第十一章 罪の十字架が広がるから…… 1
魔女の森に、ある日、メリサは迷い込んだ。
この森は街から街を繋ぐ街道を繋ぐ場所に隣していた。魔女の森には、中心部に近付くに連れて、ルブルの放った奇形のゾンビ達が彷徨っていたのだが、街道の辺りはとても静かなものだった。
彼女は、たまたま街道を歩いていて、夕暮れ近くになってしまった。
しばらく、彼女が歩いていると、四人組の無骨な男達に囲まれた。
メリサは慌てて走り出したが、逃げる暇も無く、彼女は男達に連れ去られてしまい、その男達の洞窟のねぐらへと入れられた。
男達は夜盗だった。この辺りで、追い剥ぎをしながら糊口を凌いでいた。おそらくは、離れの街で敗戦した兵士達の残党だったのだろうが、その素性は不明だった。
男達は、あらん限りの暴力を振るいながら、メリサを凌辱した。メリサは処女でこそ無かったが、五日近くもの間、男達に犯され続けて、この世の生き地獄を味わい続けた。
しばらくして、彼女は飽きられて、森の奥へと捨てられてしまった。
この辺りは、怪物が出るという事で、夜盗達から恐れられた場所だった。
メリサは、ひたすらに崩壊した心のまま森の息吹を吸い続けた。
彼女は男達の体液がこびり付いた襤褸雑巾のようになった服を身に付け、全身の所々が痣だらけになり、骨が折れている箇所もあった。このままだと、森の獣に食い殺されるか、餓死して地虫達の餌食になるのだろう。彼女は、ぼんやりと、これまでの人生の事を思い返し続けていたのだった。
そして、七日目の夜が訪れた。
そこには、一人の漆黒のドレスをその身に纏った女が佇んでいた。
彼女は、メリサに何があったのかを訊ねる。メリサは断片的に合った出来事の一部始終を話した。
復讐がしたい? メリサは、そう訊ねられる。メリサは地面に倒れたまま、頷く。
黒いドレスの女は微笑を浮かべていた。
ならば、それだけの力を貴方に上げる。そう告げられた。
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