世紀末の美少女
「サタデーナイト山田は登山が大好き! 俺はこの山の頂上、標高三億メートルまで登ってやるぜ!」
男は山を歩いていた。男の名はサタデーナイト山田、本名だ。ちなみに実際は三億メートルもないのだが山田はアホなのでそう発言している。
山田は色々な山を登ったり降りたりする生活をもう数年は続けている。
この世界では命の価値がものすごく低い。それはそれはもう笑っちゃうぐらい低い。このアホのサタデーナイト山田ですら、こんな殺伐とした世の中になってしまってから一年も経っているのにめちゃくちゃ元気に生き残ってるぐらい強い。人間を殺した数は軽く五万を超える。
「まあねこんだけ殺してたらもう何も感じないのですよ。俺の特技は人殺しだぜ!」
意味分からんことを言いながら山を歩いているその時。
「ふへへ、テメェ持ってる食いもんよこしな!」
「うわーたすけてー(棒)」
山田の目の前で盗賊に襲われている女の子がいた。女の子は恐怖に畏怖したこの世のものとは思えない絶望の悍ましい声をあげて助けを求めている。
「お前は終わりだッ!! シッネッ!」
「そうはさせん! シェアァ!(ウルトラマン)」
山田は盗賊の前に仮面ライダーさながらのポーズで(しかし掛け声はウルトラマン)着地し、盗賊の前に現れた!
「何だテメェ、邪魔するならお前も殺してやる!」
盗賊はサーベルを出して振りかぶり、山田に斬りかかった。しかし山田は華麗に避ける。
「フン、無駄だ。こんな世紀末の世になってからこの俺が我流で開発した拳法、『殺鼠剤のことをさっちゅうざいって読むうんこみたいなやつを一生甘やかしてなでなでしてあげたい拳』、略して『豪烈覇斬拳』! 打ち破れるわけがないのだ!」
「な、何イイイーーーー!」
山田は豪烈覇斬拳の構えをする。山登りで鍛えられた鋼鉄のような筋肉がとてつもない速さで躍動し、盗賊の身体をまるでだるま落としかのように横一線に吹き飛ばした。
「フハハハハ……この俺に勝てるやつはいない! ん、お前食糧を持っているのか……。」
「あの、助けてくれてありがとうございます。」
助けた女の子はボロボロのワンピースを身につけたショートヘアの年頃の少女で、なんか蠱惑的な魅惑的なそんな感じの魅力を醸し出している。
「まあ俺は助けたとかじゃなくて普通にお前も殺すけどな☆」
山田は笑いながら豪烈覇斬拳でその女の子の首を消し飛ばした。
「目に入った食糧は全てこのサタデーナイト山田のものだぜ! うんぴ!」
「えぇそうね。」
女の子がそっけなく返事した。
「あれお前今首を吹っ飛ばしたはずなんだけど……」
「私、不死身なのよ。」
「いや不死身は草生え散らかしてて草生える」
そんなこんなで何故か最強の男と不死身の女が行動を共にすることになりました。さあどうなる!!