鬼神編 二戦 百鬼夜行の前兆
なんとか二回戦目書けましたよ!
謎は増えていくばかりです!
次回こそ神について触れようと頑張ります!
「俺は人間でも、神でもない。ただの器だ。 まぁ、一応ツミチハって名前がある。」
「そうか…あの蟷螂の死体…お主がやったのか?」
ツミチハからしたらこの神のおっさんの質問はとても鬱陶しく思えた。何よりツミチハは…
「俺じゃない。ここを襲ったもう一体の神がやった。」とツミチハは威嚇気味で言った。
「なぜお主は…」と老人が言う言葉に被せて
「だあぁー!うるせぇんだよジジイ!俺は早く飯が食いたいんだぁ!」
ツミチハはお腹が空いていた。
「え?いきなり?」と老人は驚いた。
「さっさと町に入らせて飯を食わせろ!!話なら後でしてやる。飯を食ってから…」
その場にいた一同はおぞましい気を感じ。周りに目をやる。すると遠くの方で人間でもない白い姿の神でもないましてや神と真逆の漆黒の色をしたおぞましい存在の3体の獣が見えたからだ。
「あれが例の…」ツミチハは言った。
「なんだ!あのおぞましい姿をした怪物は?」騎士達は見たことの無い獣に騒いでいた。
おぞましき漆黒の色をした獣は3体同時、隊列に突っ込んで来た。
「全員!!構え!!」老人の命令で騎士達は馬から降りて横一列に並び構えた。
ツミチハはこの時、
(うわー。綺麗な隊列だなぁー。俺の出る幕無いなぁー。…後は任せた…)なんて事を思っていた。
3体の魔物が隊列の近くまで来たとき
「囲めぇー!!」と老人が言うと騎士達は獣を囲み、雄叫びを上げながら攻撃した。
「うおぉぉーー!おりゃゃーー!死ねぇーー!」
あの白い肌や白い髪は神である証なはずだが、老人は神の能力を一切使わなかったが、その事についてツミチハは多少違和感は感じていたが
(わぁー。良い戦術だなぁー。(感心なんて1ミリも無い)すごい統率だなぁー(感心なんて以下略))なんて事を思っていた…
3体の魔物は騎士達に屠られた。が、また新たな獣が10体ほど遠くから現れた。獣はすぐにこちらの存在に気づいて突進して来た。
「この数は厳しいぞ。」と老人が言う。
「おいおっさん。あんたのその白い肌は神である証なんじゃないのか?能力を使えばやり合えるはずだろ?」ツミチハが自分が感じた違和感を伝えたが、老人の返答は意外だった。
「この白い姿は神からの影響で、私自身ただの人間だ。」と
「まぁ…俺が行こう。」とツミチハが言ったが、獣の近くに人間らしき者が現れたのに気付く。
「おいお前!なにしてんだ!危ないぞ!」とツミチハは警告したが、その者は魔物に対して構えだした。
「おい!やめろ!戦うな!あれは神が生み出したモノだ!ただの人間では太刀打ちできないぞ!」
と言ったが聞く耳持たず構え続けている。
「チッ!死んでも知らねぇからな文句言うなよ!」とツミチハはその者を助けに行こうとするが
「神ノ技…刹那抜刀!」刀が鞘から抜刀されようとすると、地面を抉り取る程の一歩で10体の獣の列の中を通る。その者が列の後方に来たとき獣たちはすでに蹂躙された。獣達1体1体欠かさず急所を狙い斬られていた。助けようとしたツミチハも驚いていた。
「あ、あれ?お前神だったの?」その者の神技にツミチハは思った。
「いや、拙者は普通の人間だ。」
「え?あの動きで普通の人間さんでございますか?」
人間離れしたあの動きと共に神の技を取り成すことが出来る者がいるとすれば、他ならぬ人間最強と言えるだろう。並みの神ではこの者には勝てないとツミチハはそう確信した。
「お主ら、無事でおるか?」と老人が近づいて異端な人間にこうに言った。
「ほぅ…その服にその刀。お主、修羅の国の者か?」と。
「え?あの修羅の国の人間?修羅の国の人間は一人一人あんなに強いの?」と言ったが反応がなかった。
「………」異端な人間は黙って門の方に歩いて言った。
「あれ?聞こえてる?お…おい!無視すんじゃねぇよ!」異端者はツミチハの方に振り返り手を上げた。
「お?なんだよ?」
「拙者、腹が空いておる。話なら後で聞こう。」
「お前もか!!」
平原の陰の方で怪しい者が様子を見ていた。
「ほう…あの刀と服…クク…面白い事になりそうだ…」
食後…
どうやらあの老人はレイドといってこの国を統率している人間らしい。今はこの城の会議室で襲ってきた人型の神についての話をしていた。
「蟷螂騎士隊の14人の内12人が死亡…2人が生存。レイド様。あの人型の神の力は強大です。またいつ襲撃されるかわかりません。」
「そもそも何故急に神がこの国を襲ってきたのか。…何故だ…」
「何はともあれレイド様。先般のおぞましい化け物の件もあります。即刻手を下さなければ。」
ツミチハと異国の人間もこの会議に参加していた。人型の神襲撃時に城壁の上にいた兵士も参加している。ツミチハはその兵士の1人の顔を覚えていた。
「うーん…なんだっけ……あ、あれか!」とツミチハは何か思い出したかのように言った。
「なあレイド。こいつ神に勝てないのわかっていながら大砲の玉を詰めてたぞ。こいつに何か与えてやれよ。」ツミチハはムシャムシャと咀嚼音を立てながら1人の兵士を指差した。
「え?私ですか?いえ、私は何も出来ていませんよ…」そう否定するがレイドはこの兵士に興味をもった。
「ふむ…お主、名はなんという?」
「私はジョン・ワイズナー。一般兵士です。」
「ではジョン。お主のその勇敢な姿勢を評価し、褒美を与えよう。」とレイドは言うが、兵士は変わらず否定した。
「お言葉を返すようですが、私は今回の件について何もお役に立てていません。」と兵士がいうも
「出来たか出来なかったなどではあるまい。お主が行動し、この国を守ろうとした。その勇敢な行いを評価しているのだよ。お主の他に自ら動こうとした者はおったか?」とレイドは言った。
「……いませんでした。」褒美がいらないわけじゃない。ただ、ジョンが欲している事が認められるものかどうか怖かったのである。
「なんでも言ってくれ。」
「あ、あの。僭越ですが…鞍替えをしたいです…」
ジョンは褒美の範囲に入っているかわからない要求をしてきた。まぁ、褒美は人によっては変わるものなのだろう。
「何の役に就きたいのじゃ?」
「神器鍛冶です。」神器鍛冶というのは神の特殊な素材から作成した武器や防具を作成する仕事だ。なんでわざわざ鞍替えして神器鍛冶をしようと思ったのかわからなかったがあえてレイドは聞かなかった。
「よかろう。なんでもと言ってしもうたからな。神器鍛冶に行くといい。こちらから伝えておこう。」
「ありがとうございます。」
この人間が人類の希望になることは、まだ誰も知るよしもなかった…
「ところで修羅の国の人よ。まだ名を聞いておらぬかったな。名を教えてくれぬか?」その修羅の人間は謎が多く、今回の神襲来に対して関係しているか疑問だった。
「我は修羅の太刀道と言う者だ。」
「では、お主は今回の神襲来について関係しておるのか?」
「人型の神については知らぬ。が、獣の件についてはよく知っておる。」
「ほう?そのことについて教えてくれぬか?」
「あの獣達。実は修羅の国ではよく現れていたのだ。外へ出ると必ずと言っていいほどよく現れておった。だが、ある日を境に急に現れなくなった。我の師匠が何かがおかしいと調査に向かわれてから一向に帰られては来なかった。我も痺れを切らして師匠と同じく調査に向かった。そしたら獣達はどうやらこちらの国に移動していってるみたいなのだ。」あのおぞましい獣は修羅の国から来たようで、ある日突然現れなくなった。太刀道の師匠は調査に向かったが一向に帰ってこず、痺れを切らして太刀道が調査するとこの国に獣は移動してきたらしい。
「ほう…何故その獣が移動したのかわかっておるか?」獣が移動して来た理由は必ずあるはずだとレイドは思った。
「移動した理由は私の師匠しか知らない。ただ、師匠はこう言っていた。百鬼夜行の前兆だと…」
「百鬼夜行?」と話の途中に兵士が会議室のドア強く叩いてこう言った。
「レイド様!また盗賊が奇襲してきました!」
どうやらこの国の近くにいる盗賊が頻発して物資を奪取しているらしい。周りの偉い人はまたかと言わんばかりのため息を吐いた。このことについてレイドは頭を抱えていた。
「はぁー…神の件で精一杯でいるのに…」
「なぁ、盗賊は俺たちに任せてくれないか?」ツミチハは自ら名乗りを上げた。
「ほう?お主達が?」
「そうそう!俺と、太刀道が!」太刀道は勝手に手伝わされて怒っていた。
「なぜ私が手伝わなければいけないのだ?」ツミチハは太刀道の耳元でこう囁いた。
「まぁまぁそんなな怒りなさんな!太刀道もお師匠さんを探してるんだろ?それならさぁー?一つ手伝ってさ友好的になるでしょ?そしたらこの国の人達にもお師匠さん探しを手伝ってもらえばそっちのほうが楽でしょ?」
「…」太刀道は少しの間硬直した。
「うむ!手伝ってやってもかまわんぞ!」
「太刀道チョロすぎ!」
B No.99
Name:Lucy
Inside:confidential
Current:alive
「許さない…全ての神を…人間が頂点に立ち…覇王として君臨して神を殺してやる!」
終わり
次回は短期の盗賊編に入りたいと思います