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「マネージャー。早速で悪いんだけど、ステータスの割り振りをしたい」
「決めたのか?」
「うん。筋力と速度を中心に割り振っていこうと思う」
「そうか」
澪奈のステータスを改めて確認する。
神崎澪奈 レベル15 筋力:13 体力:8 速度:13 魔法力:15 器用:9 精神:9 運:9
ステータスポイント:62
スキル:【氷魔法:ランク3】【剣術:ランク1】【銃術:ランク1】
装備:【なし】【なし】【なし】【なし】
前よりも成長しているのだが、ステータス全体が強化されているわけではない。
戦闘で使っている部分に、少しずつ割り振られている感じだ。
今のステータスをメモして澪奈に見せると、彼女は数字の入力を行っていく。
「こんな感じで割り振ってもらってもいい?」
「分かった。それじゃあちょっと触れるな」
「う、うん」
澪奈が手を差し出してきたので、その手を握る。
澪奈の頬が徐々に赤くなっていき、俺はその間にステータスを割り振っていく。
筋力+25、速度+25、器用+12だ。
その結果、澪奈のステータスがこうなった。
神崎澪奈 レベル15 筋力:38 体力:8 速度:38 魔法力:15 器用:21 精神:9 運:9
ステータスポイント:0
スキル:【氷魔法:ランク3】【剣術:ランク1】【銃術:ランク1】
装備:【なし】【なし】【なし】【なし】
ここにさらに、澪奈にはロングソードとハンドガンを装備してもらうことになるので、もう少し実際のステータスは高くなる。
……強いな。
ステータスポイントと装備で補っている俺と同じくらい強くなっている。
これまで澪奈は細々とであるが冒険者として活動していた。
それに追いつけるくらい成長しているだけ、俺だって負けてはいないだろう。
「澪奈は、【剣術】主体で戦うってことでいいんだよな」
「そっちのほうがソロだとやりやすいし。【氷魔法】は溜める時間が必要で、やっぱり隙が大きいから」
「なるほどな」
【氷魔法】は確かに強いが協力者が不可欠だ。今の澪奈だと使い勝手はあまりよくないだろう。
中距離は【銃術】で、近距離は【剣術】で戦ったほうが確かに使いやすそうだ。
「それに、筋力あげていかないと既成事実を作るときに押し倒せないから」
「やめろよ? 紙面に載るようなことは」
「それはマネージャー次第」
……俺も、もっとレベルをあげたほうがいいかもしれない。
ステータスの割り振りが終わったところで、澪奈がこちらにカバンを向けてきた。
「あとマネージャー。武器と装備を買いたい」
澪奈がさしだしてきた鞄には、ざっと見ても百万を超えるお金が入っているようだった。
「……おまっ! 現金を鞄に無造作に入れるんじゃない! ……でも、いいのか? これまで澪奈が稼いできたお金だろ? 他のことに使ったほうが――」
「私も本気で冒険者活動頑張りたい」
「……」
冒険者の数が増えたとはいえ、まだまだトップ層の冒険者で配信を行っている人は少ない。
他の人に自分の情報を公開したくない人はもちろん、そもそも迷宮内で生放送や撮影を行うのは危険だからだ。
現在よく生配信を行う人でもDランク迷宮くらいまでだ。そんな人たちに並ぶほどの活躍ができれば、おのずと注目も集めるだろう。
「だから、ここに二百万持ってきた。確か、売っている商品で一番高額なのがほしい」
「それは、分かったけど……この前スキルブックが入荷されたからもしかしたら今後品ぞろえは増える可能性もあるぞ?」
「スキルブック?」
……この情報は澪奈には伝えていなかったな。
「ああ。新しいスキルを持っているゴブリンが出るんだけど、そいつ倒したら入荷したんだ。今後、もっと高レベルの魔物とか倒したら新しく入荷される可能性はある」
「そのときは、また買い替えればいい。今の装備品も半額くらいでは売れる?」
「……そうだな」
「それなら、新しくいいの入ったら今の売ればいい。RPGと一緒」
……確かに、そうだな。
最悪、澪奈の装備を俺が譲ってもらうとかもできる。
「分かった。それじゃあ、本当にこの金で装備を買っていいんだな?」
「うん」
澪奈の言葉に頷き、俺は彼女から二百万円を受け取り、ゴールドに変換する。
……貨幣ってそれぞれに番号が割り振られているが、こうしてショップで換金してしまって大丈夫なのだろうか? とかはちょっと考えていた。
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