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Mutiger Mann戦記  作者: Arzt
5/7

帰還

翌朝、自警団が町を巡回していた。

剣や槍、鎧、斧などで物々しいが・・・。

もし本気で犯人が攻撃すれば、五分ともたないだろう。

でなければ、テルが勝手に理由も言わずに追いかけたりはしない。

俺は急いで、町を離れ、公国に向かうことにした。ここにいても良いことは無い。


門を出ようとすると、

「だから、言っただろう。あの宿には行くな、と」

昨日、居酒屋でからまれた男性が背後から声をかけてきた。

そっと、腰の剣に手を伸ばす、が

ビクッ!

手が震える。

「ほう・・・。私の殺気を感じたか。成長したな、ポー」

「お前は、誰だ・・・?」

「まだ、分からないか?・・・まあ、良い。もうひとつ、言っておく」

「なんだ」

「これから公国の立場は悪くなるぞ」

「はあ?」

「聞く・聞かないはお前の自由だ。ククク・・・姫によろしくな」

「おい!」

俺は、振り返った。しかし・・・

「クソッ。どこに行きやがった、あいつ」

あの口ぶり、殺気、そして“姫”。

もしや・・・。

そこまで考え、頭を振って、考えを掻き消す。

今やるべきは犯人捜しでも、あいつが誰かを特定することでもない。

公国に少しでも早く到着することだ。

俺は、荷物を背負い、足を前に出した。



不法地帯の真ん中あたり、誰も来ないようなところに住んでいる一族がいる。

ゾン族。

百年以上も昔に俗世との交流を絶ち、しかし、滅ぼそうとする国・グループは現れなかった。

それは彼らの戦闘力にある。

彼らの戦闘を記録した最も古い記録は、110年ほど昔の記録だ。

いまの帝国セレナードの前身との記録だ。

その時の記録には、ゾン族の攻撃の悲惨さが記録されていた。

帝国軍のキャンプが一つ、焦土と化した。

反撃の隙も無かったと考えられる、と記されている。

そんな一族に攻撃は愚か、コンタクトを取ろうとする集団は今のところ、無い。



コンコン

「どうぞ」

「ポー校長。公爵からの召喚状が届いております。今夜、7時です」

「うん・・・。分かった」

「失礼します」

いつも手伝ってくれる副校長が出ていった。

「俺が、校長、ね」

つい、笑ってしまう。

ここは、公国にある孤児院兼学校であるスレイガート学校だ。

ここには、様々な理由で孤児となった子供たちが通い、教養や知恵、生きていくための技術を身に着ける。

そんな学校の校長を俺は務めている。正直、いないことのほうが多いが…。

俺の役割は、戦闘の手ほどきだ。

年に3か月はここにいるように公爵に言われている。その間に手ほどきをする。

今の世の中、武力は必要だ。


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