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ネットアイドルの配信を手伝っていたマネージャーの俺、なぜかバズってしまう  作者: 木嶋隆太


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 日曜日。

 午前中は雑誌のインタビューを受けてきて、午後からは『和心クラン』とテレビ撮影の打ち合わせだ。

 まだ打ち合わせの段階ではあるが、今回に関してはテレビの撮影になるため澪奈も一緒にいたほうがいい。


 テレビ撮影の打ち合わせに関しては、基本的に一対一での話し合い形式だ。

 そのときのゲストに合わせ、多少対応は変わるが基本的には同じである。


 四大クランの一つ和心わごころクラン。

 まだ迷宮や冒険者という言葉が正式に決まっていないときに出来上がった最古参のクランだ。


 クランリーダーは代々引き継がれていき、現在は三代目となっている。

 和心クランは、混乱していた日本において真っ先に救助活動を開始していったクランだ。


 そして現在は、三代目となったクランリーダーは自分の活動の幅を広げるために現在は番組までも持っている。

 番組名は、「わごころ冒険者タイム」というもので、人気を集めている冒険者の紹介をすることが目的のチャンネルだそうだ。

 それに合わせ、自分たちのクランの宣伝もするというのが目的だ。

 注目されている冒険者を紹介し、実際に和心クランの冒険者と模擬戦を行うなどして冒険者と同時に自分のクランを紹介する。


 ……この番組に呼ばれていたのは澪奈と俺だ。


 ……クランリーダー穴倉要あなぐらかなめの能力は、Aランク相当だと聞いている。

 ほかの四大クランリーダーがすべてSランク冒険者がリーダーを務めているなか、和心クランだけはAランクだ。

 それでも、四大クランの中でもっとも規模が大きいのは、それだけ活動方針に賛同している人が多いからだろう。


 和心クランの活動は警察や自衛隊たちのように、緊急時の民間救助を主としている。

 困っている人たちに手を差し伸べる。それが彼らの活動方針だ。

 サムライクランも警察と連携しているが、あちらは犯罪者の取り締まりのほうが重要視されている。


 打ち合わせを行うのは実際に撮影を行う、『和心クラン』の本社だ。

 和心クランは自前のクランビルに、この番組専用の撮影場所が併設されている。

 実際に戦闘などを行う場面の撮影を行うこともあるため、訓練用の道場が併設されているそうだ。


 事前に調べていた情報を確認しながら、受付にて話をすると、エレベーターから男性の二人組が下りてきた。

 男性は三十半ばほどの人だ。

 爽やかなイケメンであり、その容姿からたびたびアイドルのように扱われているのは俺でも知っている。


 ……澪奈が目指すべき立ち位置として一つ参考にできる人だ。

 にこやかに振る舞っている彼は――和心クランのリーダーを務める穴倉さんだ。


 どこかのアイドル事務所に所属しているような見た目ではあるが、その体から放たれる威圧感はすさまじい。

 ……まあ見た目に反して、というのであれば俺たちもそうか。

 穴倉さんの隣にいる190cmを超える巨漢の男性は……獅子原源太ししはらげんたさんだろう。

 和心クランを知らべれば、獅子原さんの名前はすぐに出てくる。


 ……和心クラン、最大戦力と言われているのがこの獅子原さんだ。

 年齢は穴倉さんと同じく三十代だったはずだ。

 Sランク冒険者としての評価を受けていて、剣と盾を基本としたタンク兼アタッカーを務める人だ。

 筋骨隆々の体はステータスが影響しているのではなく、トレーニングが趣味だから何だと思う。


 ……打ち合わせでは、てっきりもっと立場的に下の人が来るのかと思っていたが、まさかクランリーダー自ら来るとは。

 俺たちを警戒してか、あるいは俺たちに対して敬意を払っているからなのか……。


 俺としては……好都合だった。

 この撮影を澪奈がうけたときから、俺の目的はただ一つ。

 ――Sランク冒険者のステータスを見ることだ。


「お二人とは初めましてですね。和心クランのクランリーダーを務めています、穴倉要と申します」

「サブリーダーを務めています、獅子原源太です。よろしくお願いします」


 すっと彼は名刺を差し出してきて、俺たちも自己紹介をし、俺は持っていた名刺を交換する。

 その際に、俺は二人のステータスを確認した。


 穴倉要あなぐらかなめ レベル40 筋力:71 体力:103 速度:78 魔法力:204 器用:81 精神:98 運:86

 ステータスポイント:20

 スキル:【火魔法:ランク9】【水魔法:ランク7】【魔法力強化:ランク10】

 装備:【フレイムワンド】【フレイムワンド】【フレイムワンド】【マジックコート】


 かなり、能力は高いな。

 魔法力が高いのはスキルのおかげと装備品だろうか? フレイムワンドがそれぞれ魔法力を強化しているし、さらに火魔法強化のスキルがついている。

 ……穴倉さんの能力はAランクだったな。


 これで……Aランクか。正直な感想としては、少し低いのではと思ってしまった。


 はっきりというが、彼一人でウォーリアリザードマンと対面したら成すすべなく死ぬのではないだろうか。

 もちろん、Aランクの中でもSランクに近いAランクもいれば、Bランクに近いAランクもいる。

 穴倉さんだけで、Aランクの能力を判断することは難しいな。



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