鏡の前で頭にさっきの薬を数滴たらして髪の毛の色を変えてみた。すぐに効果は現れて私の髪は銀色になった。あれ眉の色も変わった!


「うわー綺麗な髪ね。気に入ったわ」


これなら私がセイアだって分からないでしょう。うふふふふ。だけどこれ別な意味で また目立ってしまうのではないかしら。


このホテルは部屋にはお風呂はないが大浴場が設置されている。そちらでお風呂に入ってくることにした。


他にもお客さんはいたがやっぱりこの世界の下着は可愛くない。私だけかと思ったが みんな かぼちゃパンツを履いている。ここは王都なんだけどやっぱりこれしかないのね。


帰りにフロントで南の町ビオラ行きの馬車は何時に出るのかを聞いてみた。朝8時に出発する便があることが分かった。 これに乗って移動しよう。


王都の南で大きな町と言ったらビオラになる。ここからは馬車で5日かかるらしい。5日かかるということは その間はどうするのだろう。どうも野宿するようだ。テントはホテルにも売っていたので買っておいた。


これから追われる身となるのだがホテルのベッドが寝心地良かったのでぐっすり眠ってしまった。


朝起きて朝食を取り、お弁当を買い食料も買い込んでホテルを出た。髪はポニーテールにしている。何か本当に別人みたいな気がするわ。


乗合馬車はビオラの町までは銀貨 5枚で行けるようだ。早速お金を払って馬車に乗り込んだ。この馬車は12人乗りのようだ。 いっぱいになったら出発するみたい。


今は8時20分だけど ようやく出発するみたい。なぜ時間がわかるかと言うと大通りには時計が設置されていたのだ。


この場所?馬車には私以外は行商人が3人、親子連れが2組6人、若い夫婦が2人乗っている。みんなビオラの町を目指しているらしい。


この馬車は馬2頭で引いている。2時間ほど走ると30分休憩する感じだ。もちろんこの馬車1台で走ってるわけではない 。馬車は5台 あってその先頭には護衛の馬車がいる。やはり王都の近くであっても治安はあまり良くないらしい。


馬車は5台いるしみんな一緒に進むので時速10キロぐらいだとしても1日の移動距離は40キロというところかな。ガタゴトガタゴト音がしていてお尻が痛い。


私は親子連れの子供達と話をして仲良くなった。マールちゃんは6歳で王都の親戚の家に遊びに行った帰りのようだ。キース君は7歳で家族旅行の途中のようだ。


「お姉さんは冒険者なんでしょ?」


「そうよ。まだ駆け出しだけどね」


「武器は持ってないの?」


「私は回復職だからね。杖ならあるわよ。キース君がもし怪我をしたら治してあげるわよ」


「ふーん」


「お姉さんきれいねー。お姫様みたい!」


「そう?ありがとう。マールちゃんも可愛いわよ」


こんな風に和やかに馬車の中では過ごしていてそれなりに楽しかった。午後4時になり野営ポイントに到着した。広くなっている場所があり ここで それぞれがキャンプをする形になる。


私はテントを張ったらポーションを作ろうと思う。いつ何が起こるか分からないし何もなければビオラの町で このポーションを売ればいい。


特級ポーションを20本、上級ポーションを20本、中級ポーションを60本作ることができた。薬草はあと100本ぐらいしかない。 この量ならあと1回作ったら終わりになる。そろそろ薬草を補充しないとだめね。


「お姉ちゃん何をしてるの」


「ああ これはポーションを作ってるのよ」


「ポーション?」


「怪我をした時のお薬よ」


「ふーん?ねえ一緒にご飯食べない?」


「いいわよ」


マールちゃんの家族とご飯を食べる事になった。私はホテルで買っておいたスープをマジックバッグから出して持って行く事にした。


マールちゃん一家は干し肉とクロパンを食べていた。やはり旅行中はきちんとした食事などは無理なようだ。 私もマジックバッグの存在を悟られないように気をつけなければならない。


「これは凄いですね。作ったんですか?」


「ポーション作りと一緒に火にかけておいたんですよ」


「ありがとうございます。 暖かい 食事なんてできるとは思わなかったんでびっくりしました」


私はマールちゃん一家から干し肉をいただいて食べてみた。スープにつけて食べたがなかなか歯ごたえのある食べ物だった。


この後はテントで各々で過ごして眠ることになった。この広場には60人の人がキャンプをしている。 それを10名の冒険者の皆さんが守っている感じだ。交代で見張りをしてくれている。


そろそろ教会の方も私が来なかったから騒いでるかもしれないわね。これからは教会の追っ手がかかるでしょう。



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