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5.歓迎会~律の憂鬱~

僕は、食堂でレイさんが有朱のパートナーをやると聞いて

はっきり言うと動揺した

幼馴染みで隣にいるのが当たり前だったから

多分周りにはニコニコしてるように見えると思うけど

心の中では、ショックだった

どうしてショックを受けているのか?

今の僕には想像できなかった

部屋に戻ると窓をあけて深呼吸

律・《なんだろう・・・・この気持ち・・わかんない》

実は、有朱の近くを離れて寂しいと感じている

それは、違う意味で寂しい気がした

でも、それを知ると今までと同じように有朱と一緒にいられないかもしれない

それが怖くて気持ちに蓋をする

レイ・《・・・・・》

レイさんの声が聞こえて下を見下ろす

あれって、レイさんと有朱?

覗くのは悪いと思ったけど仲良くしているところを

見ると目が離せなかった

いつのまにか、悔しいのか?悲しいのか、わからない涙が出た

手をぎゅっと握りしめる

心なしか楽しそうな声が聞こえる気がした

窓を閉めると僕は膝を抱えて床に座り込んだ

どうして・・・・僕を選んでくれないの?

幼馴染みという肩書きが今は邪魔に思えて苦しくなる

ノックの音が聞こえる

顔を上げるといつも通りニコニコする

大丈夫、何も変わらない

扉を開けるとコルさんが立っていた

律・《僕に何か用事?》

僕の顔を見るなり

コル・《何かあったのか?》

心配そうな顔をされた

律・《何にもないよ?》

自分の気持ちに気づかないふりをする

コル・《そうだ、お茶会やるんだけど来るか?》

律・《行くよ》

扉を外から閉めるとお茶会へと移動する


意外と近くてびっくりしたけど

いろんな花が咲いてて居心地良さそうだ

有朱・《もう!なんで私のお菓子取るの⁉︎》

先にいた有朱たちは騒いでる

レイ・《はぁ・・・・お子様だな》

有朱・《もう大人だってば!》

ムスッと頬を膨らます

その姿さえ僕にとっては可愛くて仕方なかった

つい、微笑んでしまう

それにしてもいつからこの二人は仲良くなったかな・・・・

胸がチクッと痛くなる

隠すようにチョコケーキを頬張る

律・《有朱、このケーキ美味しいよ》

フォークにケーキを載せると差し出す

ぱくっと口にした有朱の顔がパァッと輝いた

有朱・《わぁ、本当だ!美味しい!》

幼馴染みなせいか気にした様子はない

ちょっだけガッカリする

有朱・《どうしたの?律》

それに気づいたようでじっと見られる

律・《なんでもないよ》

それをレイが無言で見つめていたのを見逃さなかった

手招きされる

律《ごめん、呼ばれてるからあとでね》

少し離れたあたりに立ち止まると話しかけられる

レイ・《お前さ、あいつのこと好きだろ?》

律は首を傾げる

律・《え?》

レイ・《自覚ないのか?》

呆れたようにため息をつかれる

律・《なんのこと?》

この人は僕が怖くて閉じ込めてた思いをどうするつもりかな

レイ・《アリスは鈍感だからはっきり言わないと別のやつに取られちまうぞ?》

律・《僕には関係ないよ・・・・意識されてないから》

俯く

レイ・《好きになって欲しいなら意識させるのが一番だろ》

律・《無理だよ、そんなことできない》

レイ・《出来る出来ないじゃなくやるんだ》

どうしてそこまで言われる必要があるのだろう?

律・《どうすれば好きになってくれるのかな?》

レイ・《デートでもすればいいんじゃないか?》

面倒くさそうに上を向く

律・《うん、頑張ってみる》

レイ・《服装とか気をつけろよ》

レイさんは、お節介だなぁ

ふふっと笑う

レイ・《何笑ってんだ?》

律・《なんでもないよ》

憂鬱な気がしたけどレイさんのおかげで楽しい

まさに気まぐれ猫な感じだな

有朱のことどう思ってるんだろう?

律・《ねぇ、レイさん》

レイ・《何?》

律・《有朱のことどう思ってるの?》

レイ・《危なっかしくて変な女》

眠そうな顔をしながらひどいことをさらっと言う

律・《仲良しなんだね》

レイ・《お前の目は節穴なのか?》

嫌そうな顔をした

律・《頑張ろう・・・・振り向いてもらえるように》

その日から有朱にアタックする日々が始まった

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