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「それじゃ、一通り質問に答えたけど……今回いくつかＮＧな質問も来たから、それに関しての紹介」
〈ＮＧ？ やっぱ変な質問きたのか？〉
〈大丈夫なのか？〉
「ちなみに、ＮＧ質問はすべてマネージャー相手の質問として処理したから。そういうわけで、マネージャー。この質問に答えて」
そうして澪奈が出した質問を、俺は頬が引きつりながら読まされることになる。
「……おっぱい大きいですね、吸いたいです。……これ、俺への質問ってことで処理するんですか澪奈さん？」
〈草〉
〈やべぇ質問すんなよ〉
〈マネージャーの雄っぱい吸いたいです！〉
〈切り抜きますね〉
……コメント欄が最悪だ。澪奈もくすくす笑っているが、質問箱の処理をしているときもこのことを考えていたのかもしれない。
「うん。マネージャー、どう？」
「……吸わせません。そういうお店に行ってください」
「マネージャーに質問です。そういうお店とはどういうお店でしょうか？」
「その質問今作りましたよね？ ノーコメントで」
「では、そういうお店の利用履歴はありますか？」
「ありませんって、さっきから質問増やすのやめてもらえます？」
「まあ、こんな感じでＮＧの質問はマネージャー宛にしちゃいますので」
〈草〉
〈これだとセクハラ発言しまくると阿鼻叫喚になるな……〉
〈むしろ盛り上がるだろ〉
〈大丈夫？ これマネージャー目当ての質問増えない？〉
……それに関しては想定外なんだが？
これに関してはコメント欄が悪ノリしているだけだと思いたい。
……マジで増えたら、次はもうすべて無視するという方向にしよう。
「あと、私が個人的に用意した質問箱にマネージャーに関するのもいくつかあったから聞いてみます」
「……え？」
〈期待〉
〈マネージャーにも聞きたいこと色々あったしなぁ〉
……聞いていないんだけど？
そういえば、午前中俺がレベル上げに行っている間澪奈はついてきてはいたがスマホを弄る時間が多かったな。
もしかしたらそのときに質問を集めていたのかもしれない。
「それじゃあ、一つ目。武術は習っていたんですか？」
……まあ、このくらいならいいか。
「習ってません。魔物たちと戦っていく上で、慣れていった感じです。あとから切り抜きとかでめちゃくちゃ解説されていて、正直恥ずかしいくらいです」
「だ、そうです。次の質問は、恋人はいますか？」
「特にいませんね」
「なるほど」
〈立候補します！〉
〈私も色々つくしますよ！〉
「マネージャー、コメント欄が盛り上がってるけど、どう？」
澪奈さん？ ちょっとだけ圧力あげるのやめてもらっていいですか？
「……今は生活の基盤を作るのに忙しいので、考えてないですね」
〈切実やん……〉
〈そういえば無職だっけ？〉
〈無職童貞な。間違えないように〉
無職だけでいいからな、コメント欄よ。
恐らく冒険者活動でどうにかなるとは思うが、一応俺はちゃんとした収入がないからなぁ。
そういうのを考えるのはまたあとのほうがいいだろう。
澪奈はこちらにカメラを向けながら、満足げな表情である。
「次の質問は……マネージャーの今後の活動に関してですね」
「俺の？」
「マネージャーがいつもロケハンをしているみたいですけど、その様子を見たいって」
「動画か何かでってことですかね？」
「できれば配信で見たいって。どのくらいそういう声があるのかと思ってアンケートとってみましたけど、八割くらいあった」
ここに関しては事前に打ち合わせしていたので、俺も多少演技を交えながら頷いている。
……ロケハンの様子を見たいという声が多くあり、それは嬉しいことなのだが迷うところなんだよな。
〈超見たい〉
〈でも完全ソロになるんだよな？ 澪奈ちゃんいたらロケハンじゃなくていつもの配信だし〉
〈危険ではあるから、一切トークとかなくてカメラだけ固定して垂れ流し配信とかでもいい〉
〈確かに〉
〈やるなら別のチャンネルでやれ。ここは澪奈ちゃんのチャンネルだ〉
〈ここは澪奈とマネージャーのチャンネルだろ？ そもそもMeiQuberなんだから自由にやっていいだろ別に。俺も見たいです！〉
コメント欄でも好意的な意見が多いな。
アンケート結果通り、八割くらいは肯定的な意見で、二割くらいは反対のコメントか。
……肯定的なコメントに流されてしまっているので、否定的なコメントを見ている余裕がないな。
「私もできるならもう少し配信の頻度を増やしたいけど、それも厳しいから……毎週どこかでマネージャーが何かしらの活動をしてくれて、私の近況報告とかしてくれると助かるかも。視聴者も、一週間経つたびに不安に感じている人もいるみたいだし」
〈それはそう〉
〈Twotterとか見てるけど、それはな……〉
〈冒険者で強いのも分かってるけど、やっぱり事故はあるしな……〉
……なるほどな。
まあ、コメントにもあったがMeiQubeは自由だ。
……挑戦してみて、ダメそうならなくせばいいか。
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