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サタデーナイト山田の愛よ、永遠に  作者: 小説家ますぅ
サタデーナイト山田は山がだーいすき!編
3/32

なんか謎の黒い組織が動き出したぜ!!!

 老人の手帳にはこう書いてあった。


 リンゴ、ソメトキの実、ヌトーの花。


 リンゴ以外は聞いたこともない植物だ。山田もスペードも困惑する。


「何だこれ、あぁ、多分これか。」


 山田は拾った食糧の中から恐らくこの三つの植物と思しきものを見つける。ソメトキの実というのはこの小さな赤い実のことで、ほとんど潰れてしまっている。ヌトーの花は黄色くて可愛らしい花だが、しおれてどうしようもない。


 手帳の続きには、リンゴとソメトキの実を擦って出た汁とヌトーの花の花弁を混ぜると書いてある。何かのレシピのようだ。


「これは……多分薬のレシピよ。多分」


 スペードは言う。


「何でそんなん分かる?」

「多分って言ってるでしょ特に理由とか無いし分からんわ頭湧いてんのか殺すぞ」


 バチクソ暴言を浴びせられて山田はしゅんとなった。二人は手帳を見る。レシピのあとはしばらく何も書かれておらず、最後のページまで辿り着く。


 私は恐らく生きて帰っては来れないだろう。この世紀末の世は強い者でないと生き残れない。もし、私の死体を見つけてこの手帳を手に取った方がいたならば、タツゴト村というところにいる私の孫ナツに薬を作ってやってほしい。


 という恐らくこの手帳の持ち主である老人の文字と、もう一つ。


 おじいちゃんがんばって

 ぼくは生きているよ


 と子供の文字で書かれてある。手帳はこれで終わりだ。


「なんか想像より重いおじいちゃんで草生えるわ。まあどうでもいいけどな!」

「タツゴト村ね、まあ覚えておきましょ。」

「いやまあ別に行ったとしても絶対に助けないけどな!」

「あんたの拳法とやらでどうにか出来ないの?」

「この俺の拳は人を殺すためのものだからね。そもそも拳法は人を救うんじゃなくて殺すもんなのですよ」

「ふーん」


 二人は結局手帳をその場においてゆき、リンゴをかじりながら再び山を歩いた。


「ねえねえ、私のことどう思う?」

「え?」


 スペードが急にそんなことを言い出すので、山田は少し考えた。


「なんだろ、なんか不死身って意味分からんくてすごいと思いました(語彙力うんぴ)。あとは……まあ分からん。」

「へぇ」


 山田は正直言ってスペードにゾッコンラブなのである。(世界一ダサい表現だけど俺は好きゾッコンラブ)自分ではあまり気が付いていないようだが、スペードのことが気になって仕方がない。


「そ、そういうお前はどう思ってんだよ!」

「うーん、なんか強い以外は全部普通で正直つまらんやつかなって思いました。」

「フッ、まあな(素直)」


 図星なので山田は謎にカッコだけつけて早歩きした。


 *


 一方その頃、世界一高い山、富士山の頂上に建てられた巨大な塔では……


「ジョーカー様! 東方部隊の支配下にある盗賊どもが、何者かに襲撃された模様です。」


 なんか部下っぽいやつがなんかボスっぽい黒いマントのやつに報告していた。


「それがどうした。」

「それが、全員一撃でやられた様子でとんでもないぐらい強いっぽいんです! しかも……」

「しかも、何だ。」


 部下は一息置いて


「何故かスペード様が一緒に行動しておられるのです……」

「スペードだと……!」


 ジョーカーと呼ばれた黒いマントの男はスペードの名を聞いてものすごい驚いていた。ジョーカーはすぐさま立ち上がり、王座の間的な場所から出ようとする。


「ジョーカー様、どこへ……!」

「スペードの元へ行く。東方部隊と合流するぞ!」


 ジョーカーは地上五千メートルぐらいの高さから飛び降り、東へと向かった。

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