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サタデーナイト山田の愛よ、永遠に  作者: 小説家ますぅ
サタデーナイト山田は山がだーいすき!編
4/32

おぱぅ魂

 サタデーナイト山田は約数ヶ月ぶりに山を降りることになった。圧倒的に不本意な様子である。


「私には行かなきゃいけないところがあるの! いいからついてきて!」

「何でお前そんな急にそんなこと言うねん……! 俺の生き甲斐は山なんだよ、行くならお前一人の力で行けや!」


 と、強く反論した。サタデーナイト山田は山あってこその強さである。山を降りただけで気力も体力も半分になってしまう。最強を誇る豪烈覇斬拳も、山田の気分が乗らないだけで強さが半減してしまう繊細な拳なのだ。


 だからたとえ愛した少女の頼みでも、聞くわけにはいかない。


「どうしてもだめなの? 私にはあんたの力が必要なのに……」


 スペードは悲しい顔になる。そして次第に目には涙が浮かんできて、頬も赤く染まる。


「そ! そんなこといわれてもダメなものはダメなんだぞ!!!!!!!!(クソうるさ大声)」


 山田はあまりのスペードの可愛さとスペードの願いを受け入れない罪悪感でついつい死ぬほど大きい声で拒否してしまった。それがスペードの涙腺にトドメを刺してしまったようだ。


「ふぇええええあああああああ!!!!ぶぇええぇぇええっへっへぇええ゛え゛ンンンンッッッ!!! ンンンンンンンン!!!」

「いやお前の泣き声の方がうるさくて草生える。ごめんよごめんよ……」


 スペードの思ったより可愛くない泣き方に可愛いと思う感情は少しだけ引っ込んだ。山田は必死で宥めた。


「分かった分かった。戦闘力は半分になるけどまあ大丈夫だろ、……着いていくよ。」

「ホント!? ありがと!」


 スペードはその了承を聞いて山田に抱きついた。さっきまでの涙はどこに行ったのか。もう完全に迫真嘘泣きだったっぽい。でも山田の頭はそんなこと考えていないのだった。


 今なら山から降りても強さが変わらない気がする、と思った山田なのであった。


 一方その頃、山田のいる山を降りたところにある朽ちた村では……


「この村、タツゴト村とか言ったか……? 食糧も無ければまともな家も無い、伝染病も持ってる、とんだゴミだな!」


 と言っているのは、ジョーカー率いる組織『スクリーム』の四大部隊一つ、東方部隊の大隊長クローバーである!


「それにしてもスペードの情報がほぼ全くねぇや……村人全員勢いで殺しちまったけど情報聞いとけば良かったな……」

「クローバー様! 怪しい二人組が近づいてきます。そのうち一人は恐らくスペード様かと思われます!」

「なにィ!? カモがカモ背負ってやってきたぜ……!」


 意味分からんことを言っていると、ちょうど山田たちも下山を完了したところだった。


「はぁ〜、……もう山じゃないとやっぱりげんなりする……。ポケモンのフォルムチェンジぐらい変わっちゃうよ」

「そんなこと言わない! いつものムキムキのフォルムよりもちょっとイケメンになってるんじゃない?」

「いやそれは絶対無い(謎の否定)」


 せっかくスペードが励ましてくれたのを何故か全否定して、山田は振り返った。


「最後の山の空気だ……! しばらく味わえないからしっかりと味わっておこう」


 山田は腕をいっぱいに広げて、深呼吸をした。腕を伸ばすと元々デカい身長がさらにデカく見える。ちなみにサタデーナイト山田の身長は二メートル越えでめっちゃ筋肉質な感じです。最強!


「目的地は近いわ……。あんたがまだ元気なうちに行きましょ」

「ホィメァオゥ!」


 山田は何故かクセが強いヘイホーの真似で返事をした。

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