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カミヒト戦記  作者: ヒノタケル
6/7

鬼神編 五戦目 神 この世の矛盾なり

 太刀道はツミチハの背後から刀を鞘から抜こうとした。

 最大まで殺気を殺して、直前まで我慢する。

 不意討ちの骨頂を見せつけんばかりに達人の本気を太刀道は見せる。

 スッとその場から消えた後、ツミチハの頭上に太刀道は構えた。

 殺気を出す次の瞬間、あっさりと刀はツミチハの頭の1mmの所にまで来た。

 0.8mm0.5mm0.3mmと全くツミチハは避ける気配がない。

 0.1mmまで来た。

 当たってしまう直前でツミチハの頭上が一瞬何かに変化したのがわかったが、その前に刀が先に直撃して火花でよくわからなかった。

カーン!

 金属がぶつかり合うような音が鳴り響き、

太刀道は後ろに下がった。


 「おい太刀道……なんのつもりだ……」とツミチハは怒りは威厳があり、恐怖を覚えるが太刀道は冷静なまま発言した。

 「ツミチハ。お主は多分この世に存在してはならない存在。故にお主を攻撃したまで。一つ質問させてもらうぞ。何故お主には気配が多く存在する?」と太刀道は言った。

 「それは答える必要は無い」とツミチハはそう言うが、太刀道も神についての真実を知っているらしい。

 「答えてもらうぞ。私は神の誕生の仕方を知っているからな。お主には答えてもらなわければ刀を振るうことになる。」

 「太刀道一体何のことを言ってるんだ?お前は神のことを知っているのか?」とツミチハは流そうとしてくる。

 「神は本来。体があるものと精神だけのものが存在する。体のあるものは神の魂の受け継ぎから。精神から生まれるのは神話などの物語からだ。おそらくどこか有名な神話に出てくる人物だろう。精神から生まれる神は肌の色は人間と変わらないからな。お主の気配が複数あるのは物語の中に真実があるのだろう?」と太刀道が言う。

 「……」

 ツミチハは少し黙った後こう言った。

 「真実を知った所で世界は救われない」

 「どういう意味だ?」

 ツミチハは言った後、町の鍛冶屋に向かった。

 ツミチハのこの言葉は太刀道にとって余計にこの世の理について迷わせる事となった。

 そして太刀道もツミチハを問い詰めることは無くなり、太刀道はただツミチハの後を付いていくだけであった。


 町の鍛冶屋

 「ここが盗賊に襲われた所か」

 鍛冶屋の中を見たらまるで襲われたような雰囲気ではなく、皆何事も無かったかのようだった。

 「あのちょっといい?」ツミチハ近くの職人に訪ねた。

 「どうした?」

 「盗賊の調査しに来ましたぞ?」

 「あ。今親方呼んでくるよ」

 「あざまーす!」

 鍛冶屋の内装は剣や防具などの飾られていたが

何故か鏡や鍋の蓋も飾られている。

 「なぁ太刀道。なんで鏡と鍋の蓋が飾られてんだ?」とツミチハは聞く。

 「うーん……盾代わりに使うのかも?」

 「じゃ普通の盾でいいんじゃないの?鏡とかを盾にするのも正気じゃないけど鍋の蓋とか半狂乱じゃん?」

 「うーん……鏡を盾にする時に相手って鏡のほう見てるから自分の容姿大丈夫ですか?と言う親切心から来てると思う。あと鍋の蓋を盾にする理由は鍋で作る料理を思い出させて想像が膨らむから?」

 「太刀道……本気なのか?」

 「何が?」

 会話をしていると鍛冶屋の親方が来た。

 体はいかつくて禿げていて、なんか見たことあるような容姿の男だった。

 「お!お前らが担当か?俺がこの鍛冶を仕切ってるバーナーだ!」と握手を求めて来た。

 「おら。握手は小指だけにしといてやるよ」そう言うとツミチハは、おもむろに小指を前に出し握手を交わす。

 「おい兄ちゃん?舐めてんのか?」とバーナーがその大きい手でツミチハの小指を強く握るとツミチハはとても痛がった。

 「あ"あ"あ"ぁ"ぁぁ痛いよぉー!!もうやめてくれぇぇぇ!」と悲痛の叫びを上げた後、バーナーはいい気味だと言わんばかりに嘲笑い手を話した。

 「こいつぅぅぅ!俺が神だと知って……」と言いかけたが後ろから太刀道に頭をしばかれた。

パコーン!と音が鳴ると、ツミチハではなくて太刀道のほうがダメージを受けた。

 「う……」

 「何してんの?」とツミチハはどうした?と言う顔で太刀道の方を見た」

 「く……そうか……俺が神と認識してるから……」

 「ハハハッ!面白い奴らだなぁ!気に入ったぞ!」よく笑う人だ。

 「ハハハッ!フフハハハッ!」とても良く笑われるんですね?と言った顔をしようと二人はしたが本心は顔に出てしまっている。

 「ハハハッフフハハハッヘヘヘドュフフフハハハッフフフフ……」と笑いは治まった。

 「じゃ、話……」

 「プハハハハハッ!」とわざとやってるんじゃないかって思うほどよく笑っている。

 ツミチハはとうとう痺れを切らしてぶち切れた。

 「ああぁ!てめぇいつまでも笑ってないで早く襲われた時の話ししやがれぇぇ!太刀道も何か言ってやれよ!」と太刀道の方を見ると突然真剣な顔になった。

 スゥーっと息を吸ってから間を開けてこう言った。

 「トイレはどこにある?」

 「真面目にやれよ!」

 

 話を聞いて……


 「そうか……集団で襲われて神器を奪って行ったってことですか?」

 「あぁ。何故神器を狙ったのかわからないが、普通の人間なら神器を持った所で神には勝てないのに」

 「うん……何か深い糸があって神器を奪ったとか

?」ツミチハは深く考え込んだが結局わからないままでいる。

 「あー!もうよくわからねぇーよ!どっちにしても結局は盗賊を叩くんだろ!?」

 「そうだな……それも出来るだけ早めに……」

 「出来るだけ早めに?どうゆうことだ?」ツミチハは首を傾げた。

 「神器を奪う。その行為は普通の盗賊達が名誉とすることなのかもしれない。が、能のある人物が仕切っているのならもう盗賊と言うレベルではないのかもしれない」

 「つまりそれは……」

 「少なくとも大きな組織にはなっている可能性があるってことだ」太刀道の発言で容易に王国の破滅が目に見えた。

 「でもどうやって足取りを探るんだよ!」盗賊が何か痕跡残したわけじゃなかった。

 「そこが問題だ」太刀道の頭脳を持ってしても盗賊の足取りがわからなかった。

 「ツミチハ。取り敢えずここを出よう。話したいことがある。」太刀道はツミチハを路地裏まで移動した。

 「ツミチハ。もしかしたらお主の神の力なら盗賊の足取りを掴めるかもしれない。」と太刀道は言った。

 「なんでそう思うんだ?俺の能力はほとんど戦闘に特化してるんだよ?」ツミチハは太刀道がなぜそこまで言えるのかわからなかったが、疑問を吐こうが太刀道の能力はただ者ではなかった。

 「獣の匂いがお主からしたからだ。お主もしや鼻の利く犬などにはなれるか?」太刀道はツミチハの能力を把握仕切れて無いのに関わらず、犬になれるか?という鋭い質問をする。

 「太刀道ってエスパーなの!?」ツミチハは太刀道の勘の良さに驚きを隠せない。

 「その反応はそうゆうことなのか。獣ならなんにでも慣れるのか?」

 「獣全般なれるけど、家畜にはなれない」

 「よしなら……」路地裏で密談中。突然太刀道は道に出る方へ視線を向けた。

 「どうした?太刀道?」

 「ツミチハ。あの角に誰かの気配がある。俺達は……」太刀道は小声で話した。

 「じゃあまた女探しにいきますか!」ツミチハは話題を変えて、路地裏の奥の角を曲がった。

 気配の主が路地裏に入っていく。

 「ふん……よく考えたようだな。屋根の上から奇襲するきなのだろう?」主は女の声で言った。

 「惜しいな。上からじゃなくて挟み討ちだ」路地裏の角から太刀道が立ちはだかり、後ろにはツミチハが立っている。

 「お主、見た限りただ者ではないな。私の作戦を瞬時に見破るとは。お主、盗賊の者か?」太刀道は刀を抜いて構えた。

 「盗賊?何のことやら……」と女ははぐらかす。

 「どうやら予想は当たっていたみたいだぞツミチハ。この女には能があり、そして強い。盗賊の長に会ってみたいものだ」太刀道は女に向かって走り、斬ろうとした。

 「ふん……人間に興味は無い」女の目が赤く光始めた。

 「……!?」

 「我の前でひれ伏せ」女がそう言ったことで、まるで操り人形の様に二人は地面にひれ伏した。

 「な、なんだこれは!!」

 「まさか……この女!!神か!?」

 「さらば」女はそう言うと、謎の大きな袋を取り、壁を伝って屋根の上に登り去った。


 このままでは女を逃がしてしまう。だが今はただ待つしかなかった。この姿勢の状態から動こうとすると酷く激痛が走る。

 「ツミチハ……女は逃がす訳にはいかない!私が無理やりでもこの態勢から脱出するから、お主はそこで待っておれ!!」そう言うと太刀道は身体をなんとか動かそうとして脱出を試みる。少し動いただけで人には到底耐えかねる激痛が走るのに、太刀道は表情一つ変えず身体を起こす。

 「おい!無理に体を動かすな!死ぬぞ!」ツミチハの呼び掛けにも答えず太刀道は体をお越し、立って見せた。

 「この程度……幾千も死に続ければ楽なもの……」

 太刀道は激痛を感じながら壁を伝って屋根の上に登る。

 「太刀道!!おい!!やめろ!!」太刀道はツミチハを無視して女を追った

 

 

 

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